おとうちゃん、ぱそこんって何が出来るん??(98.04.05)

 タイトルの言葉、数年前に某F社のCMで出てきた言葉だというのは、多分皆さんも覚えておいでであろう。
筆者は、このCMに大笑いしながら、この企画をとおした某F社の広報部のシャレっけというか世間知らずと言うか、はたまた上層部の方々はどう思ってたのかとか、某F社のぱそこんの開発担当者は??とか、某N社はとか、皆、どう思ったのかなーと考えを巡らせたものである。
実際、例のWindows95の発売で、猫も杓子もぱそこんぱそこんと秋葉原参りをしスーパーマーケットでもぱそこんを売るわ(まあ、今じゃコンビニでも売ってるけどね...)で大騒ぎの真っ最中に出たCMである。
で、結局、もしもシャレっけでやったのなら某F社の方々なかなかのもんだ。
だって、ぱそこんって実は何も出来ないんだから。
そんなこと、メーカがCMで堂々と言うなんて....
ご丁寧な事に、このセリフを言われた'タッチおじさん'(あ、これで某F社なんて書いてもしゃーないですね??)が、'それだけは聞かんといてくで、それだけは...'と身悶えしちゃうんだから。
 こういうと身のふたも無いのだけど、経済生活の上で社会生活の上で、生産/供給される商品ってのは何かの使用目的を持っているのだけど、ぱそこんって使用目的が提示されていない数少ない商品じゃーなかろーか??
確かに、使用目的を購入者が考えれば良いわけだが、少なくとも他の商品には、主たる使用目的が明示されている(炊飯器でお湯を湧かす人は少ないと思うし...)。
まあ、ぱそこんに限らず、コンピュータというのは基本的には入力されたデータを指示のとおりに処理を行い(実際は計算なわけで)、それを出力装置に出力するというのが、機能というか目的なのだから、使用者はどんなデータを与えて、その指示の仕方と出力結果をどう利用するかで、何に使用するのかの目的を決めている。
つまり、使用目的が決まっているのでは無く、使用目的を使用者が考え、そして使用する商品という極めてまれな性格を持っているのだ。
 さて、ではあのぱそこんブームはどうなったかというと、結局ブームだから購入したという人はかなりの数で、結局何に使用するのか自分でもわからず、ホコリをかぶっているぱそこんがきっと沢山ある事でしょう。
まさにそんな状況で、あのCMはその事実を多くの人に知らしめてしまったのだけど、意外にそれに気が付かなかった人も多かったかも知れない。
何故なら、筆者はやべーなと思っていたのに、その当時このCMのせいでぱそこん市場が冷え込んだなんて話は聞かなかったし(冷え込んだら、そりゃただじゃ済まないわな)。
でも、そのとき買ったぱそこんが今どうなっているか、やはり多分かなりの数がホコリをかぶっていることでしょう。
それに、確かに不況は不況ですけど、Pentium-IIが出よーが、ここ2年程は買い替え需要が本来出てきても良いのに、なかなか売れ行きは上向かないのですものね。
(ノート系は売れてるみたいだけど、デスクトップ系はさっぱりですものね??)
 それとぱそこんって、商品としては完成度も低いし...
確かに家電ではないんだけど、使い勝手は悪いは、よく落ちるは
でも、ぱそこんを家電として扱おうという動きは、かなり前から小売り業者や一部メーカが努力しているけど、結局無理なんだろーな??
(最近のSONYはかなり頑張っているみたいだけど...まあ、家電メーカのアプローチはコンピュータメーカとは違うという事かな??)
確かに、ビデオデッキの予約機能が複雑で使えない人たちに、あのわかりづらいOSやユーザインターフェス(某MSは、非常に使いやすいインターフェスだと自画自賛しておりますが)でしかないぱそこんを使えるかっていうと、そりゃ無理がある。
そういえば、去年のクリスマスの時フランスでクリスマスプレゼントにぱそこんを送るのがはやったそうだけど、クリスマスが明けるとぱそこんショップには使い方がわからないとか壊れていると思った人達の長蛇の列が出来たそーな。
でも、結局、コードの接続ミスや使い方がわからない人達が殆どだったそうだ。
そりゃそうだ、ぱそこんは電源を入れて、目的とする動作が始まるのではなく、使う側が何をするかを指示しなけりゃならないんだから、家電のノリでクリスマスプレゼントされても、貰ったほうは一瞬うれしくても、使い方(というか自分が何をさせたいか)を理解している人のほうが少ないでしょう???
で、今でもあのCMの言葉は純然たる事実で、未だ'タッチおじさん'の'それだけは聞かんといてくで、それだけは...'と身悶えする姿は、終わってはいないのである。
(CMでは、'さわってるかーい??'って言っているけど....)
で、


'おとうちゃん、ぱそこんって何が出来るん??'

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