第三回大会
西暦2001年2月。世紀が明けた事実が人々の営みに影響を与えたかといえば、それは商業的な宣伝の中にしか存在しなかった。目の前で繰り広げられる人型兵器同士の決戦は人々が思う未来の技術の発現を表しているようにも思われたが、本質的に競い合いを好む者たちの存在が古代パンクラチオンの時代より変わっていない事を表しているようにもまた見えるのであった。
太平洋上に浮かぶ専用競技場。中本工業主催ストライク・バック第三回大会、21世紀最初の試合が実施される。今回の注目は二種の新兵器、高出力四連装光エネルギー砲のライデンレーザーと近接戦闘用多弾頭炸裂弾のブリッツの導入による展開への影響であった。
Aブロック第一試合
オープニングマッチは多弾頭兵器を中心とするが戦績の振るわないアリサ・ブラングウェン騎乗のメタルギアmk2と安定した実力を誇るシャル・マクニコルとハーフリング2ndの一戦。まずは遠距離戦、メタルギアの8発同時射出ミサイルは全弾外れ。中間距離でガトリングガンとレーザーキャノンの撃ち合いはややハーフリングが優勢か。更に遠距離、メタルギアのミサイルを一発被弾したハーフリングだがダメージは軽微、続けて二度のミサイル攻撃は回避される。更にミサイル射出、全弾外れ。ここで中距離に移行したハーフリングが反撃、レーザーキャノンで相応のダメージを与える。だが今回はメタルギアも譲らず、反撃のミサイルを一発着弾させる。続けてのミサイル射出は外れ。中間距離、両機の高出力キャノンが互いに命中、ハーフリングが得意の近接戦に持ち込み、今回の新兵器ブリッツで両機攻撃、派手な火花が炸裂するが互いにダメージは軽微。更に中距離の撃ち合い、ここまでは完全にハーフリングがメタルギアを抑えている。
続けて近距離戦、互いのブリッツが今度は直撃、メタルギアが巻き返す。続く近接戦で更にブリッツが炸裂。連続してハーフリングが攻勢に、接敵状態で炸裂する小型爆弾が連続命中、続けての攻撃で互いに完全な削りあいになるが、これまで累積したダメージのある分メタルギアが不利か。このまま近接戦での展開になるが、次の攻撃は両機外れ。メタルギアが攻撃に出て巻き返を図るが、互いに削りあい、ペースを奪い返す事が出来ず機動停止寸前。勝機を見たハーフリングが中距離でレーザーキャノンを直撃させるが、メタルギアも遠距離に逃げて射程外からミサイル射出、初弾は命中しなかったが続けての射出がハーフリングを直撃!これで両機機動停止寸前になり、両機中間距離に移行しての撃ち合いで同時に機動停止、僅かなダメージ差によってハーフリングが辛くも勝利を収めた。
○ハーフリング2nd(23分両機機動停止による判定)メタルギアmk2×
Aブロック第二試合
続けては前回の決勝戦の再戦、ネス・フェザード駆るソードフィッシュとレイモンド・オース騎乗のアークロイアル。中距離での撃ち合いはソードフィッシュのレーザーキャノンで先制、アークロイアルのライデンレーザーは相手の鏡面装甲に阻まれてダメージ軽微。続けて接近戦、チェインソードの一撃はアークロイアルが回避。続けて中距離の撃ち合いは意外にソードフィッシュが有利な展開を維持し、この距離を制する事が出来ないアークロイアルはペースを握る事が出来ずに接近戦の一撃でダメージを受ける。完全にソードフィッシュのペースで試合が進み、更に前回決勝戦の再現を狙うべくソードフィッシュが猛攻、続けて二撃、チェインソードで装甲を削る。四度目の攻撃はかわされるがソードフィッシュは攻撃の手を休めず、一撃、二撃と掠りながらも相手にプレッシャーをかける事をやめない。徐々に命中精度の上がってきた攻撃がアークロイアルを機動停止寸前に。中間距離での攻防、アークロイアルがライデンレーザー直撃で反撃するが時既に遅く、飛び込んできたソードフィッシュが正確な一撃で止め、準決勝に駒を進めた。
○ソードフィッシュ(12分機動停止)アークロイアル×
Bブロック第一試合
第一回大会優勝者として前回の雪辱を狙うロストヴァ・トゥルビヨン駆るセクレタリアトと一部に人気の謎の学生、新庄ジュンペイ&拳花火の激突。まずはセクレタリアトが近接戦、カスタマイズしたジャジメントロッドで先制する。間合いを離して中間距離での攻防は、両機回避専念したかいがあって外れ。更に近接戦、セクレタリアトの一撃が大きなダメージを与えるが、拳花火も名前に恥じない強力な一撃を命中させる。両機ダメージの影響があったのか、続けての攻撃は外れ。中間距離、セクレタリアトのやはりカスタマイズした高出力レーザー、ペナンスが直撃!拳花火の反撃も命中するがダメージ差でセクレタリアトが圧倒。続けてペナンスの直撃で僅か6分、拳花火を完全に機動停止させた。
○セクレタリアト(6分機動停止)拳花火×
Bブロック第二試合
神代進とテムゥ・ガルナ、お互い攻撃型機体である紫電試作機に騎乗しての対戦。ホウオウの高出力レーザーウイングの初弾がグリーンコロナタスを直撃、これで一気に優位に立つ。だが前大会の反省から機動力を増して臨んだグリーンコロナタスが遠距離からの反撃、メテオスマッシュが全弾直撃して形勢を逆転する。続けての攻撃は掠っただけだが、それでも相当な被害、ここから中距離、ホウオウのレーザーウイングが命中して展開を互角に引き戻す。ここで近距離、反撃能力の無いグリーンコロナタスにホウオウが斬りかかるが外れ。距離を取ってレーザーウイングの攻撃を直撃、再びペースを握る。距離を取ったグリーンコロナタスの攻撃は、ホウオウが辛くも回避、僅かに掠ったのみ。続けての攻撃で命中精度を上げ、逆転を狙う。更に攻撃、これでほぼダメージは互角に。続けて逆転を狙った一撃はホウオウが回避するが、前回の教訓からか有効射程距離の確保に専念するグリーンコロナタスが連続攻撃、形勢逆転に成功。続けてのメテオスマッシュで勝敗を決した。
○グリーンコロナタス(12分機動停止)ホウオウ改×
Aブロック準決勝
準決勝第一試合は高機動型近接戦闘機同士の激突となった。試合は近接戦闘、ハーフリングのブリッツで先制。続いての攻撃は両機外れ、互いに回避性能が高い機体で、僅かずつ相手の装甲を削っているハーフリングがやや優勢。ソードフィッシュも反撃するがブリッツの出力にやや苦戦を強いられる。勢いに乗ったハーフリングは攻撃を連続命中させ、完全にペースを握った。続けて攻撃、更に相打ちの形で派手な削りあいが続くが、止めのブリッツで機動停止。前回優勝者を正面撃破する事に成功した。
○ハーフリング2nd(8分機動停止)ソードフィッシュ×
Bブロック準決勝
準決勝二試合目は高出力型戦闘機同士の激突。中間距離優位のセクレタリアトか、遠距離優位のグリーンコロナタスか。初弾は中間距離、ペナンスを直撃させて圧倒するかと思われたセクレタリアトに、グリーンコロナタスの反撃、大振りのトマホークブレイカーが命中!これで優位に立った。だが更に中距離、セクレタリアトが冷静にペナンスを命中させて直ぐにペースを取り戻す。更に中間距離、高出力兵器でペースを握るセクレタリアトに、グリーンコロナタスはまだ自分の距離に持ち込む事が出来ない。ようやく遠距離に持ち込んだグリーンコロナタスがメテオスマッシュを発射するが、これは掠っただけ。だが続けて遠距離で攻撃、反撃手段の無いセクレタリアトを追いつめようと図る。ここで中間距離に移行、ペナンスで圧倒しようとするセクレタリアトだが回避専念したグリーンコロナタスがこれを避け、トマホークブレイカーの攻撃を命中させて展開を互角に引き戻す。しかし、あくまで冷静なロストヴァ・トゥルビヨンの対応によりペナンス射出、直撃させてグリーンコロナタスに大ダメージ。グリーンコロナタス騎乗のテムゥ・ガルナも負けてはおらず、距離を取ってのメテオスマッシュで反撃を図る。中間距離、ペナンスとトマホークブレイカーが相打ち、両機ダメージ甚大に、更に相打ちで両者機動停止したが、トマホークブレイカーのダメージで勝ったグリーンコロナタスが決勝進出を決めた。対レーザー鏡面装甲と大振りのトマホークブレイカーの命中が勝敗を決した形になったか。
○グリーンコロナタス(10分両機機動停止による判定)セクレタリアト×
NAKAMOTOストライク・バック第三回大会決勝戦
いよいよ第三回大会決勝戦、勝てばどちらも初優勝になるシャル・マクニコル駆るハーフリング2ndとテムゥ・ガルナ騎乗のグリーンコロナタスの一戦。近距離高機動機vs遠距離型高出力機の対戦とあって、或いは勝負は一方的なものになるのではとも予想されていた。
カタパルトより両機射出後、近接戦により試合開始。ハーフリングのブリッツが連弾で命中し、ペースを握る。中間距離、間合いを離したグリーンコロナタスにハーフリングがレーザーキャノンで追撃、これはダメージ軽微。ここから遠距離、グリーンコロナタスのメテオスマッシュは辛くも回避される。遠距離戦を嫌って中距離に移行、レーザーキャノンでハーフリングが地味ながら優勢に。近距離からブリッツでの攻撃はこれも辛くもグリーンコロナタスが回避。更に中距離でのレーザーキャノン命中でダメージを累積させる。
ここで距離を取ったグリーンコロナタスが反撃、メテオスマッシュを命中、更に中距離で恐怖のトマホークブレイカーを直撃、展開を互角に引き戻した。続けて遠距離からメテオスマッシュ、これは掠り傷のみ。続けてのメテオスマッシュは回避専念したハーフリングが避けに成功する。続けて遠距離攻撃、これも掠ったのみだがハーフリングへのプレッシャーは相当なものか、更に続けての攻撃が命中してペースはグリーンコロナタスに。ようやく中間距離に引き戻したハーフリングがレーザーキャノンで反撃、鏡面装甲相手にダメージを拡散されるが相応の被害を与える。
ここから近接戦、ブリッツが今度は直撃してペースは再びハーフリングに。続けてのブリッツ直撃でグリーンコロナタスが機動停止した。これでシャル・マクニコルは初優勝、誇らしげに観客の声援に応えていた。
○ハーフリング2nd(15分機動停止)グリーンコロナタス×
総合成績
優勝 シャル・マクニコル ハーフリング2nd 3戦3勝 通算7戦5勝
準優勝 グリーンコロナタス テムウ・ガルナ 3戦2勝 通算4戦2勝
ネス・フェザード ソードフィッシュ 2戦1勝 通算6戦4勝
ロストヴァ・トゥルビヨン セクレタリアト 2戦1勝 通算6戦4勝
神代進 ホウオウ改 1戦0勝 通算2戦0勝
新庄ジュンペイ 拳花火 1戦0勝 通算3戦1勝
レイモンド・オース アークロイアル 1戦0勝 通算5戦2勝
中石譲 ねぷた祭り 0戦0勝 通算2戦1勝
アリサ・ブラングウェン メタルギアmk2 1戦0勝 通算3戦0勝
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