2007年7月8日(日)

 

千葉県旭市飯岡   2007年7月8日(日)


岩ガキは、関東では銚子が有名な産地と聞いてよく理解出来なかった。
銚子というと、利根川河口の港町のイメージがあり、あそこで岩ガキなぞ採れるはずがない、と思っていたのである。

ところが調べてみると銚子でも河口の反対側、犬吠崎の南の名洗町の岩場で採れるということがわかった。
また、ここは東洋のドーバーといわれる高さ40m〜50mの断崖が延々と続くその終端であることも知った。
その名は
屏風ヶ浦

 

 

 屏風ヶ浦は、
 九十九里浜が尽きるところから
 犬吠崎の手前までの間である。 

 

 

 

←左図をクリックすると、
   屏風ヶ浦の詳細図。

 

 

 

 

 

 

更に、名洗からは屏風ヶ浦の反対端に位置する飯岡に、今 岩ガキが採れ、磯ガキ祭り開催中との情報!

え〜っ ここにも?    と、調べると...

 

屏風ヶ浦の断崖が、これ以上侵食されないように、延々と消波堤を築いてきた。
1970年代には、更に飯岡港から砂浜にかけての100〜200メートルの沖合に、消波ブロックを積み上げ離岸堤を築いたが
このテトラポットにぎっしりと岩ガキが育っているのが10年後の80年代に発見されたそうである。
ここは新興の岩ガキ産地である。

もともと棲息していた岩ガキが、テトラポットという場を得て繁殖したようである。
強い潮流に揉まれて育った岩ガキである。美味いに決まっている。

漁期は身が充実する5月から8月上旬で、旬は6月上旬から7月中旬までという。
これを食べに行かない手はない、と早速出かけていった。

 

 

 飯岡漁港の堤防から刑部岬を望む。

 

 左手は飯岡漁港。

 崖下の建物が民宿・岸壁荘。

 

                  屏風ヶ浦の終端の刑部岬

 

飯岡漁港からは釣り船が多く出ている。

この日も、昼ごろ戻ってきては、又、次々と釣り人を乗せ出航。
とても賑わっていた。

 

           漁港の奥から撮影

 

 

海蝕を防ぐ消波堤は、屏風ヶ浦の断崖の下に延々と築かれていた。 
遊歩道ではない。
波が打ち寄せるたびに飛沫がかかってくる。
しばらく行くと、上部が波の力で崩されていて先には進めなかった。

          飯岡漁港に戻る           飯岡漁港から先に進む。

 

 

 

 仰ぎ見ると白亜の断崖である。

 キスゲのようなオレンジ色の花が最上部に咲いていた。

     

         終端の刑部岬  

 

 

< メ モ >

屏風ケ浦は侵食が激しく、消波ブロックが設置される前は、年に1mのペースで後退を続け、過去40〜50年の間に陸地が50mほど後退したそうです。 
鎌倉時代には2キロ〜6キロも先に陸地があり、村や佐貫城という城もあったと
記録が残っています

 

 

第12回 飯岡 磯がき祭り開催中!

 

飯岡の民宿などが、岩ガキシーズン中に共同で開催しています。

飯岡漁港の内の、刑部岬下にポツンとある民宿・岸壁荘へランチの予約を入れ行ってきました。

岸壁荘− アガサ・クリスティのミステリーか、ヒッチコックの映画に出てきそうな名前です。

今日は快晴。 

岸壁荘は、洒落たリゾート・レストランか 漁村のオーベルジュのように見えます。

 

 

 外階段から2階の入り口に上がるのですが、脇の車庫のなかでオジサンが無造作に岩ガキの剥き身作業をしていました。

 

  身を採られた貝殻の山です。

 

  オウ オウ これは期待できそう と 思わず生唾!。

 

 さて、屋内です。

    食堂からは飯岡港が眼下です。    木をベースにした屋内は奇麗でくつろげる雰囲気です。

 

 

 漁師メニューのなかで 今回は、岩ガキ尽くし三昧 ー 生岩ガキ、焼き岩ガキ、岩ガキのカキフライ、岩ガキの釜飯 がお目当てです。

 岩ガキは今が旬です。ここのは大きなカキで、産卵前でプリプリに肥えています。7月後半からは産卵して痩せてしまうそうです。

 

 磯ガキ祭りコースです。
 生ガキに焼きガキにカキ釜飯。 
 お新香にデザートにお椀もの。

 

 網に入った焼きガキ1コは追加注文です。

 

                  贅沢な食卓の情景

 

メンチカツじゃありません。巨大な岩ガキのカキフライです。追加注文。    コースの最後に 岩ガキの釜飯。 岩ガキが2つ入ってました。


   

 岩ガキは好物で、寿司屋さんや飲み屋さんなどでよく食べます。
 しかし、みんな生食です。

 生で食べられる岩ガキを、「焼いて頂戴 」 なんて注文は贅沢すぎて出来ません。
 まして、「この岩ガキ でかいから、カキフライにして頂戴」 なんて絶対に絶対に出来ないし、想像したことさえありません(笑)
 「この岩ガキ 小ぶりだから2個入れて、釜飯作ってよ!」 なんて 思ったこともありません。

 生で食べられる岩ガキは、 焼いたり、揚げたり、蒸したり なんて贅沢は通常出来ません。

 今回 それらを、ぜ〜んぶ 実行した結果になりました。 岸壁荘の讃劇です。


 見よ、この丸々 プリプリした身を!
 7年近く育ったものといわれてます。

 この生で食べられる岩ガキを、焼いて食べるのです。

 鮮度のいい岩ガキは、焼いたほうが生より美味しかった。

 

 

 

  見よ! この巨大な 岩ガキのカキフライを!

  ガブッ て噛んだが この厚み!

  じゅ〜〜

  思わず、 うめぇ〜〜

  

  生で食べられる岩ガキを、カキフライにして食べるのです。

  鮮度のいい岩ガキは、生より、焼いたよりも
  カキフライの方が美味しかった。

 

  

 

 何と贅沢な釜飯。

 漁師宿だけあって、釜もシンプルでまさに釜です(笑)

 岩ガキが2個入ってます。

 入口脇でオジサンがセッセと剥いていた岩ガキです。

 

 

 今回、生で1つ。焼いて2つ。カキフライで1つ。釜飯で2つ。合計6つー 半ダースの岩ガキを食べて、大満足して飯岡から戻りました。

 当分 岩ガキは いらねぇ〜、と。

 

 ※飯岡の岩ガキが、大きくて、身がしまっていて美味しい理由(俗説)
 ・このあたりの砂浜は砂鉄が多く、この鉄分がカキの成長にいい。
 ・離岸堤という浅いところで生育しているため、温度が比較的高く、プランクトンが豊富で成長がいい。
 ・流れが強いところなので、身が引き締まっている。

 

 飯岡漁港を境にして、断崖は砂浜に変化します。九十九里浜です。

 飯岡海水浴場です。

 サーファーが沢山いました。

 


2007年7月14日了

宇田川 東

 

 リンク     民宿・岸壁荘  地魚料理が色々とあります。夏は磯ガキ料理、冬はアンコウ鍋、フグ鍋。