’99年 秋華賞 レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 16 ブゼンキャンドル 1593 55 88
2 12 クロックワーク 1593 55 88
3 15 ヒシピナクル 1594 55 87
4 10 ウメノファイバー 1595 55 87
5 6 フサイチエアデール 1596 55 86
6 11 エアザイオン 1596 55 86
7 18 メジロサンドラ 1599 55 83
8 14 マイネレジーナ 2001 55 82
9 4 フレンドリーエース 2001 55 82
10 9 ハギノスプレンダー 2001 55 82
11 2 エイシンルーデンス 2001 55 82
12 8 レッドチリペッパー 2001 55 82
13 5 トゥザヴィクトリー 2003 55 80
14 13 ピサノガレー 2003 55 80
15 3 ゴッドインチーフ 2009 55 75
16 7 ゴールドティアラ 2012 55 73
17 1 メジロビクトリア 2018 55 68
18 17 エフテービルサド 2031 55 57

馬場指数:−1.55

配当:枠連 6−8 ¥8,810, 馬連 12−16 ¥94,630


 ここのところの京都は高速馬場が続いており、馬場指数は1.55秒速いタイムの出る馬場であった。それを考えると前後半1,000m・58秒4−60秒9のペースは余り速くないように思われるが、前後半で2秒5も差があるので今年の4歳牝馬たちにとってはハイペースだったのだろう。

 勝馬はそのハイペースの中、16番手から3〜4角で捲り、4角・8番手から追い込み快勝。G1どころか重賞初制覇がG1勝ちとなった。ここ2戦は35秒台の末脚を使っていたが、それまではいいとこ36秒台の切れしかなく、典型的なパワー型の馬のように思えた。スピードよりもスタミナタイプ、そこそこの脚を長く使える馬だろう。だが今回はペースに助けられた感が強く、”コンスタントに成績を残せるタイプではないが一発大穴タイプの馬”という評価が現段階では妥当か。次走はエリザベス女王杯を予定しているようだが、そこでこの評価が適当かどうかが分かるだろう。ただし、G1を勝ったと言っても88という指数ではとても古馬には通用しない。斤量差を生かしてどこまでやれるか...である。
 2着の12番は意外と人気がなかった。道中シンガリという思い切った作戦が功を奏し、勝つまでには至らなかったものの9万馬券の片棒を担ぐ結果となった。このレースで唯一35秒台(35秒9)の上がりをマークした。今回が8戦目だが4着以下が1度だけという安定した成績。だが一方3着が4回もあるのは詰めの甘さを物語っており、今後も歯痒いレースが続くだろう。
 3着の15番は他の有力馬、5番、10番等に勝つことを考えた乗り方だったのでこの結果は致し方ないと言える。ただ、ペース判断が正確にできていれば4角であんなに捲ることはなかったので、その点だけが悔やまれる。今回最も強い競馬をしたのはこの馬。足下をすくわれた感じだが、今後の成長次第では姉を越えるような活躍も期待できる。
 1番人気の5番は13着と惨敗した。先行した馬は1頭も掲示板に載っていない状況を考えると、この結果はある程度納得がいく。しかし本当に強い馬ならこんなに大負けはしないだろう。鞍上の人気で上位評価された感がする。今後の成長次第だろうが、詰めの甘さを何とか解消しなくてはこれからも”善戦ウーマン”の域を抜け出すことはできないだろう。

 G1史上3番目の高配当で幕を下ろした4歳牝馬3冠レース。勝馬は賞金的には全く足りず、トライアル・ローズSで3着に入ってこのレースの出走権を得た。しかもその時の3着と4着の差はハナ差。もしハナ差前に出ていなかったら、このレースには出られなかったのである。G1レースを勝つにはこういった運が必要不可欠であることを改めて認識させられたレースだった。



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