2020.09.21 K.Kotani>
ピピアめふアニメ教室・初歩の技法シリーズ「初歩の人形アニメ」
2020年9月21日更新
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初歩の技法シリーズ「初歩の人形アニメ」
初歩の人形アニメ
実際の物体を動かす物体アニメのうち、主な表現のものが人形(人間でなくても、動物・ロボットなどでも、感情を持ったキャラクターであれば人形と呼ぶ)であるアニメーション。
物体アニメ 物体を動かすアニメーション。石や砂を少しずつ動かしたり、いろいろな形のじゃがいもを置き換えたりして制作される。ビーズや砂や米を並べて形を表現したものは、描画アニメの一区分としても認知される。
人形アニメの作家 古くはスタレヴィッチの昆虫アニメから、日本の持永只仁、チェコのトルンカなど、大家が続出した。日本とチェコでほぼ同じ時期に技術開発が始まり、両方ともほぼ同じようなものを開発していた事が後になって分かったと言うエピソードは興味深い。おかだえみこ氏の「人形アニメーションの魅力」は必読の好著。日本では、川本喜八郎が数々の名作を製作、内外で多数の受賞歴があり、川本氏を慕う人形アニメ作家は現在でも数多い。近年では保田克史がNHKのプチプチアニメで「ロボット・バルタ」シリーズを多数発表している。
人形アニメの人形
とにかく、人形を作らない事にははじまりません。
人形アニメ用の人形の最低条件
1.手足が自由に曲げられて好きなところでとめられる事。
2.背景の上で立てる事。
できれば・・・という条件
1.表情が自由に出せる事。
2.部品の交換が簡単に出来る事。
この条件を満たした上で、作者の求める姿をしている事が必要となります。
人形アニメに使えそうな市販の人形
1.ただのぬいぐるみ・・・位置や方向を変えるのが精一杯。
2.GIジョー・・・手足も完璧に曲がり、各関節ともリアルな動きをしそうだ
が、以外と関節の可動範囲がせまい。
3.リカちゃん(またはジェニー)・・・手足の中に針金が入れてあるが、細かい
動きはほとんどできないと考えてよい。
4.ガンプラ・・・GIジョーとほぼ同じ
5.可動フィギュアの本体・・・GIジョーとほぼ同じ。人形にポーズをとらせ
るものと考えた方が良い。
6.針金入りのゴムフィギュア・・・使えそうだが、著作権上の問題が残る。
オリジナル人形の制作
1.骨格を作る。
2.肉をつける。
3.服を着せる。
人形の骨格
関節の制作が第一のポイントとなります。必要とする時は動いた上、自分の重みで垂れ下がったりしない事が必要となります。
1.針金による関節 はんだなど、柔らかい金属を結んだり、溶接して骨格を組み立てていきます。比較的簡単につくれますが、何十回も繰り替えして曲げのばしを続けると、金属疲労を起こして折れます。これを防ぐため、関節の形を工夫して曲げが一ケ所に集中しないようにしたり、複数の針金を組み合わせたりします。
2.機械式関節 ボールジョイント(鉄亜鈴の小さなもの)みたいなものを穴の開いた板で挟んで関節とします。金属製のものは大変耐久性があり、折れたりはしませんが、市販はされていないためすべて特注となり、高価なものとなる事が予想されます。
「せぼね君」というプラスチック製のものが店鋪用品として市販されており、10連のものを分解すると5組みの関節と4個のボールジョイントがとれます。このボールジョイントを使って関節を作る事もできます。
また、「ご可動君」などという名称で、ロボットフィギュアの改造用品としてポリキャップと軸を組み合わせたものが各種市販されており、利用可能と思われます。
3.パンタグラフ式 腕木に穴をあけ、ネジを通してしめるだけ。関節と違い、自由自在には動かない。2個組み合わせると、関節に近いものとなる。
人形アニメの撮影
基本 人形を少しずつ動かして撮影する。ドローイングと異なり、後から間にポーズを追加して再撮影する事ができない。撮り直しは、基本的に全部撮り直しとなる。
舞台設定 実写と同じく、照明や空気感の効果等が使える。「かすみ」や「煙」などは、それ自体も一コマずつ動かさないといけないので、なかなか大変である。
K.Kotani