線は太いか??(98.05.17)

 先週末は、MicroSoft社と米国司法省の戦いもピークに達して、各ニュースサイトはほんと、色んな論調を報じておりましたね。
まあ、結局Windows98は発売されるのだろうけど、米国司法省が自分のメンツを潰さず、且つMicroSoft社をコントロール出来る落とし所に持っていけるかが、ポイントでしょう。
過去のIBMAT&Tと米国政府の戦いのようになるのかどうか、ちょっと見物でもあります。
まあ、この辺の話はTONOSAKIさんが'頑張れゲイツ君'で書くでしょうから、当方はこれ以上のコメントはやめときます。
で今回のお話は、インターネットを始めとした通信回線について、特にここのところ米国で話題のADSLを中心とした高速データ通信のお話と、で日本はどーなんだ??っていう話をしませう。
 筆者も、インターネットに接続する時には、33.6K56KFlexモデム、それかPHSPIASでの32K接続なんかを利用しているのだけど(ISDNは自宅の構造上、導入を見送っている)、確かに昔パソコン通信を行ったり、仕事の関係で外部から会社のミニコンに接続するのに300bpsとか1200bpsのモデムで接続してころに比べれば、格段の速度の違いである。
でも、昔はキャラクターベースの通信やプログラムのバイナリコードのダウンロード(プログラムもそんなにでかくなかったし)で、1200bpsあたりでもさほど不自由はなかったし、9600bpsあたりだと大喜びしたもんだ、'これで早く帰れる(^^)!!!'なんて。
でも、今はWEBにアクセスすると、そのデータ量は内容のいかんに問わず、かなり大きいから、さすがに9600bpsなんてモデムじゃ太刀打ち出来ないね、キャラクターベースのブラウザでも使わないと。
(と言いつつ、筆者のページもこの'The Age of Digital'以外はかなり重い....)
 でこうなると、当然回線速度が早い環境がありがたいのだけど、今のところ一般家庭じゃ、ISDNを使用するか56Kモデムを使用するくらいしか手は無いわけだ。
(専用線引いてる人なんかは、それはもう仕事の為で趣味じゃないもんね)
そういえば、先日パーフェクトPCの衛星通信によるサービスも始まり、他にはケーブルTVのケーブルモデムによる大容量データ通信のサービスも始まって、ようやくユーザにも選択の幅が出てきたのだけど、やはりコストやらサービスを受けれる地域やらを考えると、どうしても電話会社を利用した通信、つまりISDNやら56Kモデムでの通信に頼らざる負えないのが、現状ではなかろーか????
 さて、米国ではどうだろうかと言うとまあ、日本のようにNTTとその他大勢という業界状況ではなく、地域ごとの電話会社があってそれぞれ独自のデータ通信サービスを展開している。
そのサービスの内でも、ADSLに代表されるxDSLはここのところ非常に注目されているサービスだ。
元々、ADSLに代表されるxDSLというのは、簡単に言えば一般の電話回線に使用されている銅線で高速のデジタル通信を可能とする技術だ。
このxDSLの技術は1990年代初頭にVOD(Video On Demand)のインフラとして電話回線を利用して行う事を年頭に出てきた技術だ。
ただ残念ながら登場当初は、VOD向けはケーブルTVのケーブルモデムのほうが上に見られて(確かに、元々画像流すの専門だものな??)、ちょっと隅に追いやられたいた。
 xDSLてーのは、技術的に言えば通常の音声アナログ通信が0〜4kHzまでの帯域しか利用していない事を利用し、これより高い周波数帯域を使用してデジタルデータ通信を行う点であり、これにより一つの回線で音声と高速データ通信の両方を利用出来る。
 xDSLは、通信速度や手法により幾つかのものが存在し、これらがまとめてxDSLと総称されているのだけど、この中で今注目を集めているのが、ADSLでありVDSLだ。
xDSLはその出現以来、何度かの浮き沈みがあった。
特に、米国では90年代の情報ハイウェイ構想に基づく'Fiber To Home'がゴア副大統領に提言されたことで、一時期下火になった事もあったのだが、その後光ファイバーの敷設等のインフラコストに対して、既存の電話回線を使用した高速データ通信を提供出来る事から、特にADSLに着目したサービスを始める地域電話会社が増えてきているし、VDSLVODサービスを始める地域電話会社まで現れたわけで、さすがに米国らしい。
 ただ、現状ではxDSL自身は標準化された規格では無いから、通信を行う場合にはその接続間は同一のモデムを使用しなければならなかったり、接続距離の問題(実は、は、基地局と一般家庭の間は最大でも6km程度〜手法により変わる)、ISDNとのクロストーク等、問題が無い訳でじゃーない。
又、使用される銅線の品質(経年変化状況)によっても使用出来ない事も指摘されているし(例えば日本の場合も昭和40年代以前あたりに敷設された線は殆ど駄目だとか..でも、これってISDNでも指摘されてなかったっけ???)、現状のADSLモデムを設置する場合には導入先には'スプリッタ'とモデムの二つの機器を設置が必要なため宅内工事が必要な点もエンドユーザに導入コストの負担を強いるという事も指摘されてる。
('スプリッタ'とは、音声電話サービスとADSLサービスを分離するフィルタの事)
 ただ、先の米国のように基地局や回線自体にコストがあまりかからずに高速データ通信サービスが提供出来る点は、そりゃ電話会社にはおいしい話だわな。
しかも最近、ADSLは伝送速度を落としながら、より使いやすくコストダウンを図ったしたADSL Liteというものが登場しており、このADSL Liteは標準化のITU-Tで標準化作業も始まった。
(ADSL Liteでは回線速度を下り1〜1.5MBpsに落としながら、スプリッタ機能をDSPで行いモデムに内蔵する等のコスト削減が行われている)
 で、日本ではどうかというと、これがNTT郵政省は乗り気じゃないときた。
NTT及び郵政省に言わせると、西暦2005年からの光ファイバーによる高速データ通信サービスの提供を予定している事や、90年代に急速に普及させたISDNに関する設備投資の回収が済んでないてーのが、言い分のよーだ。
つー事は2005年迄はISDN56Kモデム我慢しろってか???
冗談じゃねい!!!!!

でも、xDSL関係のチップやソフト、モデムは米国主導で開発が進んでいるから、米国からの圧力が出ても不思議じゃないし、ADSL LiteITU-Tの標準化も始まったから...こうゆう話なら、ほんと米国からの外圧もたまには許せる
別にxDSLで無くても良いのだけど、新しいものに取り組む気概が表に出て欲しいよね??

To Digital