2000年 安田記念 レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 12 フェアリーキングプローン 1339 58 104
2 10 ディクタット 1341 58 102
3 9 キングヘイロー 1341 58 102
4 6 スティンガー 1342 56 97
5 15 トロットスター 1343 58 100
6 17 エイシンルバーン 1345 58 98
7 3 フサイチエアデール 1346 56 93
8 2 アドマイヤカイザー 1346 58 97
9 8 ブラックホーク 1346 58 97
10 5 シンボリインディ 1346 58 97
11 11 オースミジェット 1347 58 96
12 13 ウメノファイバー 1347 56 92
13 16 イーグルカフェ 1348 54 87
14 14 レッドチリペッパー 1349 56 90
15 18 マイネルマックス 1350 58 92
16 7 ロサード 1351 58 91
17 1 ダイワカーリアン 1354 58 88
18 4 エイシンルーデンス 1357 56 81

馬場指数:−0.17

枠連 5− 6¥ 6,850 27人気
馬連10−12¥14,700 40人気
ワイド 10−12¥ 3,780 44人気
 9−12¥ 4,270 47人気
 9−10¥ 1,790 27人気


 府中の馬場も大分荒れてきており、馬場指数は−0.17だった。
 ペースは前後半4F・46秒8−47秒1、1,000m通過が58秒6で、ややハイペースだったのではないか。だが一部のジョッキーからは”スローすぎて...”という台詞も聞かれた。しかし先行馬の殆どが潰れている点を考えると、スローとは言えない。G1としては平均ペースというのが妥当なところか。

 勝馬は道中中段やや後方の11番手に位置し、4角から直線だけでゴボウ抜きして快勝。香港で1200mまでのレースにしか出ていなかったため、1600mの距離を不安視する声があったが、それを嘲笑う様な勝ちっぷりだった。息の長い末脚は正に東京向きで、日本の馬場への適性を見抜いた関係者の目は確かだった。メンバー中最速の上がり34秒3の決め手は驚異的だが、指数は104と平凡。もっと厳しいG1らしい流れになったら違った結果になっただろう。
 2着はやはり外国遠征馬のディクタット。スタートで出遅れたのが痛かった。ゴール前の勢いをみると、出遅れさえなかったらもう少し際どい勝負になっていたと思われる。道中の位置は勝馬と同じだったが、出遅れを取り戻そうと無理をしたため、それが最後の着差になった。日本初戦の京王杯SCでも差のない競馬をしており、指数も高かったので要警戒だったが、今回は平凡な指数102しかでなかった。
 3着は日本馬・キングヘイロー。早めに抜け出してあわやの場面を作ったが、勝馬に並ぶ間もなく差し切られ、更にゴール前でディクタットにまで交わされてしまった。先行した中では最も上位に入線しており、この馬の能力が高いことを証明した。だが指数は100を少し超える値しか出せず、これはここまでの生涯を通じてのこと。能力は高いレベルで安定しているのだが、レース結果同様にそこから一歩抜け出す力が足りない。今後も歯痒いレースが続くだろうが、馬券的には安定して狙える存在だろう。
 予想のページでバッサリ切って捨てたイーグルカフェ、シンボリインディ、アドマイヤカイザーは予想通りの結果になった。イーグルカフェは古馬と力比べをすればこれが精一杯で、現状では古馬との力差は歴然である。シンボリインディはこれで底が見えたと言って良いだろう。能力的には安定してG1上位に来るような馬ではない。アドマイヤカイザーは力は出し切っていることは指数から明らか。この馬もG1レベルには足りない。

 単純に出走メンバーのG1勝ち数だけで盛り上がっていたレースだっただけに、レース後の感想は”落胆”といった感じではないだろうか。近年、”日本の競馬は世界レベルに達した”といった報道がされているが、”一部の外国産馬を調教する技術が身に付いた”というのが正しい判断だろう。今回の(日本の)出走メンバーでは、世界とは差があるのは明らかだし、個人的な感想では今現在外国に遠征して通用しそうな馬は見当たらない(”復調すれば”の条件付きで、グラスワンダーが唯一の馬か)。情報を冷静に判断し、もう一度強い馬を作るための方法を考えなくてはならないと思う。大分否定的な見方をしてしまったが、世界との差は少なくなってきているのは間違いないのだから。


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