前座とトリの関係〜King Crimson Project Live Report(98.04.13)

 先日、赤坂ブリッツにて'King Crimson Project'のコンサートが行われ、筆者もいそいそと仕事をさぼって聞いてきたので、ちょっとしたリポートをしてみよう。
筆者が見たのは、4/10の最終日である。
だけど、今回は何故赤坂ブリッツだったのかね???
あそこの1Fはオールスタンディングだぞ??まさかこのライブで踊れっつーことか??
実は筆者も当初は、立ち見(しかもCブロックだから一番後ろ!!)しかとれなかったのだけど、当日朝、'立ち見はいやだ!!そーだダフ屋を探そう!!'と決心し、ちょっと早めに会場に出かけたところ、時間が早すぎてダフ屋がいない!!!
しょうがないので、どこかで時間を潰そうかと思っていたら神の声!!の声!!カメラマン風情の男が'指定席買ってくれないか??'と一言。
赤坂ブリッツは2階に200席程の指定席があるのである。
迷わず、即購入、その後筆者のチケットは後から現れたダフ屋の手にわたったのでありました。
とまあ、そんなわけでめでたく指定席でゆったりと座って見れるようになったのだけど、まだ開場まで時間が思いっきりある。
赤坂の街をブラブラして時間を潰していたら、StarBack(だっけ??)に入っていくTony Levinを発見、'出てきたらサイン貰お!!'と思っていたら窓際の席で読書始めちゃって、出てくる様子がないのであきらめた。
(StarBackに乗り込んでサイン貰ってる人もいたけど....ちなみに筆者は2度目のCrimson来日時に、五反田でTony Levinと握手したことあり〜単にペンが無くてサイン貰えんかった)
 さて、ほぼ定刻に始まったライブは、一部が'PROJEkCT TWO'、こちらはFripp翁のGuitar、Trey GunnのTouch Guitar、Adrian BelewのV-Drumsの3名による演奏。
一応先日発売されたCD'PROJEkCT TWO'からだけど、あのCDも殆ど即興だったから、実際の演奏はそれを元にした即興らしき演奏となった。
ただ、Fripp翁やGunnのセットアップやサンプラーの音源は録音の際に使われたセットアップのようだし、AdrianのV-Drumsのパッチも同じようで、しかも意外とAdrianが律義にCDと同じリズムを叩いていたから、さほどCDの内容から逸脱してはいなかったようだ。
でも、残念ながら一部はちょっと退屈だったね。
しかも、Fripp翁の後半のサウンドスケープに気持ちよく眠りに誘われてしまう始末。
まあ、中盤で'Star Wars'の窒素呼吸カルテットみたいな雰囲気で'Vrooom'を演奏したのが、なかなか笑えたけど....
(AdrianのV-Drumsも、途中で運動会状態になるのも笑えた)
結局一時間弱の演奏を終えて、3人はステージを後にしたのでありました....
アンコールは無しです。
そうゆうポリシーなのか、曲が無いのか、はたまた前座だからかは不明....
でも、後で気づいたのだけど、PAそばにノイズマイクをセットしてたから、'PROJEkCT TWO'名義でライブでも出すのかしら??
 で、第二部は'Bruford Levin Upper Extremities'なのだけど、こちらはなかなかおもしろかったのでした。
最初にBrufordが一人で出てきて、ドラムキットの上にシンバル類を置いてちょっとガムラン風のソロを披露(このスタイルは、前回のCrimsonのライブではPatがやっていた奴ですな)、そしてLevinが後から登場、Levinはエレクトリックアップライトをアルコ弾きで、そのままデュオを行う。
その後、David Tornが登場し、CDに収められた曲の演奏が始まった。
3曲めぐらいまではちょっとPAの具合が良くなくて、DavidのGuitarの音がちと聞きづらかった。
で、TrumpetのChris Bottiも登場したのだけど、彼、ヒジョーに若い。
でも、スタジオ盤よりも良いソロを吹いていたと思うな。
スタジオ盤では、ちょっと縮こまった演奏に思えたけど、このライブではかなり自由に吹いていた。
それに、最近のマイキングは管楽器もオンマイクでしかもワイヤレスでやれるから、好き勝手に動き回っていたのも印象的。
ただ、殆どMilesの真似にしか思えないアクションは止めた方が良いと思ったけど。
Davidのほうは、もう期待どうりのギュルギュル鳴るGuitarで最高。
多分マイクだと思うけど、それをアンプに近づけてノイズのロングトーンは出すは、
きっとエレクトリックボウも使っていたのだろう。
意外にスタジオ盤の演奏に忠実だったのには、ちとびっくりした。
でも極めつけは、(多分)マイクロカセットを再生状態にしてGuitarのピックアップで音を拾い、それをエフェクト処理するという大技。
これには、まいった。
殆どCANHolger Czukay状態である。
(使っているテープも何か中近東系だった???)
Bruford(ちなみに本人は自己紹介の際、発音はブラッフォードではなくブルフォード〜巻き舌が難しい...であると強調されておりました)は、スタジオ盤と同じでリズムを突然倍リズムにするは、奇数拍にするは、半分に落とすはとやりたい放題。
でも、リズムはLevinがきっちりキープしている。
今回、Levinはそれほど派手な演奏ではなく、しっかりとリズムの土台を守るほうに回っていた。
(でも、スタジオ盤にも収められているアルコでのソロは奇麗だったな....)
Levin氏は結局Bass、アップライト、Stickと使い分けていたけど、やっぱ今回はリズムキープに回ったとはいえ、特にStickは絶品でしたね。
ほとんど、人間シーケンサーと化していたのでした。
'Bruford Levin Upper Extremities'は、やはりリズム隊が中心で作っているので、やはりリズムリフを作って(といっても、すごい変態リフなのだけど)、その上でDavidやChrisが上もので暴れる、騒ぐ、泣くというのがパターンなので、メロディーやハーモニーという面白味には欠けるのだけど、それを補ってあまりある演奏が収められている。
ライブという場では、それはより強調されていたなというのが、今回のライブの印象といったところでしょうか??
演奏はアンコール2曲を含めて1時間ちょっとといったところ。
でも、明らかに2部のほうがおもしろかったね。
それから考えると一部、二部の順番は、やはり前座とトリの関係だったのだろうか???

To Crimson