第十八回大会
2004年7月、中本工業主催ストライク・バック第18回大会が開催される。もともと企業の技術力アピールと地域振興の両側面から運営をされていた大会も回数を重ねるごとに規模を拡大し、参加企業の増加や新技術の投入など様々な話題を提供するようになっていた。
エネルギーのフィールド化と磁力・反磁力操作を中核として、レールキャノン開発から先のレールシャトルの衛星軌道打ち上げまでを成功させた中本工業に、機体素材の軽量化に駆動系と推進制御技術を提供するKUSUNOTEC社、特殊環境下での人体への肉体的精神的な影響と行動生理学を研究するWDファクトリー。その行き着く先が噂に上るようになって久しく、第20回大会を目前にした次回大会には新しい動向が発表されるのではないかというのが専らの見解である。
そのような大会そのものの動向が注目される中で、前大会では現役横浜市長が優勝を果たすなど地域自治体の奮闘も無視することはできないだろう。オープン大会ならではの容赦のない雑多さがNAKAMOTOストライク・バックの売りの一つでもある。
トーナメント一回戦 オーガイザーvsデンドロボール
今大会の新規参戦選手一人目は自称「天駈けるモノノフ」こと無頼兄・龍波(ブライアン・タツナミ)。宇宙侍を名乗る精悍で逞しい巨漢であり、搭乗する機体オーガイザーもヒーローロボット然とした重装甲人型機である。対するは攻勢の強さで知られるベテラン神代進と騎乗するはデンドロボール、「連邦の丸い悪魔」と称される、作業用ポッドに超大型兵装コンテナ「オーキスギ」を装備した大型機。
戦闘は両機中間距離より開始、オーガイザーが胸元から高出力のガイ・ブレイザーを放射するがIフィールドを展開したデンドロボールはこれを防御する。だが反撃のフォールディングバズーカも命中せず外れ。続けて接近しての斬り合い、ボールのビームサーベルとオーガイザーの鬼皇剣(きこうけん)が互いの装甲を削り合う。
ここで間合いを離したオーガイザーは再度のガイ・ブレイザーを直撃させ、反撃をものともせず突進して鬼皇剣で切りつけ優勢に。初参加ながら戦い慣れした動きは宇宙侍?の面目躍如か。
デンドロボールも反撃の刃を当てるがオーガイザーの重装甲をあと一歩貫くことができず、最後は鬼皇剣がボールのコンテナを突き破って軌道停止。無頼兄が一回戦を突破した。
○オーガイザー(9分機動停止)デンドロボール× 17vs-6
トーナメント一回戦 ぷにぷにエターニアvsトータス号乙型
続いてはしずしづの愛称でお馴染み静志津香対トータス号とコルネリオ・スフォルツァ。どちらも機動性能を維持しつつ高出力を実現した機体である。まずは撃ち合いから、ぷにぷにエターニアがフレアブラスターを発射してこれを確実に命中させるが、トータス号も得意の伝送装置で捕捉してから冷凍光線を直撃、初弾の攻勢で互いに大ダメージを与え合う。
砲戦の不利を悟ったエターニアはすぐに近接戦闘に移行、フレアグレネードをこれも確実に命中させてトータス号の装甲に派手な爆発を起こす。反撃のかまいたちはこれを回避。今度はトータス号が接近戦を嫌って中間距離へ、ここでエターニアはフレアブラスターを再度命中、トータス号の冷凍光線は相手を捕捉しきれず一弾のみが命中する。
こうなると攻撃の確実性において勝る側が優位に立ち、エターニアは前後左右から迫る冷凍光線を全てとは言わぬまでも俊敏に回避、被害を最小限度に抑えつつ反撃の砲火を確実に当てて、とどめのブラスターがトータス号の装甲を破壊すると機動停止、勝負を決した。削り合いにこそなったものの、終わってみればエターニアが快勝というべきか。
○ぷにぷにエターニア(5分機動停止)トータス号乙型× 7vs-8
トーナメント一回戦 アプラ・ニエvsりふぁいん・どんきほーて壱号
前大会で惨敗を喫した難波システム開発。難波インダストリからの強引な参戦権譲渡により経営が危ぶまれている同社は既に通常業務を停止しており、ストライク・バック優勝による宣伝効果と株価の上昇を期待しての悲壮感漂う参戦となっている。この件に関して難波インダストリ側からの公式コメントとしては
「難波システムの経営難について弊社に責任は無い。多額の債権譲渡も両社の協議の末に決定されたことだ。しかしながら、失職するであろう難波システム開発の社員を救済することはグループ企業として当然の義務であると考える」
との発表を行っている。だがインダストリとしては英国レジテック社との合併準備に忙しく、切り捨てた手足のことに構っている暇はないというのも本音であろう。一方でレジテック社も合併を前にしてぼう大な件数の特許申請を行っており、主に医療製品への応用を目的とした技術を中心とする中で、一部では実用化に際し倫理的な問題を内包している申請案件も見受けられるとする噂も立っている。
機体がパイロットに与える生理的な影響と、逆にパイロットが機体を制御するための生理的な要求事項がストライク・バックの課題のひとつであるのは今更のことであり、WDファクトリーを筆頭に各社とも研究に余念がないが、昨今、これに医療関連の技術が応用される可能性が指摘されているのは事実である。アプラプロジェクトを切り離した難波インダストリとしても、何らかの思惑があることは間違いないようだ。
裏事情と企業間の思惑が見えかくれしている難波システム開発とインダストリに比べると、対戦相手となるベアトリス・バレンシアは底抜けに明るく脳天気な印象を与える。機体はりふぁいん・どんきほーて壱号で対する難波システムは謎のパイロット大宮笑とアプラ・ニエである。
遠距離より戦闘開始、アプラ・ニエは開発陣入魂の試作兵器である汎レンジ兵器「チェインソード」でこの距離から近接攻撃を仕掛けるが、どんきほーてはこの奇襲攻撃をかろうじて回避に成功。反撃のために距離を詰めたいどんきほーては前進してめがとんはんまぁを投射するが外れ、その間合いでもやはりチェインソードは独特の軌道を描きつつ襲い掛かってくる。軌道の無秩序さには設計と調整の甘さもあるのだろう、やや制度の悪い感のあるチェインソードは続けての遠距離攻撃も外れるが、軌道を変化させた一撃がようやくどんきほーてを捕らえる。ダメージこそ軽微だが遠距離間合いでの反撃能力を持たないどんきほーては厳しい展開、どうしても距離を詰めきることができずに縦横無尽に暴れ回るチェインソードを避け続ける展開が続く。
だが優勢に試合を進めるアプラシステムに誤算があったとすればアドバンス・システムによる駆動系の損耗で、両機とも長時間に渡って互いの攻撃を回避しつつ機体に激烈な負荷をかけ続けている。そしてようやくどんきほーてのめがとんはんまぁが命中、更に21分過ぎにもう一度直撃させて形勢を逆転させた。
軌道停止寸前、ここで勝負に出たどんきほーてはとどめのめがとんはんまぁを狙うがアプラ・ニェはこれを回避、反撃のチェインソードを今度は命中、更に離れて一撃を直撃させて一瞬で逆転勝利に成功した。勝因はぎりぎりの逆境にあって冷静さを失わなかったパイロットに求めるべきだろうか。
○アプラ・ニェ(24分軌道停止)りふぁいん・どんきほーて壱号× 1vs-4
トーナメント一回戦 うさぎちゃんSBvsルナティックシーサイド
続いては今大会二人目の新規参戦選手、元軍人で今はごくありふれた主婦であるらしいウツギ・シェーラ。機体は夫の改良した近接格闘機うさぎちゃんSB。対戦相手は永遠のドラグーン使いであるロストヴァ・トゥルビヨンとルナティックシーサイド、常々新型機の操縦を委託されることが彼女の実力に対するメーカーの信頼度を現しているのだろう。
「あら?TORAって遠隔狙撃用の収束型レーザーじゃなかった?」
「いや、大会サイドの手違いで近接兵器に登録されてたんで冗談で搭載してみたんですが…けっこう面白いことになりそうですよ」
出場前、ドックでのメカニックとの会話を思い出していたロストヴァはまず中間距離から、重量兵器であるピルムプレストを射出するがこれは外れ、近接戦闘に移ると自己反射式の高出力レーザー、クレッセントを至近距離から発射する。まばゆい閃光とともに解き放たれる光芒が正面からうさぎちゃんSBに直撃、一撃で機体を大きくはねとばす。離れた相手に追い打ちのピルムプレストで連続攻撃、だがこちらは兵器の精度が甘いのか5発、6発と続けて命中せず。むしろ恐るべきは相変わらず得意の中間距離を有効に保ち続けるパイロットの技量であろうか。
ここまで完全に攻勢を封じられている形となっているうさぎちゃんは不用意に前進、ボコスカトンファーで攻撃するがルナティックシーサイドはこれを回避しつつカウンターでクレッセントの一撃!やはり直撃させてよろめかせるがうさぎちゃんSBも意地のトンファーを今度はシーサイドに命中させる。だが同時に放った3発目のクレッセントがうさぎちゃんSBの薄い装甲を打ち破り、わずか3撃で機動停止に追い込んでしまった。
○ルナティックシーサイド(10分機動停止)うさぎちゃんSB× 30vs0
トーナメント一回戦 メガロバイソン1vsアクアGM
今回三人目となる新規参加選手はマック・ザクレスとメガロバイソン1。一見したところ取りたてた特徴を感じさせない青年マックと、どこかプラモデルめいた一昔前の流行りものを思わせるデザインが懐かしいメガロバイソン。対するはついに水陸両用機としての開発に成功したアクアGMと騎乗するジム、もちろんストライク・バック自体には水中戦仕様は何の役にも立たないのではあるが。
微妙な趣味が主張しあう両機の対決は中間距離から開始。メガロバイソンが双門式のレーザービームファイヤーを発射し、これを命中させて先制する。アクアGMもサブロックガンで反撃するが損害は軽微。だがすかさず距離を離したGMは対艦魚雷を発射、遠隔制御を利してこれを2発とも命中させる。続けての魚雷はかすったのみ、バイソンの反撃カノンショットバスターをシールドで回避するとGMは更に魚雷発射、今度は命中させて一気に戦況を逆転する。
ここからメガロバイソンも反撃開始、回避行動をとりつつ魚雷を確実にかわしてカノンショットバスターを命中させる。続けての攻撃も命中、反撃の魚雷は装甲で弾いて損害を抑える。暫く両者ともに遠距離での攻撃をかすらせつつも、ダメージを抑えて致命傷を避け続ける展開が続くが、削り合いで双方のダメージが蓄積したところで今度は接近したメガロバイソンがレーザービームファイヤーを発射、一発は回避されるが一発を直撃させて勝敗を決した。勝ってバカンスに行きたがっていたジムとしては悔しい敗戦。
○メガロバイソン1(9分機動停止)アクアGM× 12vs-4
トーナメント一回戦 ドミニオンMk2vsアストーヴィダーツ
安定した戦績が売りだが最近優勝戦線から遠ざかっている両者、ドミニオンMk2とシャル・マクニコルは頑なに自分のスタイルを貫きつつも戦術の微修正とパイロット技量の向上によって常に好勝負を展開することで知られている。一方テムウ・ガルナは自分がWDファクトリーのテスターとして登録されていることを未だ知らない、遠隔狙撃と機体制御が得意な青年。今回はアストーヴィダーツに騎乗しての参戦である。
まずは中間距離から、ドミニオンのゴスペル・ガンを堅実に回避したアストーヴィダーツがアースライザーを発射、先制攻撃に成功する。ここで遠距離に移行してサテライトリンカーを発射するが抜き撃ちのためか命中せず、ややプログラムバランスの悪さが見える。これに助けられたドミニオンは前進、だがゴスペルガンの斉射をアストーヴィダーツはやはり回避、続けての射撃がようやくかすり、軽微なダメージを与える。
ここから展開が動き、両者足を止めて正面から撃ち合い。ゴスペル・ガンとアースライザーが双方直撃して両者ともバランスを崩す。この瞬間を待ち望んでいたドミニオンは強引な突進から十字架剣で斬撃、これを深々と当てて一撃で戦況を掴むことに成功した。更に距離を取って離れるアストーヴィダーツをゴスペル・ガンで狙撃、これも命中させて優位に立つ。アストーヴィダーツは遠距離に離れてサテライトリンカーを連続発射するがドミニオンはここで確実に回避に専念、綱渡りのような危うさだが高出力レーザーの光条を避けることに成功する。
この後ゴスペル・ガンをかすらせたドミニオンはやはりサテライトリンカーをかわし続けて最後は一気に接近、十字架剣の一撃で勝負を決めた。両機とも優れた回避性能で長期戦に持ち込んだが最後はチャンスを確実に活かしたシャル・マクニコルが勝利。
○ドミニオンMk2(16分機動停止)アストーヴィダーツ× 19vs-3
トーナメント二回戦 横浜中華GUYvsオーガイザー
二回戦はいよいよ前回優勝者が登場。現役横浜市長中田宏は前大会に初参戦でいきなりの優勝、横浜の更なるアピールの為と中華仕様に変更した新生横浜中華GUYに搭乗。今回の仕様変更のために市内の自転車撤去料金を値上げしたことが議会の反発を呼んでいるものの、その支持率は大きく上がっているらしい。対するは「天駈ける大馬鹿野郎」こと無頼兄・龍波とオーガイザー、厚い装甲と熱い魂とで強敵を撃破したいところだ。
相対位置は中華GUY優位の遠距離から開始。さっそくマリノスシュートの光条が複数、派手に射出されるとオーガイザーに次々と命中!派手な閃光が飛び散るが魂鋼(たまはがね)と称する頑強な装甲を破れず損傷なし。ならばと接近、中華GUYのベイスターズバットとガイ・ブレイザーが相打ち、更に接近したオーガイザーが必殺鬼皇剣で斬りつける。直撃こそしなかったもののこれでオーガイザーが先制。
再び中間距離での撃ち合いはまたも相打ち、遠距離に戻されるが熱血BGMプログラムで機体性能を上げているオーガイザーはマリノスシュートの乱れ撃ちのことごとくを回避するか装甲で弾いてしまう。だが同時にアドバンス系のシステムは機体駆動部に高い負荷を与え、損耗度を合わせれば展開はほぼ互角。
その後は距離を取り合っての撃ち合いに終始、だがオーガイザーは高機動の中華GUYを相手に近接格闘戦の間合いに持ち込むことができない。ベイスターズバットとマリノスシュートを防ぎ続けるがゆっくりと装甲を削られていき、開始24分ようやくガイ・ブレイザーを直撃させるものの展開を覆すには到らず、時間切れ直前28分に放たれた正確無比なマリノスシュートを七発までは回避したが、最後の一発が命中し遂に負荷限界を超えた装甲が破壊され、機動停止に到った。
○横浜中華GUY(28分機動停止)オーガイザー× 14vs0
トーナメント二回戦 ぷにぷにエターニアvsアプラ・ニエ
一回戦を無事に突破した難波システム開発とアプラ・ニエ。相手は一回戦で派手な削り合いを制して上がってきたぷにぷにエターニア、そのエターニアが開始早々、フレアブラスターを発射してこれをアプラ・ニエに命中させる。反撃の汎レンジチェインソードも命中するがこちらは損害軽微、先制を許すことになる。
中間距離での続けての撃ち合いはどちらも外れ、タイミングを測って接近したエターニアがフレアグレネードを連弾、これを確実に命中させるとヒット&アウェイと操縦の教本に載るかのような攻撃。更にフレアブラスターで牽制、懐に飛び込むと強引にグレネード発射。チェインソードの反撃を一撃受けるものの続けて命中させて完全に戦闘の主導権を掴む。最後はもう一度離れるとよく狙ったフレアブラスターでとどめ。高機動による牽制と距離の取り合いからヒット&アウェイ、戦況を掴んだら強引な吶喊で相手の反撃を受けながらも押し切る。エターニアにとっては理想的な展開だっただろう。
一方の難波システム開発は無念の二回戦敗退、今後の去就が注目される。
○ぷにぷにエターニア(9分機動停止)アプラ・ニエ× 28vs-6
トーナメント二回戦 ルナティックシーサイドvsメガロバイソン1
二回戦三試合目は中距離の女王ロストヴァ・トゥルビヨンとルナティックシーサイドに、対するはマック・ザクレスとメガロバイソン1。
両機希望の中間距離から開始、ルナティックシーサイドはピルムプレストを、メガロバイソンはレーザービームファイヤーを撃つがどちらも確実に回避、このあたりはパイロットの技量か。
だが相手が中間距離を得意とする分、それを嫌ったのはむしろロストヴァの方だった。移動攻撃で一旦離脱を図るがこれが裏目となり、充分に捕捉されてのレーザービームファイヤーが直撃。もともと両機とも広範囲距離対応とした中距離主体だが正統派に中間距離での攻勢を中核とするメガロバイソンに対し、シーサイドは相手の得意距離を封じ込めつつ高出力兵器を罠にしかけることが多い。一回戦のようにクレッセントの射程におびきよせたいところだったがマックはその誘いに乗らず、頑なな砲撃を続ける。
シーサイドも反撃の手は持っておりピルムプレストを命中させるが、出力こそ勝るものの精度に劣る兵器では正面からの撃ち合いは不利である。確実にレーザービームファイヤーを被弾し動きが鈍ったところでとどめの連続砲撃、四発続けての砲火に装甲を貫かれて無念の敗退となった。メガロバイソンは初出場で堂々連勝、好調を見せつける。
○メガロバイソン1(8分機動停止)ルナティックシーサイド× 31vs-6
トーナメント二回戦 ドミニオンMk2vs猫たーぼNS
二回戦最後の試合、ベスト4最後の一枠を決める勝負はドミニオンMk2と可愛さ爆発猫たーぼNS。ドミニオンは近接格闘を主体にした急襲接近攻勢型、猫たーぼは可能な限り駆動系のチューンナップを図った超高出力超高機動型機体でありどちらもセッティングにこだわりの強い者同士の対決である。
相対距離は近接、至近の間合いで両機接触。軌道が変化するドミニオンの十字架剣を信じがたい機動力で回避した猫たーぼはスピンするように回転しながらツインテールパーツを叩き込む。人間工学と制御プログラムの粋を集めて開発したというテールパーツはぴこぴこ動きながら予測不能の軌跡を描いて更にドミニオンに直撃する、だが返しの十字架剣の一撃も猫たーぼの薄い装甲を深く削った。
両機あまりに高出力すぎる為に、一撃の命中と回避が勝敗に大きく関わるだろう、更に十字架剣とツインテールが相打ち、ここまでは猫たーぼがわずかに有利だがどちらも互いに相手を一撃で倒せるだけの損害を与えている。白刃の上を渡る攻防、続けての斬り合いは両者ともが見事に回避。
続けて攻撃、ここでツインテールをかわしたドミニオンの十字架剣が命中、猫たーぼも機動停止寸前で耐える、かと思われたが高機動アドバンスドプログラム「プロアクションリフレインXX」を起動させていた猫たーぼは駆動系の負荷がここで限界に達してまさかのシステムダウン。ぎりぎりの勝負を制したドミニオンが準決勝、ベスト4進出を決めた。
○ドミニオンMk2(5分機動停止)猫たーぼNS× 3vs0
トーナメント準決勝 横浜中華GUYvsぷにぷにエターニア
いよいよベスト4、前大会優勝者として堂々とした実力を見せつけて勝ち上がっている中田宏と二回戦を快勝した静志津香の対決。
遠距離戦から開始、好調の中華GUYは得意のマリノスシュートを連弾、輝く軌跡が八方向からエターニアに襲い掛かる。エターニアは回避とシールド防御を駆使してこれを防ぎ損傷は軽微。有効距離を保とうと移動攻撃でフレアブラスターを放つがこれは命中しなかった。更に構えて狙撃を狙うが、絶妙のタイミングで中華GUYが急速後退、強引なロックオンからふたたびマリノスシュート。一撃の出力こそ低いがこれを次々と命中させエターニアの装甲を削る。何とか距離を近づけたいエターニアは続くマリノスシュートを回避に専念にして避けきると砲撃の隙を狙って射程距離ぎりぎりでフレアブラスターを抜き撃ち、一弾を命中させてペースを握ろうとする。だが中華GUYは相手の思惑を許さず再び移動攻撃で距離を離してマリノスシュートを連続命中、エターニアを突き放す。
じりじりと相手のペースにはまりつつあるエターニア、反撃を狙って接近しベイスターズバットの攻撃を受けるもののようやく近接、フレアグレネードこそ外してしまうが距離を取ってフレブラスターは直撃させる。だが反撃もここまで、中華GUYは更に距離を取ってマリノスシュートを連続発射、追い込んだところでベイスターズバットの一撃を当ててエターニアを機動停止に追い込んだ。中田宏は二大会続けての決勝進出。
○横浜中華GUY(14分機動停止)ぷにぷにエターニア× 20vs-2
トーナメント準決勝 メガロバイソン1vsドミニオンMk2
準決勝もう一試合は新鋭メガロバイソンとこだわりのドミニオンの激突。この対決に勝利した者が決勝戦での「ストップ・ザ・ヨコハマ」に挑むことになる。
近接格闘戦から開始、メガロバイソンのブレイドソードセイバーは外れるがドミニオンの十字架剣は直撃!主天使が初手から優位に立つ。
距離を取りたいメガロバイソン1は離れてレーザービームファイヤーを発射、これはかわされるがドミニオンのゴスペル・ガンも回避、両者示し合わせたように突進し、交叉しながら斬り結ぶ。これが双方の装甲を削って再び中距離、メガロバイソンがレーザービームファイヤーを命中させて展開を五分に戻す。だがドミニオンは再突進、可変式の十字架剣をバイソンの装甲に突き刺しダメージ大。メガロバイソンはどうしてもペースを挽回することができない。
両者離れての砲火は相打ち、だがこれでバランスを崩したところを狙い接近したドミニオンの十字架剣が一度目はかわされるものの続けての一撃でメガロバイソンの装甲を破壊、決勝進出を決めた。
○ドミニオンMk2(8分機動停止)メガロバイソン1× 19vs-6
NAKAMOTOストライク・バック第十八回大会決勝戦
いよいよ決勝戦、これまで思わぬ強さで負けなしの現役横浜市長、中田宏と中華仕様機横浜中華GUY。小学校時代はリトルリーグ青葉台レッドソックスでならし、高校時代には関東高校空手道選手権大会で準優勝したほどの腕前(大会プロフィールより)を活かして連覇を狙う。一方ストップ・ザ・ヨコハマを果たすべく勝ち進んできたのは第一回大会から参加している常連シャル・マクニコルと主天使ドミニオンMk2。基本コンセプトを変えずにセッティングバランスにこだわりつつ、常に安定した強さを見せている機体である。
次回第19回大会を最後に大会の刷新が噂されているNAKAMOTOストライク・バック。タイマーカウントがゼロになると同時に、重力制御されているフィールド内にカタパルト搭載された機体が射出される。決勝戦が開始された。
相対距離は遠距離。近接格闘戦を狙いたいドミニオンに対して、中華GUYにとっては絶好の間合いである。優位を維持するために移動攻撃からマリノスシュートの抜き撃ちは八本の光球がプログラミングされた独特の曲線を描きながら正確に主天使の翼を狙う。ドミニオンは六発を回避したが二発を命中させられる。だが続けての砲火は光学反射機能を持つフラッシュウイングで受けきり全弾回避に成功。
この距離では一方的な展開が不利になるとしてドミニオンは前進と反撃を図るが中華GUYはみなとみらい線の開通で便利になったという移動力を駆使して退避、正確極まるマリノスシュートを今度は八本全てドミニオンに命中させる!全身を炸裂する閃光と衝撃に包まれ、ドミニオンは完全に失速。それでも意地を見せて接近戦を挑むが中華GUYは容赦のないベイスターズバットで一撃、動きを止めるともう一度離れて万全のマリノスシュート。六発の光エネルギーが命中し乱反射した箇所ではその破壊力を逆に減殺されたほどだが、いずれにせよドミニオンの装甲はひとたまりもなく破壊されて機動停止に到らざるを得なかった。
これで中田宏は二度目の優勝、横浜の強さと横浜市長の強さを万人にアピールすることに成功した。これで彼の市政における支持率と発言力の強化、そして単純に市のアピールにも多大な影響を及ぼしたであろう。自身の国民年金未払いが発覚しなければ、ではあったのだが。
○横浜中華GUY(5分機動停止)ドミニオンMk2× 40vs-19
総合成績
優勝 中田宏 横浜中華GUY ド 3戦3勝通算13戦09勝
2位 シャル・マクニコル ドミニオンMk2 飛 4戦3勝通算33戦17勝
3位 静志津香 ぷにぷにエターニア ド 3戦2勝通算28戦14勝
3位 マック・ザクレス メガロバイソン1 ヨ 3戦2勝通算03戦02勝
5位 無頼兄・龍波 オーガイザー ド 2戦1勝通算02戦01勝
5位 大宮笑 アプラ・ニエ ド 2戦1勝通算11戦05勝
5位 ロストヴァ・トゥルビヨン ルナティックシーサイド ド 2戦1勝通算39戦25勝
5位 山本いそべ 猫たーぼNS 猫 1戦0勝通算28戦20勝
9位 神代進 デンドロボール セ 1戦0勝通算26戦13勝
9位 コルネリオ・スフォルツァ トータス号乙型 ヨ 1戦0勝通算21戦11勝
9位 ベアトリス・バレンシア どん・きほーて壱号 飛 1戦0勝通算28戦11勝
9位 ウツギ・シェーラ うさぎちゃんSB 飛 1戦0勝通算01戦00勝
9位 ジム アクアGM ド 1戦0勝通算07戦02勝
9位 テムウ・ガルナ アストーヴィダーツ ド 1戦0勝通算31戦17勝
−− ネス・フェザード ** * 0戦0勝通算26戦11勝
−− アナイス・ランゲマルク ** * 0戦0勝通算02戦00勝
−− エースのジュンペイ 飛龍 飛 0戦0勝通算10戦01勝
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