(写真)久部良の西崎(イリザキ)です。 この裏がポイントです。 |
1月17日(金)から4日間、沖縄の与那国島へダイビングに行ってきました。
なんで冬の季節に? ...与那国では、冬場になるとハンマーヘッドシャークの群れがやって来るのです。
トンカチのように横に突き出た目をした、体長2〜4mのサメです。
それに遭遇することを楽しみに、わざわざ日本の果てまでやって来ました。
与那国島の位置ですが、隣りはもう台湾(距離も約110`)という、日本最西端の島です。
砂浜が少なく、断崖絶壁に囲まれている岩山の島といった趣があります。
島は、土地のことばで、”どなん” というそうです。漢字では”渡難”と書くそうです。凄いですね!
与那国は2回目です。 前回は島の中心”祖納(そない)”に宿泊しましたが、今回はダイビングポイントに
近い漁港・久部良(くぶら)です。 ここからだと、ハンマーヘッドシャークへのポイントは目と鼻の先です。
久部良は、西崎(イリザキ)の岬の奥に面した小さな漁村です。 人家は斜面や高台に位置しています。
西崎の灯台から見下ろす久部良の集落 |
の〜んびりとした所です。 信号機もなければ、商店も数軒です。
集落の周囲には、牛や馬が放牧されています。
久部良最大かつ日本最西端の店です | 坂道から見るメインストリート(?)と西崎 |
1月17日(金) 快晴 (水温23度)
東京から石垣島へ直行し、乗り換えて与那国島へ。午前中に到着しました。
さっそく、午後に2本のダイビング。ショップはフロムウエストです。
1本目は、チェックダイブで、久部良の北側の「ダンヌ餌付け」。
綺麗な根があり、チョウチョウウオやハナゴイなどポピュラーな魚が一杯。
大きな釣り針を口に刺したままのヤイタハタが通り過ぎていきました。可哀相でした。
【ハンマー狙いのダイビングスタイル】
西崎の灯台の下を通過して外洋に出ます。 目指すポイントは西崎の裏手にあたります。 |
与那国は、流れがあるので独特のダイビングスタイルです。 完全なドリフトダイビングです。
ポイントに着き、エンジンを停止してから、ガイドさんのイチ、ニッ、サン の合図で、一斉にバックロールでエントリーします。
水深が深いので水中で集合します。 フロムウエストでは 水中10メートルでの集合でした。
BCからはエアを抜いておき、エントリー後体を反転しヘッドファーストで潜降し、すみやかに水中で集合します。
そして、水中に聳える大きな根−ハンマーヘッドロック や 南の根 などに掴まり、
流れと闘いながら ハンマーが現われるのを待つのが一般的なスタイルです。
中層をドリフトしてハンマーに遭遇する、というスタイルもあります。
左図は 南の根でハンマー待ちした典型的な例(前回のログ)です。 この時は、 水中20m集合で、南の根に向い、巨大な根の上 (水深28m) でハンマーを待ちました。 その後は、ドリフトでかなり流されてからエキジット。 大きなナポレオンは近づいてきたが、ハンマーはハズレ。 |
2本目 西崎
ハンマーウェイからエントリーし、ハンマーヘッドロック方向へ向かう。かなり流された。
ハンマーヘッドシャークは現われず。 ハズレ(通算4回)
1月18日(土) 快晴 (水温23度)
1本目 西崎
ハンマーウェイからエントリーし、 ドリフトで 南の根 の上を通過してハンマーヘッドロックへ。 ハンマーヘッドロックを下に見ながらエキジット。かなりの距離を移動した。 ハンマーヘッドシャークは現われず。 ハズレ(通算5回) |
2本目 西崎
エントリーしたら視界が悪い。海中を延々とドリフトしてエキジットする。
ハンマーヘッドシャークは現われず。 ハズレ(通算6回)
3本目 西崎
エントリーし、水深10メートルで集合。透明度が良く、魚影が濃い。
かなり流れている。気持ち良くドリフトし、水深28mの南の根につかまる。ハンマーは現われず。
次に、ハンマーヘッドロックまで一気にドリフトする。
岩の手前で大きなハンマーを見かけるが、遠く白っぽい影にしか見えない。
ロウニンアジが近づいて来た。
ハンマーヘッドロックに掴まるが流れが強い。 5分程して見張りを残し、ゲストは岩陰に避難。 ダウンカレントが発生しており、泡が舞っている。 結局ハンマー現われず。しかし、ウメイロモドキの群れなど楽しいダイブであった。 視界がいいのでドリフトの浮遊感がなんともいえない。 ハズレ(通算7回) |
この日の3本のルート図です。
結局、前日から4本が失敗。前回来島し3回ハズしているので、通算7回ハズしている。運がないのか。
しかし、3本目は惜しかった。 もう少し透視度が良いか、もう少しタイミングが早ければ、白い大きな影は
立派なハンマーとして見られたハズ。
1月19日(日) 快晴 (水温23度)
最終ダイビング日。
この日はフロムウエストのスタッフは意気込みが違っていた。
田島オーナー以下4名が付き、広くゲストを囲んで進む「サーチ・アンド・アタック」のフォーメーションで臨む。
ゲストは8名。東京からのショップさん一行5名と、私と古重さん、根岸さん。
朝 8時半集合。 出航してポイントに着いたのは9時前。
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本日は快晴。
ハンマーウェイの沖からエントリー。8時55分。
潜降してみるとスコーンと抜けていて透明度が素晴らしい。
青い巨大な水中の世界に浮遊する感覚が、私がダイビングの虜になった要因だが、こういう早朝の光が射し込み、
明るく、透明度が良い場合はなんともいえない。
上下・前後左右 全くのブルーの世界である。
水深10メートルで水中集合し、揃ってから南の根方向へ。
中層の15〜20メートルへ水深を落としてドリフト開始。
このあたりは水深60メートル近い場所。 水深20メートルで、水深60メートルの海底が良く見えた。
透明度40m以上。 与那国の海は、凄い!!
中層を進み始めて直ぐに、突如前方にハンマーヘッドシャーク2頭が現われる。 遂に出た〜。
ア、ア、ア と思っているうちに右側面に大きな3頭のハンマーヘッドが現われる。
デカイ。
5m近い感じがした。
横向きなので、特徴の頭は判別出来ず、黒くて巨大なホオジロザメのように見える。
そいつがハンマーの群れに混じっているのかな、と、一瞬頭によぎる。
停止して眺めていると、と、突如、私の方へ1頭が向って来た。 驚いた。 眼前の視界内には誰もいない。 怖くておもわず、身を引いてしまった。 その距離は6〜8メートル。 実際はもっとあったのだろうが、興奮していたのでそんな感覚であった。 ひょっと後ろを見ると 皆停止してこっちを眺めている。 |
そうこうするうちちに、前方に5〜6頭が現われた。
そっちへ行きかけたら、ガイドのアキオ君が下を見よと合図。
眼下に、なんと、一瞬、ハンマーヘッドシャークの一団が うじゃうじゃといて集団で移動中。
しかし、よくよく数えるとその群れは10頭であった。
13頭まで数えた、という人もいた。動いているので双方アバウトであろう。
実際はもっといたと思う。
とにかく、わ〜 という数であった。
青白い水深60メートルの水底を、粛々と移動中のハンマーヘッドシャークの群れの姿はとても印象的であった。
大きいのから中くらいから小さいものまで。
子供のハンマーは、真っ黒で、細身。頭のトンカチが極端に出ているわかり易い体型であった。
もう、あちこちにハンマーが現われているような感覚であった。
全体では20数頭位だったのかもしれない。
とにかく、前、横、下と現われ、異常接近もされたので大変であった。
広大な水中空間でハンマーヘッドシャークの群れと、我々の一団とが遭遇。
本当にラッキーであった。
この一本は長い間の念願がかなった嬉しいダイビングでした。
感想は、デカイ。
それが集団で動いてくる。迫力!
神秘的な感動さえ覚えました。
(イソマグロの群れなぞ、子供だましのように感じられました。)
一昨年のシーズンから数えて8本目でやっと念願達成!
こうして興奮のうちに1本目は終了しました。 ショップへ戻っても興奮はさめやりません。 今日はあと1本別ポイントに潜る予定でしたが、念願の対面を果たしたのでこれで終了にしました。 |
この日は時間がたっぷりあるので、のんびりと、西崎灯台や、海岸線を東に散策などして過ごしました。
【ハンマーヘッドシャークの写真】 ハンマーヘッドシャークの写真は一緒に潜った古重さんが
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西崎灯台から海岸線を久部良と反対の東側へ歩きました。
2車線の道は、車ではなく牛が渡っていました。
海岸は断崖になっています。
久部良での休息場所ゆきさんち です。 | オリオンビールで一休み。 |
こうして与那国での3日間は満足の結果とともに過ぎ去りました。
翌日の昼近く、与那国を離れましたが、今回もいい仲間にも出会えた楽しい旅行でした。
最西端の”くぶらバリ”から 西のかなたを望む |
デジカメ: SONY サイバーショット U10
戻 る 2003.2.2 宇田川 東