The Picture Of A City??(2004.04.04)

 しばらくぶりにCrimson話です。
ここんとこ、紙ジャケ盤の再リリース(英国仕様)やら、ライブDVDの'Eyes Wide Open'、BOXセットの再リリース(音源差し替えありとか??)等々、相も変わらずFripp翁の日本市場席巻が続いておりますが(BOXの方は遅れていますけど....)、そんななかOriginal Crimsonの初期音源がまたDGMからリリースされました。
以前ライブBOX'Eitaph'で収録されたFillmore East音源、しかも、未発だった11/22の音源を加えてのリリースです。
さて、収録された演奏はいかに??
そんなこんなをレビューしてみましょう。
んでは(^^)/


Club25 こちらが今回ClubリリースされたClub25'Live at Fillmore East'です。
ちょいとリリースが遅れたりしましたけど、物販開始のアナウンス後に申し込んだら二週間程度で届いちゃいました。
先にも紹介したとうり、既発音源の11/21に加え、これまで存在すると言われていながら未発だった11/22の音源が加えられています。
以前'Epitaph'のライナーでも書かれていたとうり、全ての音は卓送り、しかも元々はマルチテープだったものをメンバーやクルーがカセットに落として保有していたものが、今回の音源の元となっています。
11/22の音源はどうもMichealが保管(というか自宅のどこかから出てきた??)もののようです。
さすがにカセットとは言え、音の方は卓送りのマルチテープが元となっていますんで、音質も良く、バランスもかなり安定しており、1969年のものと言うことを差し引いても、非常に貴重な音源と言えます。
この当時の音源は英国ツアーのものはブートで出回りましたが米国ツアーとなると米国のファンが未だツアー前から注目していたわけでも無かった(まー、早い話が無名だったわけで)事もあり、オーディエンス音源も殆ど出回らず、以前の'Epitaph'でのFillmore Eastそしてツアー終盤のFillmore Westの音源のリリースはかなり話題になりました。
さて、既発の11/21と未発の11/22のカップリングと言うことで、収録曲を見てみますと、まったく同じセットの部分です。
しかも、どちらも一曲目の'The Court Of The Crimson King'はIanFluteソロの途中から('fragment'のクレジットがあります)始まっておりますが、さすがに二日続けての公演と言うことで、演奏内容的にもだいぶ似通った演奏です。
何故、フルレングスで無かったかは良く判りませんけど、どうもカセット自体は何本かのセット(最低三本??)らしく、見つかっているものは両日とも二本目の模様で、Micheal自身もライナーで書いているように前半とアンコールの部分は両日とも見つかっていないようです。
しかも、'Epitaph'でオミットされた11/21の'The Court Of The Crimson King'が今回Ianのフルートソロから収録された事も考えると、'Epitaph'では曲が完全収録で無いと言うことだったので収録を避けたのでしょう。
一応、11/22もそれにならったと考えるのが自然なように思えます。
で、音の方はというと、先にも書きましたように非常に良質な音です。
ただ、11/21の方は'Epitaph'収録時よりも響き方というかエコー感が違うように思えます。
大幅なリマスタリングは施されていないものの、11/22とのバランスを取るための調整は行われていると考えて良いと思いますが、それが前回発表時と違いとなっているのかも知れません。
注目はやはり未発だった11/22の方でしょうが、演奏内容的には11/21と極端に違いはありませんが、やはり二日目と言うことで、メンバーも余裕があるのか、特にリズム面の充実が目立ちます。
ライナー担当のMichaelは特に'A Man A City'と'Schizoid Man'の出来が良いと言っていますが、これも特に二日目の方が筆者も好みではあります。
気が付いた点を上げると'A Man A City'のイントロのテーマの部分は不協和音的な演奏がオリジナルであること、サードパートのボーカルは11/21Gregが唄っていないだけで多分既に完成していたこと等々が二日分聞いて確認出来ます。
それと、IanSaxがクラリネット状態になっていないのも、この二日間の演奏の注目点でしょう。
(この頃のIanSaxってどうしても時折同じ木管リード楽器のクラリネットみたいな音になるんですよね???)
でも、一番驚いたのは11/22FrippMCで、何と'A Man A City'が'The Picture Of A City'と紹介されているところでしょう。
ちなみにFrippMCではNew Yorkのホテルで曲は完成したと言っていますが、その点はMichealがライナーでちょっと釘を指しているのはご愛敬??
この'A Man A City'は元々、未完に終わった'Trees('Live at the Marquee 1969'のボーナストラック)'の中間パートとして登場したもの、'Trees'ではあの'McDonald & Giles'収録の名曲'BIRADMAN'の'BIRDMAN FLIES!'部分から続くパートでした。
('Trees'自体はご存じのように三声コーラスのメインテーマ、その変奏、そして中間パートからメインテーマをハードな演奏で繋ぐという構成でした)
多分、米国ツアー向けの新曲として'Trees'から一番完成度の高かったパートを抜き出してボーカルラインを付けて完成させたのでしょう。
しかし、やはり、FrippMCが一番気になります。
Frippにとっては、この時点で既に'A Man A City'は'The Picture of A City'であったのでしょうか??
(歌詞は未だ違うのですが....)
そう言えば、この曲のラストでGregが'Thanks! Sinfield!'と言っていますが、もしかしたら、'A Man A City'ではかなり派手なライトショウが行われていたのかも知れませんね???


 さて今回は、ちょっと小振りでしたがClub25'Live at Fillmore East'を駆け足で紹介しました。
Crimsonも予定どうりTreyが離れ、Tonyが現場復帰、既にリハーサルも始まっているそうです。
ただ、Tonyの他の仕事の問題でCrimson自体が動き出すにはまだ時間が必要なようです。
まあ、それを埋めるための再発ラッシュではないでしょうが(筆者は今回の紙ジャケ再発は入手を見送りましたが)、うーんFripp翁の商売っ気は尽きる事はないのでしょうな(^^)。
それでは、次回は再発BOXか新譜あたりを待ってと言うことで。
んでは(^^)/。

To Crimson