’99年 有馬記念 レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 7 グラスワンダー 2372 57 83
2 3 スペシャルウィーク 2372 57 83
3 11 テイエムオペラオー 2372 55 79
4 10 ツルマルツヨシ 2373 57 82
5 13 メジロブライト 2375 56 79
6 14 ゴーイングスズカ 2375 56 79
7 1 ナリタトップロード 2378 55 75
8 12 ファレノプシス 2381 55 73
9 9 フサイチエアデール 2381 53 69
10 5 ステイゴールド 2382 56 75
11 2 スエヒロコマンダー 2382 57 77
12 15 ダイワオーシュウ 2383 56 74
13 4 ユーセイトップラン 2389 56 70
14 6 シンボリインディ 2392 55 66
取消 8 インターフラッグ - 56 -

馬場指数:+0.50

配当:枠連 2−4 ¥450, 馬連 3−7 ¥470


 馬場は真ん中から内側がかなり荒れているように見えていたが、馬場指数は+0.50。通常より0.5秒遅くなる程度の馬場だった。レースはスタートから100mが7秒1、そこからの前後半6F・77秒7−72秒4。前後半で5秒3も違う超々スローペース。完全な上がりだけの競馬になり、折り合いを付けられるかどうかが勝敗の大きな鍵になった。

 勝馬、2着馬の差はわずか4cm。ジョッキーも勘違いをして、勝利ジョッキーが馬から鞍を外して引き上げ、2着のジョッキーがウィニングランをするという位僅かな差だった。当サイトの予想ページで新聞の見出しが”史上初...”となるか”スピードシンボリ以来...”となるのかと書いたが、結局後者になった。
 勝った7番と2着の3番の位置取りは宝塚記念の時と逆、末脚に優る7番と末脚勝負に出た3番の鞍上の判断は正しかったか疑問は残るが、馬の強さには恐れ入った。この秋の強行的なローテーションを克服してこれだけの好勝負に持ち込んだこの馬の精神力、体力は大したもの。この文章を書いている時点ではまだ結論が出ていないが、年度代表馬はこの馬以外にはないだろう。それ以外の馬に投票した記者の良識を疑うと言ったらいい過ぎか。
 また7番の勝負根性は本当に驚異的。普通なら逆転されておかしくない勢いの差があったのだが、僅かでも前に出ようとする所はこの馬の最大の長所。”怪物”と呼ばれる所以の一片を見せてくれた。ベテランの鞍上も思わず涙ぐむくらいの闘志で、完調でなくてもこの様な凄い能力を見せてくれるこの馬は驚異的と言った在り来たりの賛辞は似合わない。正に”化け物”である。
 ただし、馬場指数が余り悪くないのに走破タイムが悪かったことから指数はご覧の通り。惨憺たる指数であるが、上位2頭は指数やタイム以上に3着以下の馬と開きがあった。

 3着は4歳の11番。ステイヤーズSなど使わずにこのレースに出ていればまた違った結果が出ていたかもしれないが、それは結果論になってしまうので言うのは止めておこう。安定した末脚は驚異的だが、この馬は結局追い込んで届かず...で終わってしまうのか。来年以降はG1でも当然主役級だが、如何に成長するかが鍵となる。折り合いは付き易そうな馬なので、鞍上を変えるなどすればもっと安定して勝てるような気がする。
 あわやの場面を見せたのは10番。”来年以降はG1勝ちまくり”などと鞍上が言ったそうだが、それは大きな間違い。勝馬は来年も走るし、3着の11番とも能力差は明らか。このスローペースで最後の直線勝ちパターンに持ち込んでおきながらあっさり差されてしまったのでは、来年以降もG1は勝てないだろう。心情的には応援している馬なのだが、現実はそう甘くはない。
 4歳1番人気の1番は7着。出負けして慌てた鞍上が気合いを入れた途端、馬が行きたがってしまい折り合いを欠いてしまった。残念な結果になったが、来年は4最3強で楽しませてくれるだろう。
 久々で折り合いを欠いた6番は大きく離された殿負け。久々よりも距離が初経験だったことが大きかったようだ。

 タイムが悪かったのが残念だが、上位2頭の壮絶なバトルは間違いなく21世紀まで語り継がれるだろう。全馬大きな不利もなく、非常にクリーンなレースだったことが大変良かったと思う。


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