2月も中盤、それなりの寒さになっている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょう??
さて、今回は、ここのところ色んな話題を振りまいているインターネット関連のお話をしたいと思います。
まあ、ネット社会が産声を上げ、徐々にそれが浸透するかと思われている今日この頃ですが、'光あるところに影がある'なんて、アニメのサスケの世界ではありませんが、どうもこの頃影の部分がまさに憂鬱な姿になってきたんじゃーまいか??そんなことを思ってしまうのです。
と言うことで、今回はそんな'ネット社会の憂鬱'と題して、まずは日本の有名なネット企業に焦点を当ててお話を進めていきませう。
では。
先日、Yahho-Japanの株価が一億円を超えて、大騒ぎになりました。
いやはや、株の価格ってのは簡単に言えば現状と将来を計って、その将来性に対する評価予想として決まるそうですけど、現在Yahhoの株価は何と4000年先の利益まで見込んだ価値になるそうです。
いったい、誰がそんなこと決めたんでしょーね??
ちなみに、雑誌'AREA'の特集では、もっとも知られていて使われているポータル/検索サイトはYahhoって事になっていましたけど、これってすんごく恣意的な記事に思えてしまうのです。
そんなにYahhoって役に立つサイトでしょうか??
正直、筆者はYahhoって殆ど利用してません。
少なくとも検索サイトって事で言えば、gooやInfoseek、Excite、Lycosなんかのほうが遙かに役に立ちます。
これらの検索サイトは殆どロボットでの情報収集ですから、確かに検索する側の探し方に頼らざる負えない部分がありますけど、Yahhoのろくでもない恣意的な分類による登録情報なんかより遙かに役に立ちます。
まあ、Yahhoは登録されたサイトを掲載するのでは無く、彼ら流に言わせれば厳選されたサイトを掲載するって事になりますから、登録された側はそれなりにステータスを得られる訳です。
(ある意味、これはYahhoのブランド戦略の一環と言えましょう)
でもねー、役に立つ情報、役に立たない情報を選択するのはユーザサイドの問題だから、Yahhoの手なんざ入って欲しくないよね。
あ、今ネットオークションでもっともひどい品揃えでしかも無法地帯となっているのが、Yahho-Japanだってのは有名なお話でしたが、ついにヒッキーの偽サイン事件がスポーツ新聞ネタにまでされちゃいました。
(ちなみに、使用済み下着やらセーラー服なんかが多いのもYahhoのオークションサイトなんだそーです)
さてお話を戻すと、Yahhoの一株に一億の価値ってホントにあるんでしょうか???
結論から言うと一億の価値があると思いたい人がいるって事なんでしょう。
特に証券関係や機関投資家から見れば、自分たちのファンドに組み込み、しかも一億の価値を一度付けてしまった訳ですから、ここで下げる訳にはいかないでしょう。
何せ、Yahhoの株って浮動株として世に出回っているのは総発行株式の10%(3000株以下)しか出回っていないんですから、Yahhoが良いって話が市場を駆けめぐれば、それでどんどん株価は上昇するというものです。
でも、残りの90%は誰が持っているかと言えば、親会社のソフトバンクとYahho-USが抱え込んでいます。
市場でわずか10%の株式を巡る抗争が起これば起こる程、親会社の総資産価値は所有する有価証券で上がるって事ですね???
早い話、バブルの時に土地が果たした役目を今は株価が行っているだけなわけです。
でも、Yahhoがそんな株価に織り込まれた期待されるだけのパフォーマンスを今後、ホントに見せてくれるんでしょうか??
凄い怖い話だと思いません???
そんなこんなで、その企業の将来的ポテンシャルを評価しているというお題目の下、東証マザーズに上場されたリキッドオーディオなんかも、すんごい株価がついちゃう訳です。
今日本でもネット絡みの起業ブームが起こって、渋谷の事をBit Varyなんて呼んで、小さな会社が軒並み乱立、みーんな店頭公開市場やら、先のマザーズ、そしてナスダックジャパンへの上場を目指しています。
又、幸か不幸か、ベンチャーキャピタルや証券会社、そして金を貸さなくなって久しい金融機関も鵜の目鷹の目でそんな小さな起業にどんどん投資をしています。
まあ、向こうからどんどん金を貸してくれる、しかも自分達の必要とする額以上の金額がどんどん積み上がるんですから、まあ、うらやましい限り。
でも、そこでその企業の事を正しく評価し、その将来性をしっかり予測して投資しているかって言うと、どうもそんなことはないそうですね。
なんか、笑い話では'インターネット!!!'とか、'移動体通信!!!'とか、'デジタルコンテンツ!!!'とか、'EC!!!'なんて言葉が企画書に入っていると、それで資金調達なんざ、簡単に出来ると野賜っている人もいるそうです。
で、そんなことはないだろう??って思っていると、実はそんなことあるそうで、何せ今の日本の投資関連で一番問題になっているのが、そういう新しい企業の評価や投資効果の予測を出来る人がいないってことなんだーそうです。
まあ、そんなこんなで二年後ぐらいに首の回らないファンドマネージャーがごろごろ出てくるんじゃーないかって話もあるそうで、それじゃ'90年代の土地を元にしたバブルが生まれたのと、なんら変わりはないじゃーないですか??
ちなみに、SONYさんなんか、インターネットを中心としたビジネス展開(例のプレステ2絡みですよね??)のおかげで自社の株価が上がった時に、自ら株価是正の為に社長が'うちの株はそんな高くちゃいけないんだよー'って言ったおかげで、株価がどーっと下がったそうな(今は持ち直していますけどねー)。
これって、過大評価で本業が圧迫されるのを避けようとしたすんごい懸命な処置だったと思うし、多分、これで市場の反応を見ようとしたのかも知れませんね??
ちなみに、これとまったく逆の事をやっている会社があります。
そう、Yahho-Japanの親会社、孫さんのソフトバンクさんであります。
いやはや、孫さんって確かに凄い人だと思いますね。
例のアメリカではやったものを日本に持ち込む、いわゆる'タイムマシン戦略'って奴ですか???、それのおかげでネット社会で一番のトレッドセッターは孫さんと言うことになっているぐらいですから。
何せ、単なるソフトウェアの販売商社だった会社を今じゃ総資産価値12兆円の会社にしちゃったんですから。
ちなみに、中小のソフトウェアハウスの優秀なソフトを流通展開する手伝いをするっていうソフトバンクの当初のコンセプトはそれなりに評価出来ました。
で、今はどうかというととにかくアメリカで話題になった商売をすぐさま日本に持ってきて、花火を上げて新しい子会社をガンガン作り、その株を保有してその子会社の株価上昇で総資産評価を増やすって戦略は見事と言えば見事なものであります。
でも、ちょっとまて???
ソフトバンクが作った色んな会社を見てみると、ホントうまくいってるんですかねー??
例えば、落第の烙印を押されたのが、今後のPCの普及を見るとメモリーを押さえりゃ良い金になると踏んで買収したキングストン社、結局大赤字の末に売却しちゃいましたね。
あ、それからソフトバンクフォーラムがやってるCOMDEX−Japanはじり貧ですはな。
そう言えば、昨年話題になった東電との無線と光ファイバーを利用した高速インターネット接続の話って最近聞きませんよね???(ちなみに、このプラン、昨年あたりに聞いた話だとテストを実際に行っている連中も手に負えなくなって来たらしい.....)今じゃ、ADSLあたりが現実的なコンシューマ向けの高速ネット接続の現実的な解になって、おかげで東京めたりっく通信とかのほうが名を挙げていたりして.....
ほかにも、ネットでの車の販売とか、人材派遣とか、色んなところに手を出してはいるんだけど、実は優等生なのは、孫さんが言い出したビジネスじゃなくて、他の人がやってる事に手を出したもののほうが多かったりして....
(事実、ソフトバンク社の総資産を構成する保有有価証券の優等生はパソナソフトバンクとかトレンドマイクロ、Yahoo-Japanなんかだそうでして、それ以外はその他大勢なのだそうです)
まあ、好意的に見ても失敗してる事のほうが多いんじゃないでしょうか??
そう言えば、日債銀の話ってどうなったんでしょ???
(以下、2月15日加筆)
と思ってたら、2月15日にソフトバンク連合軍に日債銀の譲渡がほぼ決まったとの報道が出ました。
いやー、凄いですね、ついに銀行買っちゃった(正確には安く譲って貰ったってのが正解か??)わけだ。
まあ、経営関係は殆ど専門の連中にやらせるんでしょーけど。
どーなることやら、ちょっと見物です。
これまでみたいに、失敗した事業は表立たせずに撤退するってワザは、今回は使えないでしょーからねー。
でも、お相手が天下の東京海上保険とオリックスですから、ヘタ打つ可能性も低いかも....
(以上、2月15日加筆)
うーん、言ったもん勝ちなんでしょうかね???
ただ、これからは、先の株価一億円話じゃないけど、中身がついてこないと駄目でしょうね???
つまり、'これこれ、やるよー!!!'ってので金集めたものが、ホントにその投資が効果を上げたのか、上げているのかをシビアに見られる時期に来てるんじゃーないですかね???
まあ、今のネット関連株価ってのは、日本もアメリカもはっきり言ってバブルでしょう。
アメリカでも、そろそろ調整局面に入ってきていますよね??
赤字でも強気の株価を維持しているAmazon.com社もついに人員削減に踏み切ったそうですし。
ちなみに、NewsWeek日本語版の1月26日号で、コラムニストのロバート・サミュエルソン氏が非常に興味深いコラムを書いています。
著作権とか、その辺の問題もあるのでそのまま引用する訳にはいきませんが、タイトルは'ネットはそんなに画期的なのか'です。
今のネット関連への注目のされ方は、実はかなりの虚飾と過大評価の上に成り立っていて、実は未だ確固たるもので無いことを非常に的確に述べています。
特に、今のインターネットビジネスが'資本主義の善意で成り立っている'というくだりは、まさに本質を突いています。
機会があれば、是非読んで見る事をお勧めします。
さて、次回もそんな'ネット社会の憂鬱'を取り上げて見たいと思います。
では、次回をお楽しみに(^^)/。