’99年 天皇賞(秋) レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 9 スペシャルウィーク 1580 58 106
2 6 ステイゴールド 1581 58 105
3 1 エアジハード 1582 58 104
4 11 スティンガー 1583 54 95
5 7 セイウンスカイ 1583 58 103
6 2 アンブラスモア 1584 58 102
7 16 キングヘイロー 1586 58 101
8 17 ツルマルツヨシ 1586 58 101
9 5 ダイワテキサス 1588 58 99
10 10 サイレントハンター 1590 58 97
11 4 メジロブライト 1591 58 97
12 12 シルクガーディアン 1592 56 92
13 14 ホッカイルソー 1593 58 95
14 15 メイショウオウドウ 1594 58 94
15 8 ユーセイトップラン 1596 58 93
16 13 クリスザブレイヴ 1598 58 91
17 3 サクラナミキオー 1599 58 90

馬場指数:−1.74

配当:枠連 3−5 ¥5,620, 馬連 6−9 ¥15,770


 大した雨も降らず、府中の馬場は好天続きもありパンパンの良馬場。馬場指数は−1.74という大変速いタイムが出る馬場であった。前後半1,000mは58秒0−60秒0。ハロンラップは3回だけ12秒台を刻んだが、あとは11秒以下(スタートから3ハロン目は10秒8)。馬場差を考えると”超”は付けられないが、逃げ馬はもちろん追い込み馬もスタミナを消耗するようなハイペースであった。

 勝馬は道中14番手といつもよりも後方に待機し、4角でも12番手。捲りを限界ギリギリまで遅らせて溜めた末脚を爆発させ、メンバー中最速、また唯一の34秒台の末脚(34秒5)で先に抜け出していた馬たちを交わして快勝。タマモクロス以来、史上2頭目となる同一年度の天皇賞連覇を達成した。106という指数はこの馬にとってダービー以来、生涯2番目に良い値。どうやらこの馬にとっては限界の値のようだ。正確なペース判断で追い込みを決めた鞍上の腕が光ったが、馬の完全復活を認めるにはまだ早計。今回は展開に助けられた感じがする。今後も追い切りの動きを見て、注意して印を打たなければいけないと思う。
 2着は2・3着の常連6番。他に人気の馬がいたため相対的に人気はなかったが、昨年と同じ着順で、しかも昨年とほぼ同じ105という指数から考えるとハイペースに向いているのだろう。道中7番手、4角も同じく7番手から追い込んだが、クビ差及ばず勝馬の末脚に屈した。スパッと切れる末脚がない為、G1ではどうしてもあと一歩及ばない。調子は悪くないようなので、次走も注目したい。
 3着は1番。道中5番手と前で競馬したので最後は2頭に交わされたが、力は十分出し切ったと思う。2000mの距離経験が無いのが不安だったが、それが杞憂であることが証明された。”並んだら負けない”勝負根性もあり、もう少し距離が伸びても良さそうだ。

 一番人気の7番は5着。これで一番人気12連敗目となってしまったが、ゲート入りをあそこまで嫌うとは馬に走る気がなかったのか。パドックでもいつもよりおとなしく見えたが、やはりこの馬は使って良くなるタイプだと思う。この馬の力を最大限に発揮できるのはもう少し先だと思うが、ゲート再審査、1ヶ月の出走禁止処分は痛かった。JC−有馬記念の予定が狂い、今後は有馬記念のみになると思われるので、当然レース間隔が空いてしまう。有馬記念でも同様の惨敗はあり得るかもしれない。
 2番人気の17番は、生涯最高値の指数を出したが如何せん力不足。予想の時に”指数的に足りずに危険な人気馬である”と書いたがその通りの結果になった。G1は初めてだったためG1の異様な雰囲気に飲まれてしまったのかもしれないが、まだキャリアが浅く、今後まだまだ成長する余地があると思う。これからに期待したい。
 このハイペースを引っ張った2番が一番厳しいレースを強いられた。その割には6着とがんばっており、馬場の良いコースを通ったことを考えてもこの結果は高評価できる。102という指数だとこのクラスでは通用し辛いが、これで3戦連続100を超える指数を出してきた。G2位なら十分勝ち負けになると思う。

 スピードだけでなく最後はスタミナまで要求されたこのレース。ゴール板直前まで何が勝つか分からず、非常に見応えがあった。”これぞG1”というレースを久しぶりに見た気がした。ただ、こういったレースは消耗が激しいため、各馬次走に影響しないかどうか心配である。


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