ゲームボーイウォーズアドバンス1の紹介
あいかわらず一つのゲームを長く遊んでは、終わるまでに時間がとてもかかることが多いので家には積まれているゲームがけっこうあるのでした。最近のお気に入りはゲームボーイウォーズアドバンスで、しかもこのソフトは1と2が同梱されているにも関わらずいまだに1をやって2には手をつけていないという有り様です。
正直家庭用ゲームはMSXばかり触っていたのであまりファミコンには親しんでいませんでしたし、スーパーファミコンに到っては触ったことすらほとんどないのでファミコンウォーズのシリーズを遊ぶのはこれが初めてなのでした。このゲーム、いわゆるウォーシミュレーションですが例えば射程距離や移動距離がたった1だけ違うとか、相手の攻撃を受けてユニット数が1だけ多く耐えられるとか、そんな違いが戦況にとても影響するという絶妙のバランスが見事で、単純なのに飽きないというとても見事な作品に仕上がっていると思います。
ただ、そんな真面目な説明をしていてもいまいち面白味がありませんので、このゲームの魅力である個性的な登場人物、ショーグンたちについて書きたいと思います。任天堂らしく子供向けにつくられているらしいこのゲーム、登場する11人のショーグンがとにかく個性的で、名前と外見を見ただけで能力まで想像できそうな分かりやすさがたまりません。
例えば直接攻撃が得意な頼れるお兄さんのマックスさん、見上げるような巨漢で雪男でも肩にかつげそうなほどです。特異体質で雪を降らせるホイップさんは青い服を着たサンタさんにしか見えない外見で、飛行部隊のエースであるイーグルさんはいつでもマフラーが風になびいていますし、海戦が得意なモップさんは船乗りにしか見えない格好をしているのでした。問題があるとすればみんな一見して軍人に見えない人ばかりということですが、そんなことはきっとささいな問題でしかありません。
個人的には一目見ただけで、性格から特技まで分かる外見というのはとても重要で、ワルモノは悪そうな外見をして正義の味方がヒーローっぽい外見をしているように、シルエットだけでそれが誰かが分かるような簡潔さというのはとても大切だと思うのです。
ただ困ったことがあるとすれば、そんな分かりやすさを重視したせいで、子供向け作品の主人公であるリョウくんがとても子供らしくチョコレートをあげると言われて誘拐されてしまうというのは主人公としてどうだろうということとか、練習ステージの敵役であるホイップさんが練習ステージの敵らしく愛らしいほどの認知症っぷりを見せてくれるのが問題と言えなくもないかもしれません。飛行機の燃料が切れたら墜落することを教えてくれるために、自ら実演してくれるホイップさんはまちがえた見本の宝庫でこのゲームでも飛び抜けたお茶目ぶりを見せてくれるのでした。
中でも黄色い人たちの国っぽいイエローコメットでは、国王のキクチヨさんが特選部隊と呼ばれる精鋭を率いているのですが、凝ったことに国によって乗り物の画像を変えているこのゲーム、他の国ではジェット機ばかりの戦闘機がイエローコメットではプロペラ機になっていたり首都に巨大な天守閣がついていたりと奇態な分かりやすさをあちこちに見せてくれます。
ただ、そんなプロペラ機や古めかした装甲車に乗っているイエローコメットでなぜかキクチヨさんだけが甲冑にチョンマゲのサムライ姿という一人タイムスリップをしている姿を見ると、そんな奇態さすらささやかなものに思えてきます。ゲーム中の紹介文には「自分をサムライと信じてうたがわない」とありますが、問題があるとすればこの人が一国の国王であるということでしょうか。一人娘の不幸なアスカさんも同国のショーグンとして登場しますが、この人は普通の格好をしているのが更に不幸ですね。
他にもゲーム操作を教えてくれるキャサリンさんが、シレイやショーグンというよりも小学校の女先生にしか見えない外見をしていたり、海戦が得意なモップさんは外見が船乗りというだけではなく元海賊でサーフィンが得意でひなたぼっこが好きで知性派の15才というもりだくさんな設定を持っていたりします。
このゲーム、海外版も発売されているのですが、あまりに軍人らしく見えなかったせいか何人かのショーグンたちの外見や服装がもっとまじめなものに変わってしまっているのは残念に思えなくもありません。その海外版が先行発売された続編の2や、発売中のニンテンドーDS版ファミコンウォーズDSでも新キャラを含めた個性的なショーグンたちが登場しているのですが、個人的にはこのばかばかしい分かりやすさが大好きなのでした。
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