’99年 東京優駿(ダービー) レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 2 アドマイヤベガ 2253 57 95
2 11 ナリタトップロード 2254 57 94
3 14 テイエムオペラオー 2256 57 93
4 9 オースミブライト 2260 57 90
5 1 ブラックタキシード 2263 57 88
6 10 ロサード 2264 57 88
7 7 ペインテドブラック 2264 57 88
8 15 マイネルシアター 2267 57 86
9 8 ワンダーファング 2268 57 85
10 5 ヤマニンアクロ 2270 57 84
11 3 ニシノセイリュウ 2272 57 82
12 17 マルブツオペラ 2273 57 82
13 12 チョウカイリョウガ 2275 57 80
14 6 ブルーコマンダー 2278 57 78
15 18 マルシゲファイター 2279 57 78
16 4 マイネルタンゴ 2283 57 75
17 13 タイクラッシャー 2283 57 75
18 16 ノーザンカピタン 2305 57 60

馬場指数:−0.65

配当:枠連 1−6 ¥610, 馬連 2−11 ¥820


 関東地方は梅雨入りしたにもかかわらず雨は余り降らず、特に週末は快晴であった。その為馬場指数は先週のオークスと殆ど同じ−0.65。やや速いタイムの出る馬場であった。
 ペースは前後半6F・72秒5−72秒8、前半1000m60秒2、ゴールまでの後半1000m60秒4。前後半が殆ど対称な正に平均ペース。早くもなく遅くもない淀みのない流れになったため、余計紛れのないレースになった。

 先週のオークス同様、全体のレベルとしては平凡、悪く言えば低レベルであった。ただし、レベルというのは一部の馬の強さではなく、あくまで出走馬全体の能力を指して言っている言葉である。その中で上位3頭は90を超える指数を出しており、4着以下と比べると指数値で3以上の差がある。この3頭が”3強”と言うべき存在であったことが分かる。
 勝ち馬は道中15番手、4角でも殆ど同じ位置でコーナーを回り、直線を向いてからスパート。メンバー中最速の34秒4の末脚で粘る11番を交わし優勝。今世紀最後のダービー馬となり、鞍上は史上初の2年連続ダービー制覇となった。2着馬、3着馬と比べると最も追い出しが遅かったが、結果それが正解であったようだ。鞍上の冷静な判断は称賛に値する。それ以上に馬の調子が良かったことは言うまでもない。皐月賞で大幅に減っていた馬体が完璧なまでに回復していた。今回は馬の能力以外に、調教師の能力、鞍上の判断力に感服したレースであった。
 鞍上が悔しさの余りレース後に号泣したという11番は2着。ゴール前で一旦先頭に立ち、勝ったかと思いきや最後の最後で2番に交わされてしまった。正に悔しい負け方ではあったが、安定して上位に来る馬の能力は大した物。父・サッカーボーイの果たせなかった夢は後少しで叶わなかったが、1600〜2400mではかなりの能力の持ち主だと思う。古馬になってからが楽しみである。鞍上も今回の経験から大きく成長するだろう。
 皐月賞馬の14番は3着。道中中段に位置し4角でまくったのが結果としては裏目に出た。鞍上はこの馬の末脚を信頼し切っていれば違う騎乗ができたと思うが、残念ながら今回はうまい手綱捌きとは言えなかったと思う。

 レースとしては大変見応えのある良いレースだった。どの馬も大きな不利が無く実力を全て出し切ったのが何よりも良かった。実力のある馬がその実力を十分発揮し、互いにその能力をぶつけ合うのが真のG1レース。今回はその様なレースになったことが、良いレースだと感じられる原因であったと思う。


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