’99年 天皇賞(春) レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 3 スペシャルウィーク 3153 58 96
2 10 メジロブライト 3154 58 96
3 8 セイウンスカイ 3158 58 94
4 11 シルクジャスティス 3158 58 94
5 2 ステイゴールド 3162 58 92
6 9 ローゼンカバリー 3166 58 90
7 1 マチカネフクキタル 3168 58 89
8 7 メジロランバート 3170 58 88
9 4 アポテオーズ 3172 58 87
10 6 サンデーセイラ 3179 58 83
11 12 ユーセイトップラン 3181 58 82
12 5 タマモイナズマ 3181 58 82

馬場指数:−0.54

配当:枠連 3−7 ¥410, 馬連 3−10 ¥430


 開催替わり間もない頃で、しかも天候にも恵まれ馬場指数は−0.54とやや速いタイムの出る馬場であった。前・中・後半1000mのラップは60秒9−62秒7−60秒3。最初が速く、中間緩み、また最後に速くなったところから自在性が要求され、また全体的に速い流れになった。長距離戦では道中のロスが最後に跳ね返ってくることが良くあるが、このレースも折り合いが付けられない馬には厳しい流れになり、紛れる可能性の少ないG1らしいレースになった。

 勝ち馬は3強の一角8番の逃げをマーク。3〜4番手でレースを進め、更に上がり34秒2の決め手で抜け出して快勝。指数96は古馬G1としては物足りないが、長距離戦ほど高い指数は出にくい傾向があるため、まずまずの値と言える。また、少々かかり気味に前に行ってしまったようで、レース後のジョッキーのコメントでも”もう少し後ろからレースを進めたかった”と言っている。かかり気味の馬をうまくなだめて落ち着かせたのは、ジョッキーの腕が良かったことの証明である。
 2着の10番はまたしても2着。メンバー中最速の34秒0の上がりで追い込んではいるものの、4角での位置取りの差で3番を捕らえることができなかった。でも並んで負けない3番の勝負根性からして、いくら走ってもその差は縮まりそうにない感じを受けた。予想通り8番の逃げ、3番がその後をマーク、そして10番が後ろからという展開になったが、余り後ろからだと最後に届かないのは明らか。よっていつもより前目の道中6番手からレースを進めたが、結果から見ると逆に3番より前に行っていないと3番には勝てないのではないかと思う。
 逃げた8番は3着。執拗に次から次へと折り合いを欠いた6番に絡まれてしまった。前走で見せた2番手でも折り合える気性面の成長もどこへやら、かかり気味にハナに立って、絡まれると更に前へ前へと行ってしまった。こういう流れになるとこの馬にはキツく、むしろ3着に粘ったのが驚異的と思える。調教師などはレースの進め方がぎこちなかったので今回の結果に納得していないようだが、その気性も含めてその馬の能力なのだから今後はきっちり立て直して巻き返しをはかって欲しい。

 戦前”3強”と称されたように、3着までその3強で占めた。このレースの結果だけを見ると3番の能力が抜けているように見えたが、3強の実力差はそれ程大きくない。レースの展開一つで結果はまた違った物になる。勝ち馬は今年一杯で引退する予定だが、少なくとも今年はこの”3強”の戦いから目が離せそうもない。


G1レース回顧に戻る      ホームに戻る