怪しげな箱と社長が去る日(2000.03.13〜2000.03.14加筆訂正)

 いやはや、ここのところミンクフォロウの世捨て人状態が数日続いて、世の中がどうなっているかも気にしてられない状態が続いていたところ、何とMSさん、ホームエンターティメント市場に進出する事を決めたそうですね??
いやー、その話の日本発表に合わせてかどうかは知りませぬが、MSの成毛社長、社長退陣を決めたとか....
うーん、数日世捨て人状態になっていただけで、世界は動いておるのですね。
そこで、そんなこんなのお話をして見ませうと思います。
では(^^)/。


 でも、MSさんのホームエンターティメント進出の武器たるX-BOXですか、これすんごい形してますね??
まあ、何せ発売は一年半後という殆どペーパーマシン状態ですから、単なるモックアップでしょうが、ちとセンスが無さ過ぎますわな。
色んな人が、このマシンの事クソミソに言っておられますが、でも意外とアメリカ人受けはするかもしんない??と思わせるのも,また凄いところ(アメリカ人は丈夫に見えるものが好きなんだそーです)。
さて、肝心の中身は結局Wintel連合軍の絆とやらで、Pentium-IIIベース(別にAMDでも大差なかったんじゃーない??)に決まったそうですけど、ほかのスペックなんか見てみると、殆ど普通のPCと変わらないんですね??
うーん、もっと考えようがあるかと思うのだけど、MSさんではどーしてもPCベースで物を考える事しか出来ないんでしょうね??
どちらにしろ、PCの事しか知らない会社ですから、PCベースでパーツ寄せ集めてゲームマシンに仕立てるくらいしか手が無いんでしょう。
一応、MSさんが自分で生産(といってもファブレスでしょうが....)するそうですが、ホントに一年半後に市場に存在しているかどうか、ちょっと見物でもあります。
多分、MSさんの事ですから,先日のプレステ2に触発されたことは,殆ど間違いないと思います。
(そう言えば、プレステ2発売直前のNews Weekの特集は意外とおもしろかった....)
まあ、元々PCゲームソフトも作っている(しかも一応売り上げの何割かは,あの今となっては悪名高きフライトシュミレーションが叩き出しているんですし)会社ですから,ゲーム関連に手を出してもおかしくは無いんですけどね。


 今、PCの市場は大きな曲がり角に来ているというのを、実はPCを製造/販売している米国の大メーカさんは十分に認識しているのです。
それをしてあのPC/PC-Serverで大きくなった某D社にしてもPC以降の製品を模索しているのは有名な話ですし、I社もC社もみーんなそうです。
一般にデジタル家電/情報家電というジャンルは多分近い内にきちんと確立されたジャンルになるのは間違いは無いでしょう。
そんなホームユース分野/コンシューマ分野でのデジタル家電/情報家電の有力な導入口になると見られているのがゲームマシンな訳ですが、とは言えMSさんの飾りを変えただけのPCじゃー、役不足かな???って気もします。
ちなみにOSWindows2000をベースにするそうですが、誰かのセリフではありませぬがゲーム終わり間近にブルーバックとならない事を祈るばかりです。
こういうまさにコンシューマ系の製品って奴は、基本的に電気釜といっしょで電気的/メカ的トラブルで落ちることは許されても、ソフトというかOSの動作状態に左右されて落ちるなんてのは絶対有っちゃいけないのです。
PCが家電製品として真に認知されないのは、まさにこの点なんですよね。
(と言いながら、プレステ2でもDVDが再生出来ないってトラブルがありましたが...何かこれってDVD起動用のソフトの入っているメモリーカードにゲームの中間情報を書き込んだら、DVD起動用のソフトを浸食しちゃったっていう問題みたいですけど....)
その辺のところが、家電業界とPC業界の製品仕様の差なんですけど....


 ちなみに最初に書いたようにMSさんがゲームマシンを出す気になったのは、プレステ2のせいだというのは明白です。
多分、ゲイツ君は当初の予定では例の'ゲーム開発者会議'での発表は、Direct-Xのニューバージョンやら何やら程度だったと思うのですけど、2月の日本でのプレステ2争奪合戦を見て、方向転換したってのが、ホントのところでしょう。
(以下、2000.03.14加筆)
とか思っていたら、'ライバルはプレステ2'ってゲイツ君、はっきり言い切っちゃいまいたね。
でも、あの発表されたスペックって、ひどいもんですね。
早い話がプレステ2が今持っていない機能をあげつらってるだけじゃないですか。
(パフォーマンス関連も、1年半後にそうなるだけでしょ??この間のデモは、かなり見えないところでどでかいエンジン回してたんでしょうし....)
そりゃ、後出しジャンケンだから、何でもありとは言え、相変わらずエゲツないなー。
この間のNovelNDS潰しやLINUX潰しと同じやりかた(いわゆるFUDですな)。
でも、信じる人もいるんだろーな。
だけど、未だスペックだけで、何にも形はないんだよなー。
この辺、プレステ2とのマーケティング戦略の違いを感じますな。
プレステ2は、将来的なビジョンを示すマーケティングだけど、MSのやり方は既にそんな製品(ホントは存在しないのに)があるように思わせるってマーケティングですね???
(以上、2000.03.14加筆)
何せ、過去のブラウザ戦争の発端も,それがいけると判ったらその市場に進出するという,製品/商品企画主導ではなくてマーケティング主導の市場戦略を取ってきた訳ですから、それはMSサンの体質なのでしょう。
多分、ゲームマシンの研究はある程度は(でも多分細々と...)行われていたでしょうけど、さすがにすぐに表に出せるものは無いから、一年半のタイムスパンを取ったのでしょうが、ちょっとMSさんにしては手の進め方が遅い気もしますね。
何せ、今年の9月にはプレステ2も米国で販売が始まりますし、米国では'ゲームと言えばニンテンドー'と言われる任天堂のドルフィンの発売もあるんですから、その後発で勝負するのはかなりキツイんじゃーないでしょうか??
ただ、米国の場合、日本のようなゲーム専用機だけでなくてPC用ゲームの市場もかなり大きいのも事実です。
そんなPCゲームベンダーがMSに付くとソフト供給面では何とか勝負になるかも知れませんね....
(実際、PCベースのゲームをX-BOXの環境に合わせるのはそんな大変じゃーないでしょう。何せWindowsDirect-Xの世界ですから...)
加えて、米国の国粋主義的な面(例のプレステのエミュレーションソフトなんか、プレステが米国製品だったら、絶対に差し止め請求が通った筈)が後押しする事も無きにしもあらず.....
(でも、政府や議会とMS,仲悪いからなー^^)
でも、そんな中、一番かわいそうなのはセガですよ。
せっかく、MSのあのトロくさいWindows-CEをドリキャスに採用してあげたのに、今回のX-BOXでモロに裏切られちゃいましたねー。
多分、米国のPCゲームベンダーがX-BOX向けのソフトを作っても、それをセガのドリキャス(すんません、サターンなんて書いちゃってました〜2000.03.14訂正^^)でも動くようにしてくれるとは、とても思えないもの。
事実、セガに対してMSもかなりの事を言ったという噂もありますが(この話は裏が取れていないので、このくらいにします),いずれにしろ欧州ではそこそこの市場を持っているセガですけど、米国と日本ではじり貧になるのは目に見えていますな。
まあ、そんなこんなですけど、プレステ2陣営も社長さん、'SONYなんざ知らない'なんてこれ以上言わないほうが良い状況になりつつあるのかも知れませんな。


 さて、そんなX-BOXの発表と同時に、あの悪名高き成毛社長がMS日本法人の社長の座を降りる事となったそうです。
まあ、話によれば、この人の'社長降りる!!!'発言ってのは'狼が来たぞー!!'と同じで、今までも何度もあったそうだけど、今回ばかりはホントのようです。
一応、MS日本法人の人事変更は4月だそうで(おいおい、外資だから1月でないの???),その時にならないとホントに降りるかどうか怪しいとの話もありそうですが、今回それは無いみたい。
周りの話から聞こえるところでは、やっぱWindows2000の売れ行きが芳しくない事が影響してるとかしてないとか...
ただ、詰め腹を切らされる前に逃げたらしいというのが成毛社長らしいと言えばらしい。
でも、昨年ライバルをイジメ倒して辞めさせたりと,長期政権を画策していた筈なのに、よっぽど今回は逃げが効かないと判断したのでしょうか???
それでも、しばらくは相談役として残るそうだから、何か外資系らしくない顛末ですね。
一応、新事業を立ち上げるそうですが、一体何やる気だろうね???
これまで、米国の言いなりで会社を運営してきただけの社長ですから、今度こそ世間の荒波に揉まれる事になるのは間違いないでしょう。
(以下、2000.03.14加筆)
新聞の記事によると、何と成毛先生、コンサル事業をやるなんて書いてありました。
うーん、何コンサルするんだろね??
元MSの看板を使うつもりかな???でも成毛先生、MS離れたら'只の人'ってのがこの世界での人物評なんだけどな...
あ、謀略機略には長けてるか(^^)。
(以上、2000.03.14加筆)
ちなみに次期社長は、あの一太郎追い落としの陣頭指揮を取った方だそうですから、うーん今度はプレステ2追い落としを画策するのでしょうか??
どうでも良いけど、ペーパーマシンやペーパーウェア、それにFUDばかりで、他を追い落として質の悪い製品を質の良い製品に見せかける体質は何とかならんのかな????
ちなみに、先日Biz-IT Mailで配信された'「闘うプログラマー」の情熱はいま何処に'でも読んで欲しいものであります。

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