2018年2月19日 〜 21日 落石漁港へ戻る |
「谷口高司と野鳥を楽しむ会」の6名で、和気あいあいと 厳寒の根室に行ってきた。
初日、カメラ(鳥見用小型ズームデジカメ キャノンSX30)が故障し、大ショックを受けた。
12X50の単眼鏡と、ガイドと谷口先生の三脚望遠鏡が観察の中心で、写真は小さなデジカメで風景(や大型のオジロワシ・オオワシ)を撮った。
訪れたのは、道東一帯で、釧路〜根室まで |
赤いタグの場所が、観察したポイント。
納沙布岬〜 厚岸の間の観察地点 |
1日目: 2018年2月19日(月)
たんちょう釧路空港 到着後、阿寒国際ツルセンターへ直行した。
タンチョウ や オオハクチョウが群れていた。
ここは有名観光地なので、日本人の他に、アジア人、欧米人も多かった。
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JR釧路駅から 花咲線で 2時間半かけて 1両車両で JR根室駅へ。
沿線は エゾシカの群れが大挙していた。
根室の小さなホテルは(二日目の晩は)我々以外は、 欧米人のバードウォッチャーで満室だった。
オオワシ(と落石の海鳥クルーズ)が目当てだそうで、北海道 最東端の国際化に驚いた。
2日目: 2018年2月20日(火)
根室半島の突端・納沙布岬へ行く。
半島は平坦な海蝕台地の地形だ。 とにかく空が広いのには驚かされた。
納沙布岬灯台 オホーツク海側は 流氷が来ている | 太平洋側 |
岬手前の電柱上に オジロワシが止まっていた。
流氷の方を眺めていた。 近いし デカイので デジカメで撮れた。 |
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岬の先には ワシカモメ、シノリガモ、ウミアイサ、クロカモメ、ケイマフリ、ヒメアイサなどが居た。
ゼニガタアザラシが居た。 大きく真っ黒な入道頭だけが ニュと浮かび上がっていた。
今日のガイドは、地元育ちの高野建治さん。 野鳥だけでなく、歴史・風土・樹木・高山植物など
幅広く説明してくださった。
晴天で、しかも風が無いため 納沙布岬では 長い間観察できた。
納沙布岬をぐるり回って 花咲港 へ。
オオワシが空を舞っていた。
4羽が空中を旋回しており、1羽が崖上に、1羽が鉄塔上に。
空中の4羽のうちの2羽をデジカメで撮ってトリミング。
崖上の1羽もトリミング。 でかいオオワシだから出来ること。
2組のペアが飛び回っていた。 | 港内を見下ろすこの場所が、このオオワシの定位置とのこと。 |
港内の氷面上に、 2羽のオオワシが膨らんで座って居た。 オオワシ L89〜102cm W220〜240cm (鳥絵塾で描いたオオワシ:タイトルで使用) (写真は、同行したクルーズガイド新谷耕司氏の撮影) |
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翼を拡げれば2mを超える オオワシは別格の鳥だ。 空中では翼をピンと広げて、滑空・旋回してることが多い。 様々な場所で 様々な姿で見た。 空中を滑空、羽ばたいで湾を横断中、森の木の中程に止まって、崖上に、鉄塔・電柱上に、氷の上で膨らんで、沼の中の浅瀬 等々。 |
花咲港から、ネイチャークルーズのために落石漁港へ移動。
漁港に下りる崖に オジロワシが休んでいた。
オジロワシも大きい。 オジロワシは、到着日に釧路市内・幣舞橋でペアを見たのを皮切りに、 以来 至るところで目にした。. オジロワシ L80〜94cm W200〜228cm (鳥絵塾で描いたオジロワシ) |
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午後の、落石(おちいし)ネイチャークルーズは 強く印象に残った。
小型漁船で、秘境とも言える海を 2時間半もかけて海鳥ウォッチングを続ける。 航行距離は、ざっと25`程にもなる。 快晴で、風は無く、波も穏やか、というベストコンディションでのクルーズだった。 海上は冷えるので、ダイビング用フードを下に被るなど 完全防寒体制で臨んだ。 ガイドの新谷さんが船首に立ち、ゲストは皆無線レシーバーを通して彼の説明を聞く。 ”3時方向の波間に5,6羽のウミスズメが居ます...” と。 岸壁を離れると、堤防上にはオオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメが並び、 湾内にはヒメウ、スズガモ、クロガモ、シノリガモ、コオリガモ、ホオジロガモ、ウミアイサなどが。 |
外洋に出て、ユルリ島、モユルリ島を目ざす。 私は船首の新谷さんの隣で海鳥を観察していた。 で、時折 彼がカメラで撮るのを見ていた。 帰りにカメラが壊れた事情を話して、 海鳥の写真が1枚も無いので、今日の海鳥写真を送ってとお願いしたら、届いた。 ご厚意により、この日の写真を以下に使うことが出来た。 |
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ウミスズメ(L25.5cm)、コウミスズメ(L15cm)、エトロフウミスズメ(L24cm) を親しく感じるようになった。
スズメ大のコウミスズメは、港を出てから ほぼ途切れることなく 見ることが出来た。
5,6羽で漂っていたり、または、ポコっと眼前の波間から現れ、海面すれすれを飛んで行って潜って消える。
あまり長くは飛べないらしく、その出現から消えるまでが トビウオに感じが似ていて
親しみを覚えた。
コウミスズメ 撮影・新谷耕司氏 | コウミスズメ 撮影・新谷耕司氏 |
突然! 隣にいたKさんが、”あれ何に!”、と 叫んだ。
見たら、 真っ黒で細長い、蛇か竜のようなものが 高速でくねくねと波上を滑って行って消えた。 吃驚した。
エトロフウミスズメ の50〜100羽の群れとのことだった。 何回か現れてくれたが強烈な印象だった。
凄いスピードで船を追い抜いて行った。 空中で無く、波の上を高速で泳ぎ去っていくように見えた! 撮影・新谷耕司氏 |
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エトロフウミスズメ 撮影・新谷耕司氏 | エトロフウミスズメ 撮影・新谷耕司氏 |
コオリガモ
撮影・新谷耕司氏 | 撮影・新谷耕司氏 |
ウミガラス と ウミバト
ウミガラス 撮影・新谷耕司氏 | ウミバト 撮影・新谷耕司氏 |
ケイマフリ は、紅い妖精というサブタイトルの大型本も出ていて 人気がある。
水滴型の白い目元と、真っ赤な足も見える。 ケイマフリ はアイヌ語で、足が赤いの意味 撮影・新谷耕司氏 |
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レシーバーから ”10時方向に ラッコが居ます” との情報が流れてきて驚いた。
ラッコは漁船を恐れていない感じだった。 まさかラッコに出会えるとは 思っても無かった。感激! 撮影・新谷耕司氏 |
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根室は日が沈むのが早い。 クルーズを終えて帰る際、(オホーツク海につながる汽水湖)風連湖の夕焼けを堪能した。
湖に注ぐ別当賀川河口で、氷結した川面に下りた。
大気がクリアなせいか、夕焼けのグラデーションがオーロラのようであった。
左手奥の一軒家は山階鳥類研究所・風連湖ステーション |
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川面の氷上に、伝統漁「氷下待ち網漁」の仕掛け(?)が点在していた。
コマイ(氷下魚)、ワカサギ(公魚)、チカなどを獲る。
コマイはスーパーで生を売っていたし、朝食バイキングでも出てて二日間食べていた。
干物を酒の肴として土産に買った。
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その後、道の駅「スワン44ねむろ」に立ち寄った。 売店施設はクローズしていたが、温かい缶コーヒーを飲み しばし風景を鑑賞。
氷結した風連湖 (ふうれんこ) 向かいは春国岱 (しゅんくにたい) |
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3日目: 2018年2月21日(水)
根室のホテルをチェックアウトし、延々と厚岸までワゴン車で、野鳥を観察しながら移動した。
今日も案内してくれるガイドは、高野建治さん。
昆布盛海岸へ
海にはヨシガモが群れ、空にはオオワシの若鳥が飛んでいた。
アシ原のなかで シラガホオジロ 3羽を見た。
頭が白いオス1羽と そうでないメス2羽がまとまっていた。 カメラが壊れてなければ 3羽を一緒に収められた、と、残念だった。 |
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ここで蜃気楼を見た。
展望タワーが立つ納沙布岬の蜃気楼が、現れていた。
落石漁港へ
ハギマシコ の30羽〜40羽の群れを見た。
漁港に下りる道路の崖側の枯草の上に群れてた。
時折、雪の上に移動すると 萩のような優雅な赤紫色の腹部がクッキリと見れた。
この鳥は、印象的で見ごたえがあった。
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落石岬の、漁港と反対側の海岸線に下りた。
そこは漁港側とは光景が一変し、氷が吹き溜まった一面の氷の原で、朝日に輝いていた。→ タイトルの写真
その先で、クロガモ が浮き沈みしていた。
ユキホオジロ が居た海岸を、数か所廻った。
ユキホオジロは、北極圏のツンドラ地帯に住み、冬鳥として道東の海岸に来る
スズメより少し大きい鳥だ。
イネ科のハマニンニクの種を好む。 それで、アシ原からハマニンニクの地帯を経て砂地に変わる海岸線を探した。
ユキホオジロは、鳥絵塾で描いて好きになった。 見れれば、と 唯一 リクエストした鳥なのだ。 |
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ガイドの高野さんは、居た場所を何か所か連れて行ってくれた。
が、向こうも移動しているので、結局、見つけられなかった。
ただ 足跡は残っていた。
渡邊 野鳥保護区フレシマ へ行った。
湿原と湖沼と草原で形成され、北海道の海岸線の原風景が残されている場所だ。
しかし 今の時期は一面の雪景色のみ。
琵琶瀬河口の堤防へ コクガン の群れを見に行った。
穏やかな海面上に、黒い粒粒の大きな塊のようにコクガンの集団が浮いていた。
望遠鏡で見ると腹の部分は真っ白で、黒首に白いリボン模様と、お洒落な鳥だった。
ガンというので大きいと思っていたら、小さくてカルガモ大だった。
観察した琵琶瀬の堤防は、霧多布湿原から流れる川の河口部にあり、 クロガモ、ホオジロガモ、ヒメウ、ウミアイサなどが まじかに見られた。 また、二頭のアザラシが海中でじゃれ合っていた。どうやら繁殖期らしいw コクガンの他に、クロガモ♂が 好きになった。 全身真っ黒だけど、嘴だけが黄色で、姿の良い鳥だ。群れないのも良い。 |
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琵琶瀬展望台に登った。 霧多布湿原と、反対側の海岸線の 広大な風景が楽しめた。
ここのレストラン「湿原ユートピア」でランチ。
「昆布ラーメン」の幟がはためいていた。 注文したら、ラ−メンの中に 浜中町特産の大きな昆布が敷かれていた。 |
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最後の観察地は、厚岸湖に近いヒチリップ沼(火散布沼)で
ここでオオワシの極め付けを見た。
葉が落ちた大木に オオワシ5羽、オジロワシ2羽が止まっていた。
何たる贅沢さか! みんなで大騒ぎしたw
沼には、タンチョウ、オオハクチョウ、ヨシガモ、ホオジロガモ、ウミアイサなどが見られ、
オオワシが沼の中の浅場に下りてアサリを捜してる姿もあった。
ヒチリップ沼は汽水湖で、アイヌ語の「アサリの大沼」 の意味。 アサリ、ウニ、カキの養殖が盛ん。
はさみ獲り漁法で漁獲するここのアサリ (北海道 浜中町産)は、大粒で有名。
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火散布沼から厚岸へ。
厚岸駅からJR花咲線で釧路駅へ。 たんちょう釧路空港から東京へ、と帰途に就いた。
この三日間は、 谷口高司、高野建治、新谷耕司 という最高のプロが案内してくれた、贅沢で充実したバードウォッチングの日々だった。
三氏には 感謝の念でいっぱいである。
お わ り
《 付 録 》
ホテルの夕食
初日は 根室特産の花咲ガニ。 翌日は 毛ガニ が出た。 (花咲ガニは、ヤドカリの種属とのこと。)
根室の地酒は「北の勝」で、甘口だった。
花咲ガニは 脚が3本 |
毛ガニは 脚が4本 |
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<追 記> 2018.7.1
今年の鳥絵展(※1)には、『根室半島のオオワシ』 という題名で、オオワシの色々な姿を描いて出した。
納沙布岬の灯台、 ユルリ島、 流氷などの印象深いものを組み合わせて、 オオワシの様々な姿を描いてみた。 (額サイズは太子) ※1: 谷口高司と野鳥を楽しむ会 「 ”タマゴ式” で描く鳥と水のある景色展」 2018年6月26日 〜 7月1日 新宿御苑インフォメーションセンター内アートギャラリー |
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<後 記> 人生何が起こるかわからない。 |
2018年 2月25日 宇田川 東 |