ども、二ヶ月ぶりの'The Age Of Digital'でございます。
ここのところ、色んな事が業界では起こっております。
ITバブルとやらもはじけまくりまして、いつの間にやら大手でもリストラルチャ(つーより、首切りでんな??)の嵐が巻き起こっております。
そんなこんなのご時世、いったいどうなるのやら....と思っていたら、なんとHPとCOMPAQさんが何と合併しちゃうなんてニュースも飛び込んで来ました。
この大合併、うまくいくのか??そんな時代を、細々と生きる業界人の独り言を.....
グローバル??
そう言えば、牛の模様でお馴染みのGATEWAYさん、ついにアジア市場から撤退しちゃいました。
撤退の仕方も見事なものと申しましょうか、8月末にあっと言う間に居なくなっちゃった訳です。
一応ユーザサポートは別会社に委託したそうですけど、ユーザさんもかわいそうなもんです。
まあ、それでも日本であれだけ鳴り物入りで進出してから、わずか6〜7年程度(かな??もうちょいあった??)で幕引きというわけですけど、結局日本でのシェアも1%程度しか取れなかったんすから、まあしょうが無いのかな??とも思いますが....
それでも、2〜3年前はかなり金も注ぎ込んでいたんですがね???
まあ、結局コンシューマ向けを中心にした方策だった訳ですが、やっぱコンシューマ向けというと日本メーカのほうが遙かにユーザに信用されていたって事もあるでしょうし、DELLさんやCOMPAQさんみたいにビジネスユース向けでは全然駄目だったってのが響いたんでしょう。
そういえば、一応GATEWAYさん、サーバ機も持ってたんすけど、それをわざわざ、日本の代理店にのみ扱わせて、GATEWAY日本法人本体は日本ではコンシューマ/SOHOに特化しようという戦略だったんすけど、完全に裏目ったって事ですな。
まあ、元々、PCの所謂箱売りから始まって、最近ではそれでは儲けが殆ど出ないってんで、米国では所謂サービスビジネスで何とか儲けを出していたわけです。
サービスっつたって、ネット接続やらソフトウェアの導入サービス、それと教育なんつーところで、ターゲットはSOHO/コンシューマだったわけですけど、同じ事を日本でもやろうとしたら全然パッとしないと。
そりゃパッとしないでしょう、前提としてGATEWAYのHWが売れて、そこに付加価値としてサービスをつけて、そいつで儲けを出さなきゃならないのに、儲けゼロで売っていたHWが全然、シェアを取れないんすからね。
コンシューマ向けだと、日本メーカとIBM以外だと、ようやくDELLが少しだけって感じで、COMPAQも6年前にダイエーさんと組んでコンシューマに乗り出したら、物の見事に失敗しちゃって、その後は正直細々でしたもんね???
さて、日本から撤退したGATEWAYさん、撤退に当たっての一言がふるってました。
曰く、'別にグローバル市場を相手にする必要は無い'とか何とか....
まあ、今風の考えからすると異論も出そうですけど、ある意味正解なのかもしれません。
結局アジアの市場で、米国で成功した手法をそのまま運用する事の難しさを痛感したんでしょうな....
ちなみに、IBMの日本法人であります日本IBMが今のようになるには、随分長い時間がかかったわけで、逆にいうと今のようなスピードの時代に日本やアジアに進出したわけではないので、基盤作りの時間のかけ方が全然違ったんですから。
まあ、今のところ大丈夫なのはDELLさんくらいでしょうけど、DELLだって、どうなるかわかんないじゃないっすか???
DELLさんの場合も日本でユーザサポートの体制が整ったのは、ここ二年ぐらいの間で、その前はひどいものでしたから....
ただ、GATEWAYさんも日本に腰を据えようと賢明にここ数年で体制を整えて、それでも結局二年程度でギブアップしたんですけど。
グローバル、グローバルったって、結局ローカルな商慣習やその国の人間の気質ってのは、それぞれ違うんだから、そこのところを考えてやらないと駄目だって事でしょうね??
アメリカで成功している日本の製造業関連も、それなりにアメリカに合わせる事に苦労して、今の地位を確立したわけで、自国でうまくいったやり方がどこでも通用するなんてー事は無いんですよ、結局。
ちなみに、DELLさんも米国で成功しているコンサルティングをベースとしたビジネス構築サービスみたいな事を今年から始めています。
さーて、どの程度うまくいきます事やらね....
先日、ソフトバンクさん、社債の公募を始めました。
売り出しにあたっての元締めは野村証券さんだそうです。
これ聞いて、最初に思ったのは、ついにバンクさんも金が無くなってきたんかな???って事です。
ここんとこ、バンクさん、YahooBBによるADSLサービスや東京めたりっく、大阪めたりっく、そんでもって名古屋めたりっくを買収、着々とADSLサービスの体制を整えているようにも見えるんですけど、実は米国のネット会社関連の株をかなり売り飛ばしているんですね??
日本国内でも、うまくいっていない事業の縮小や撤退も続いています。
(まあ、ベンチャーが全てうまくいくなんて事は無いわけで、それはそれで事実ではあるのですけど)
まあ、良く言えば一番儲かりそうなところに資金と人材を注ぎ込むためのリストラクチャリングとも言えなくもありません。
でも、ここんとこの株価の下がり方(バンクさんの株価、いったい何分の一になったんだろ??)は、所謂時価総額経営に大ダメージを与えているんすね??
何せ、バンクさんが持っている優良会社と言われたYahoo-JapanやTrendMicroなんかも、かなり下がってますんで、とにかくこれまでの潤沢な資金がどんどん目減りしているんですな、これが。
例のベンチャー企業投資用の貯金箱にしようとした某銀行も、どうも投資銀行的な部分にかなりブレーキがかかって、当初の思惑のような貯金箱にはなっていないようですから。
そこに持ってきて、ドーンとYahooBBを打ち上げたわけですけど、これ単純に考えても初期投資の額ってのはそんな安いもんじゃないです。
実際、米国のADSLサービスベンダーは、競争による値下げ合戦で疲弊して撤退する企業が後を絶たないわけですけど、その背景にはネットワーク構築の初期投資が重くのしかかって、なかなかペイ出来なかったってのもあるわけで、なんかYahooBBの場合も同じ道をたどる可能性も無きにしもあらずなんてのは、心配しすぎ??
先日、実際に接続が出来たユーザ数は四万で当初目標を大きく下回っていますが、まあ、こちらはNTTさんの仕事のやり方の見込み違いがあったなんて言ってますけど、そんなこと、この業界に居れば判りそうなもんだと思うんだけど。
それでも、既に予約申し込みは百万と申しておりますんで、まあサバ読んだとしても60〜70万の申し込みはあるでしょうから、それがホントに年内に繋がれば少しはYahooBBの事も信じても良いのかもしれませんが。
ただ、それでも結局四万程度の接続数だと、本来予定していたバックボーンの高負荷テストもおぼつかないと言いますんで、有料サービスを延期せざる負えなかったとか、なんか、凄いドンブリ勘定で大丈夫なんかね???とも余計な心配しちゃいますね、これだと。
ちなみに、めたりっく各社の買収は、まあ子会社として違う分野でのADSLサービスをさせるなんていう、よく判らない棲み分け論が語られていますけど、そうじゃなくて、設備面の初期投資を先行投資を行っているめたりっく各社のものでカバーさせるとかも考えてるんでしょーね???
(運営のノウハウというのもあるんでしょうし)
で、最初の話に戻すと、とにかく今のバンクさんは資金も人材もYahooBB及びその関連ビジネスにバカスカ投入しているわけです。
ただ、やっぱ先立つものはお金でして、しかもYahooBBは未だ有料サービスも始めてないし、元々接続料だけだと赤が増えるだけって体質ですから、周りのコンテンツサービスやらなんやらも同時に軌道にのらないとどうしようも無いわけで、それまではとにかくお金は出ていくだけなんですな。
そんな時期の社債の公募ですから、こりゃかなりバンクさんもきつくなって来たんじゃないの???とも思わざる負えなかったりして...
(まあ、孫さんが賢明な経営者であるなら、この時期に新たな資金の手当が必要だって、年初には考えていたかどうかは筆者の知るところではありませんけどね???)
とりあえず金の成る木は殆ど食い尽くしつつあるようなんで、これから年末にかけて、そんで来年の決算でバンクさんがどうなるか??ってのは凄く注目すべき事かも知れませんね???
んでもって、YahooBBさん、またせこい仕掛けをかけました。
既報のとうり、約款のページを差し替えて、いったん契約して一年間の間に解約したら、解約日以降の一年の残り分も金を払えだと!!!
さすがに、この約款、悪評紛々でYahooBB曰く、これは正式な物では無いと差し替えちゃいましたけど、こりゃどう見ても嘘でしょ??
ホントのところは先の約款を出して世間の反応を見ていたか、もし大した抗議が無ければ、このまんまにしたんじゃないの??
そうじゃなければ、そんな事もチェックしていない、ヒジョーにいい加減な会社だって事になりますな、こりゃ。
まあ、今のところ、ほぼ予定どうりの速度が出ているので、解約をするであろう見込み人数は少ないでしょうけど、それでもこれはあまりに悪質な通販やキャッチセールスと同じやり方ですよ。
そこまで金が無くなって来たんかな....
大きいことは良いことか??
さてさて、HPさんとCOMPAQさんの大合併、こいつはかなり大きなニュースとなりました。
ただ、所謂市場関係、マスコミの論調はかなり後ろ向きです。
まあ、HPさんがCOMPAQさんを合併するわけですけど、何と合併発表の翌日には株価が大幅にダウン。
確かに、規模的にはIBMに次ぐ世界第二位の規模にはなるわけですけど、重複する事業分野も多いわけで、かなりの人員削減が行われるでしょうし、足し算が'1+1'が必ず'2'になるかどうかも怪しいもんです。
一応、事業分野的には四分野にわけ、'Imaging & Printingフランチャイズ事業'、'Access
Devices事業'、'サービス事業'を旧HP系が、'IT Infrastructure事業'をCOMPAQ系の親玉が率いること、会長はHP、社長はCOMPAQってとこで落ち着くようです。
まあ、順当な分け方にも見えますけど、実はちとミソがありまして、COMPAQが以前DECを買収したのはHWでの事業収入をカバーするためにサービス分野を強化したかったすよね??
当時、DECのサービス部隊は強力な部隊でしたし(世界規模で評価も無茶苦茶高かったんです)、コンサルティング分野や今で言うSI系の人材も豊富でした。
現在でもCOMPAQの収益の80%近くはサービス分野で稼いでいるそうで、その分野ではHPはかなり出遅れているんです。
(と言っても、COMPAQがDECを買収した当時、DECの優秀な人材はかなり逃げ出したというオチもありましたが)
サービス分野では、HPよりもCOMPAQさんの人材がかなり登用されるかもしれませんね??
COMPAQさん、PCやサーバの分野もコンシューマからビジネスユースに軸足を完全に移していましたが、それもそんなサービス分野でいかに稼ぐかを考えたんでしょう。
ところが残念ながらHPさんの場合、UNIX系は別としてIA系のPC、サーバのほうは惨憺たる状況で、ビジネスユースや科学技術分野では半ばプレイヤーとして認められていなかったですし、その反動か??コンシューマに色目を使うという中途半端な状況でした。
今、はっきり言ってHWは殆ど利幅がないんで、箱売りの売り切りでは金にならないのは先のGATEWAYで書いたとうりで、あの直販で伸びたDELLさんでさえHWではこれからはきついと考え、今後の収益の中心はHWにサービスやらコンサルやらをつけて稼ごうという時代です。
この分野ではあのIBMがやっぱり巨人でありまして、日本の大手PCベンダーも同じ道をたどろうとしている訳で、世界的な脱PC、脱HWの流れは今後も止まらないでしょう。
だけど、今回の合併劇には周りは良い反応を示していないんです。
まあ、この合併も所謂政府機関の認可が出るかどうかも判りませんし、株主の反応もどうなるか。
なんか、噂ではありますけど、HPさん、既に6000人規模の人員削減を発表したけど、これに株主が良い反応を示さなかったんで最後の切り札にCOMPAQ買収を使ったとの話もまことしやかにささやかれています。
実際、先の6000人規模の削減も株主対策として発表したは良いけど、実は世界規模で年間6000人程度の人の入れ替えはされてるらしいんで、'それじゃ何にもならんじゃん'と株主のみなさんが反応したとか何とか...
いずれにしても、かなり急な話だったみたいですし規模が規模ですから、これから内部調整的にも時間はかかるでしょうし、その点から考えてもうまく転がるかどうか...時間をかけるわけにも行きませんけど、うまくかみ合うのにどんだけ時間が必要か、この辺を考えるとかなりハードルが高そうです...
そんなところを鑑みると、市場関係やマスコミ、それに業界関係者が今回の合併を高く評価しない理由なのかも知れません。
やはり、'大きな事はホントに良いことか??'、なかなか色好い評価には繋がりにくい時代でもあるんですな....
さてさて、そんな与太話を書いていたら、凄まじい事件が飛び込んで来ました。
あの米国の世界貿易センタービル、それにペンタゴンにハイジャックされた民間機が突っ込むというテロ事件です。
まあ、こりゃ米国の論調ではありませんが'テロ'って言うより、ホント戦争って言っても不思議じゃありません。
たまたま見ていたニュースで二機目の旅客機が貿易センタービルに突っ込む瞬間をリアルタイムで見たんですが、あまり誉められた表現じゃありませんけど、ホント映画より凄まじい画でした。
この事件で翌日の米国の経済活動は殆ど停止、国民生活もかなりの打撃を受けているようです。
こんな米国の状況で、世界中の経済活動が大きな影響を受けていますし、日本の株式市場もあっさり一万円を切ってしまいました。
このままだと、今年の年末に世界の経済活動がどうなっているか、かなり深刻な状況です。
筆者は米国という国の全てを認めているわけじゃありませんし、米国の強引なやり方には不快感を覚える事も無いわけではありません。
でも、こんな一般市民を巻き込むテロ行為なんてのは許されるものではありません。
亡くなった方々、そしてその家族、そして米国国民の方々、哀悼の意をここに記させて頂きます。