2000年 宝塚記念 レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 1 テイエムオペラオー 2138 58 88
2 4 メイショウドトウ 2138 58 88
3 10 ジョービッグバン 2139 58 88
4 3 ステイゴールド 2141 58 86
5 8 ラスカルスズカ 2143 58 85
6 11 グラスワンダー 2147 58 82
7 7 メイショウオウドウ 2154 58 77
8 5 マチカネフクキタル 2156 58 75
9 9 オースミブライト 2156 58 75
10 2 サイレントハンター 2163 58 70
11 6 マチカネキンノホシ 2163 58 70

馬場指数:−1.21

枠連 1− 4¥ 1,140  5人気
馬連 1− 4¥ 1,190  5人気
ワイド  1− 4¥   570  6人気
 1−10¥ 1,400 16人気
 4−10¥ 3,550 30人気


 当日は雨の予報で馬場状態が心配されたが、結局は良発表。馬場指数は何と−1.21。通常より1.21秒も速いタイムの出る状態の良い馬場であった。
 レースは前半5F・60秒7、後半5F61秒0。前半5Fのタイムからは平均からやや遅いペースであるにもかかわらず、後半の5Fで61秒もかかっている。レース自体のレベルが低かったことが、このタイムからも分かる。

 正味勝負になりそうだったのがテイエムオペラオーとグラスワンダーの2頭であったので、故障発症して力を出せなかったグラスWがいなくなれば勝つのはTMオペラオーしかあるまい。道中4・5番手でレースを進めて、コース取りを徐々に外目に取り馬群に包まれないようにし、そこからメンバー中最速の35秒7の末脚で快勝。正に横綱相撲と言った勝ち方だったが、やはりグラスWが無事だったら...というケチは付く。ケチが付かないためにも、全馬無事でゴールすることが必要なのである。だが指数の88は惨憺たる状況。1〜3着馬は前々でレースを進めた馬たちだったところからすると、やはりスローペースに近かったのだろう。指数の悪いのはその為であるが、そういったレースで追い込んで勝てるのは実力に差があったから。レースが終わり、指数を見た後にこの馬の限界の走りを見てみたいと強く思った。もしかしたらとんでもなく高い指数を出せるのかも知れないが、ここまではG1レベルの指数を一度も出したことはない。
 2着は現在絶好調のメイショウドトウ。最後は勝馬の末脚に屈したが、力は出し切っているように思う。この位の距離ならG1でも十分に闘っていける力があることを証明できたので、秋の天皇賞辺りに出てきたら面白い存在である。
 3着はジョービッグバン。ペースに助けられた感が否めないが、この馬も2000mくらいの距離で好成績を残している馬。生涯最長距離でしかも初距離だったが、少し長かったように思う。

 乗り替わりで話題になったステイゴールドは4着。上がりの競馬になれば、この馬の出番はない。ラスカルスズカは5着。早めに先頭に立ったがいつもの切れが無く、体調面で問題があったか。余り追い込み一辺倒なのもどうかと思うし、もう少し前で競馬をした方が良いように思う。
 そしてグラスワンダーは6着。ずっとこの馬のことを見ていたが、3・4角にかけて馬なりで上がっていった時はこの馬しかないと思うような勢いだったが、そこを過ぎて直線の入り口でジョッキーが手前を替えさせたが余り伸びないので再度手前を替えて追い込んで来ていた。恐らく4角手前で故障を発症したため、手前を替えても故障した脚を手前にしたために伸びなかったのだろう。レース後にかなり痛がっていたところが映っていたが、あれを見たときは最悪の事態を予想した。だが競走能力と引き替えに命が助かったのは本当に良かったと思う。淀に散った菊一輪・ライスシャワーの二の舞だけは二度と見たくない。勇姿が見れなくなるのは残念だが、脅威の末脚を持った子供達を次々とターフに送り込んで欲しい。
 近年希に見るハイレベルの世代の終わりを見せたレースだったが、一方で世代交代を印象付けたレースだった。今後TMオペラオーを中心として競馬界が動いていくことになると思うが、もちろん海外も視野に入れていくことになるだろう。今後の動向が楽しみである。


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