パロディウス〜タコは地球を救う〜(コナミ)
(c)KONAMI
発売:コナミ(1988) 媒体:ROM ジャンル:シューティング
評価:★★★★☆
コナミのグラディウス開発スタッフが遊び半分で作ったものの、あまりに出来がよかったのでそのまま製品化をしたという冗談のような作品で、その後もアーケード他に移植されてシリーズ化されているという不思議な作品です。もとはMSX版グラディウスで、ツインビーを2スロットに挿すと自機がツインビーになるという裏技があってそれがきっかけとも言われています。
システムはグラディウスをほぼ踏襲していますが、自機がタコ、ペンギン、ゴエモン、ポポロン、ビッグバイパーの5つから選択できるようになっていて、性能は変わりませんが弾やミサイル、シールドなどの表示が変わるようになっています。例えばポポロンであれば魔城伝説にならって武器はソード、シールドは盾になっていてパワーアップカプセルはチェスのパネルになります。メタリオンほかの新鋭機に取って代わられたビッグバイパーがオンボロ扱いされているのはちょっと気の毒でいい感じ。
グラディウス式のパワーアップカプセルに加えて、ツインビーのベルが登場しますが扱いとしてはグラディウス2にあった時間限定の特殊パワーアップを得ることができます。パワーアップゲージの種類もグラディウスに準じますが、一部知らない人には名前と性能がわかりにくいのは難点でしょうか。レーザーの表記が「多い日も安心」になっているのも、CMネタが風化する典型的な例かもしれません。ベルによるパワーアップはグラディウス2に通じていて、ロータリードリルやアップレーザー、ベクトルレーザーが登場するほかに一定時間画面の左右や上下をワープできるといった特殊な機能も存在します。
パロディウスの新要素で注意が必要なのが「何〜やそれ!」の存在で、このゲージを選ぶとすべてのパワーアップが消えてしまうというとんでもない代物。これに加えて通常のパワーアップカプセルと外見の変わらないルーレットカプセルというものが存在し、うっかりするとパワーアップゲージをルーレットで選択させられた挙句にすべてのパワーアップを消されてしまう危険があります。
あまり追求しても意味のない背景設定は、人々の夢を食い荒らす妖獣「バグ」を倒すためにタコが出陣して星々を救っていくというもの。爆発が「ひでぶ」や「ちゅどん」という文字になっていたり、どこかコミカルあるいは下品な演出には好みが分かれるかもしれませんが、難易度はかなり高いので外見や演出にだまされると痛い目を見るでしょう。個人的には沙羅曼蛇ほどではなくグラディウス2程度には難しいと思いますが、この手のゲームが上手い人には違った評価があるかもしれません。
相変わらずコナミの技術力を見せつけてくれる、MSXとは思えない見事なグラフィックとSCC音源を駆使したクラシックアレンジのBGMの数々が圧巻で、お遊びにここまで力を入れる開発スタッフの楽しさが伝わってくる作品です。
>他の記事を見る