2001年 天皇賞(秋) レース回顧

着 順 馬 番 馬 名 タイム 斤 量 指 数
1 10 アグネスデジタル 2020 58 95
2 6 テイエムオペラオー 2022 58 93
3 2 メイショウドトウ 2026 58 90
4 8 イブキガバメント 2027 58 89
5 11 ダイワテキサス 2028 58 88
6 7 メイショウオウドウ 2031 58 86
7 4 ステイゴールド 2034 58 83
8 13 トレジャー 2035 56 78
9 1 ロサード 2036 58 82
10 12 ジョウテンブレーヴ 2037 58 81
11 3 トーホウドリーム 2040 58 78
12 9 サイレントセイバー 2042 58 77
13 5 サイレントハンター 2048 58 72

馬場指数:+0.22

枠連 5− 7¥ 1,780  5人気
馬連 6−10¥ 2,790  5人気
ワイド  6−10¥   850  6人気
 2−10¥   890  7人気
 2− 6¥   180  1人気


 最初”午後遅くから雨”と言っていた天気予報が”午後から雨”に変わり、結局どちらも外れて当日朝から雨が降ってしまい、あいにくの空模様になった。馬場状態も稍重からレース直前に重にまで変わってしまったが、馬場指数は+0.22と普段と余り変わらないという意外な数値が算出された。

 サイレントハンターの大きな出遅れで、レースのシナリオが大きく変わってしまった。本来なら平均ペースになるだろうと思われたペースが、一転して超スローペース、1,000m通過が62秒2というのは異常な程遅い。まさに”4角からヨーイドン”のレースになった。因みにスタートしてから最初の1ハロンは13秒6。先週の菊花賞でさえ、ここまで遅いラップタイムはなかった。

 アグネスデジタルは4角まで馬群の外側を付いて回ってきていたが、直線に入ると中央やや外よりの馬場の良い所を通り、自慢の末脚を有効に発揮。上がり35秒4は出走メンバー中最速。あのテイエムオペラオーを後ろから差すという、今まで見たことのないシーンを演じて快勝。だが超スローペース故、指数は95と低調。これでダート、芝のG1を制したことになり、前例のない名馬の一頭になった。外国産馬に対して門戸の狭い日本の競馬界だったが、少しずつそれも解放されつつあり、活躍の場も多くなってきている。今回のレースが日本の競馬に、また生産界に与える影響がどの位あるのか。ちょっと考えさせられたシーンだった。
 テイエムオペラオーは最後抜け出した所までは流石といった感じだったが、まさかその外から差されるとは鞍上も思っていなかっただろう。道中2番手でレースを進めさせられたのは意外だったかも知れないが、王者であるからにはどんなレースでもできなくてはならない。その通りに結果を出したかと思った瞬間、大外から一気に差し切られてしまった。8つ目のG1は次走にお預けとなったが、(多分)後2レースあるので悲観することはない。
 押し出される形で先頭に立ったメイショウドトウだったが、馬場のせいか、それとも慣れない”逃げ”のレースをさせられた結果だろうか、いつもよりバテるのが早かった様な気がする。展開のアヤとは言え、これもレースである。この一戦でこの馬の評価が落ちることはないので、次走に期待したい。

 逃げ馬が出遅れてスローペースになり、上がり勝負になったこと、馬場の良い外側に出し易い外枠だったこと、そして予報より早く雨が降りだしたこと...。勝つ時というのは何もかも自分に対してプラスに働く、そんなものである。アグネスデジタルにとって、全てが自分に向かって風が吹いていた1日だったのではないか。


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