2020.09.21 K.Kotani>
ピピアめふアニメ教室・初歩の技法シリーズ「初歩の砂アニメ」
2020年9月21日更新
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初歩の技法シリーズ「初歩の砂アニメ」
初歩の砂アニメ
砂アニメーション
砂アニメは、コマ撮りの素材として「砂」を使うアニメーションテクニックである。
粉末であれば原理的には何でも使えるが、小麦粉や塩、砂糖などは湿気を帯びる為、超短期の集中製作にしか向かない。
サンドアートとして、砂の建築物を造るような美術作品も最近は良く見られるが、基本的には粘土のように立体的にはアニメに使える素材ではない。
NFBのコ・ホードマンの「砂の城」は、表面に砂をまぶした人形・粘土のキャラクターと普通の砂を組み合わせて作ったアニメーションで、立体的に砂を使った作品としては珍しい。
一般的には、平面状に砂で絵を描くようにして撮影するか、背面から光を当てて、影絵のようにして作る方法がしばしばみられる。
NFBのキャロライン・リーフがこの手法の第一人者としてよく知られ、日本では、飯面雅子が1970年代より作品を発表して来ている。
この方法で静止画を作る事を「サンドアート」と言い、独特の味わいのある画像が作れる為、世界各地に作家がいる。
TVでは、子供番組の一部として放送されたり、番組のエンディングに使われた例もあったが、アニメーションがCMに使われた事はない。(サンドアート自体をCMに使った例はある。)
砂アニメーションの手法
砂アニメの基本手法は、砂を背景(大抵無地)の上に置き、撮影しては少しずつ動かしていく方法である。粘土や人形、切り紙と同じように一発勝負の技法である。
粘土や人形・切り紙と異なる点は、ものを動かすのではなく、前の絵を消しては描いて行く、という点にあり、集団作業がきわめて難しく、個人の集中的作業による製作が多い。
背景の上にガラスを載せ、マルチ・プレーン化して背景と動画を分離する方法を、永田ナオミが使用した事もあるが、影絵の場合は、背景を光が透けて来ない、という制約もある手法である。
アニメーションではないが、飯面雅子は、サンドアートを音楽に合わせてリアルタイムで描き、置き換えて行くという「サンドアート・パフォーマンス」という手法に挑戦して、最近大きな成功を収めている。
※なお、最近、砂にシリコン樹脂を混ぜて、「湿った砂」のような質感のものが発売されている。「砂ねんど」「Kinetic Sand」という名称で、百均ショップやホームセンター、通販などで購入可能。粘土のように細やかな造形は出来ないが、「砂遊び」のような事が出来るので、アニメーションの素材として使える可能性が大いにある。(まだ、「作品」を作った人はいないようだ。)
K.Kotani