ども、'The Age Of Digital'でございます。
さてさて、このサイトの今年最後の更新は、'The Age Of Digital'で行こうと思います。
で、ネタは??って言うと、やっぱしソフトバンクさん話かなっと。
他にネタはないんかー??と言われそうですけど、やっぱ孫さんとバンクさん、相変わらずネタになりそうな事、してくれてますんで。
そんじゃ2002年最後の'The Age Of Digital'、スタートです。
総会屋状態??
先日のNTTさんの接続規約の改定騒ぎで、所謂12Mサービスのうち、NTTとeAccess以外の12Mサービスが第二グループに入って料金が上がるんじゃないか??って話が出ました。
結局、ACCAさんのAnnex C.xやYahooBBさんのAnnex Aexはとりあえず第一グループ扱いになったらしいなんて話がありましたけど、その後NTTやNTTと利害の相半するYahoo
BBの騒ぎ、それにTTCでのeAccessとYahooBBのつばぜり合いなんかを見て、総務省さんが'おめーらには任せちゃおけねい!!'と接続協定関連の策定に乗り出して来ました。
とは言え、巷ではなんだかんだ言ってNTTを潰すわけには行かない総務省筋がNTTに有利な協定にするんではないか??との噂があちこちで囁かれています。
元々、YahooBBのやり方は周りから、かなり批判を受けていましたから、この際、政府筋にお灸を等と思う企業も多いですからね...
さて、そんなこんなの中、YahooBBとeAccessのつばぜり合いのせいで事実上ストップしていたTTCの協議がようやく、先日再開されました。
ところがそこで孫さんが打った手ってのが、まあ端で見ている分には面白いやり方。
何と、バンクのグループ企業を多数TTCの会員にしちゃったのです。
まあ、ここのところの不況でグループ会社も減っているとは言え、何せ粗製濫造で子会社を増やしてきたバンクさん、やろうと思えばいくらでも動員をかけれるってところでしょうか??
殆ど'気分は総会屋'。
先日のTTCの協議でも、eAccessやNTT系の意見の時にはヤジと怒号が、孫さんの発言の際には賞賛の拍手が大量に増えたバンク系会員から送られたそうです。
うーん、TTCってのは技術の精錬と相半する技術の調整を目的とした機関の筈なのですけど、完全にどっかの会社の株主総会状態になってしまったんすねー!!
ISDNは悪者か??
孫さんにしてみれば自分たちが市場に持ち込んだAnnex A方式はITUやらでも認められた国際規格なのだから、それを日本の事情で使えないような論議をするのはおかしいというのが主張の論旨です。
確かにAnnex A方式は国際規格の一つですけど、日本の場合ISDNの干渉問題があるからこそAnnex
LiteやAnnex Cなんて規格が生まれたのですけど、個人的にはISDNを悪者にするのもどうかな??って気がします(あ、筆者は別にNTTの回し者ではございません^^)。
意外と知られていないのですけど、ISDNって実は世界中で色んな国が採用しています。
基本的な仕様はみんないっしょです。
実は米国の場合でも56K専用線ってのがありまして、これって殆どISDNなのです。
極端な話、米国用の56K専用線接続機器でも日本のISDNで使う事出来るのです。
(筆者は実際、仕事の関係でそんなテストやドライバ開発のサポートもやっていました)
他の国の製品でも意外と使えるものが存在しまして、結局信号のやりとりの仕方に違いがあるので、その部分の遷移や手順が合わなくでも何とかなっちゃうんですよね??
xDSL系の技術は確か米国では'95年頃に出てきました。
これが日本に入ってくるには色々ありまして、当初は工場内の内線電話の回線を使用してLANで結べないところの大容量通信に利用されました。
その後、東京めたりっくんなんかのADSLベンダーが登場、そしてYahooBBの8Mサービス登場で一般市場でも火が点いたのです。
日本で一般に出せなかった一番の問題はISDNとの干渉問題で、そのため当初はADSL Liteなんてのが最初に出てきたのですけど、先のようにISDNの事は無視してYahooBBがAnnex
A方式を市場に投入、低価格サービスで爆発的な普及を迎えたわけです。
今年だけでADSLは500万ユーザに達したそうですから、近来のサービスの普及速度から言えば、携帯電話の普及スピードをも超えるかも知れません。
さて、でISDNによる干渉問題はどうかというと、早い話がISDNが影響を受けるのではなくて、ADSL側が影響を受けるわけでして、色んなレポートを見ると確かに影響を受けている部分もあるようですけど、予想より少ないようです。
そんな状況ですけど、TTCやNTTは干渉の影響があるからISDNの干渉を受けない方式が必要だってスタンスですので、そりゃ逆の立場をとるYahooBBとしては、それを否定するしかありません。
でも、ISDNが悪者かというとそう言い切るのは暴言でしょうね??
少なくともxDSL普及以前はコンシューマも事業者もどちらも専用線よりローコストの回線利用っていうとISDNしか選択肢はありませんでしたし、それと実はベストエフォートサービスのADSLと比べると速度は固定で安定性も高いのはISDNの方なわけですから。
例えば、金融機関さんでセンターを二つに分けて危機管理対策をしている場合、専用線での接続以外にバックアップ回線としてISDNを引くってのは良くある話ですし、コンビニさんの回線接続も安定性と全国で普及していると言うことでISDNを使用しているわけです。
確かに、ISDNの開発と普及にNTTさん(旧電電公社さん)がかけてきたコストは莫大なものです。
所謂'赤字は一兆円'の世界です。
そう言えば、ISDNにしたいって時、銅線の状況を診断してレベル的にきつい場合は、新しい線に張り替え、しかも費用はNTT持ちなんて、今考えればかなり太っ腹の事もしてくれましたよね(今でもやっているのかな??)??
そんなISDNの立場を考えると、ISDNを悪者にするってのは無理な話で、そうなると後から出てきた技術(この場合ADSL)がそれ以前に普及している技術方式を'邪魔だ、どけい!!!'ってのは言うべきセリフじゃないと思うのですよ....
技術論と感情論
先にも書いたように先日のTTCは大混乱だったようです。
確かに孫さんとしては、自分たちが普及させているAnnex A系の技術が日本で使えなくなれば、まさに大損です。
ですから当然企業として自分たちの利益を守る方向に走るのは当然の事です。
まあ、百歩譲ってNTTが自分たちのISDNを延命させている事は、新技術の普及の歯止めになってしまうってのも判ります。
ですけど、ISDNのユーザも未だ多数存在するわけですし、ADSLで接続出来ない(ISDNから変更出来ない)ユーザも多数居るわけで、そのユーザを無視するのは、どうかな??って思うのです。
確かにNTTさんとしてはISDNは自分達が普及させた(と言っても、NTTさんの予想を遙かに下回る普及率でしたが...)技術ですんで、それを守ろうとしているだけだ、参入障壁だって言われるのも一論ですけど、エンドユーザを無視した論議、しかも殆ど技術論ではなく感情論で物事を進めようとしている今のTTCの状況って、ちょっと変ですよね??
少なくとも、Annex Cのような技術がISDNとの共存をさせているのも事実です。
最初にも書いたようにTTCは本来技術の精錬と相半する技術の調整を行う事が目的の筈です。
孫さんの言うように別に公的機関でも無ければ認証機関でもありません。
でも、そこに各々の企業が自社の都合での感情論を持ち込んだTTCのxDSLを協議する委員会って、正直興ざめしませんか??みなさん??
少なくとも、筆者にはそんな騒ぎは消費者利益に繋がらないと思うのです。
どこかで、新しい技術が生まれたら、そんな内紛だらけのADSL技術も、せっかく500万ユーザも確保していながら、いつの間にかあだ花となってしまうかもしれませんね??
と言って、NTTさんのファイバーがその役目をすぐに果たせるとは思えませんが....
大風呂敷の行方は??
さてさて、そんな騒ぎの渦中にいる孫さん率いるバンクさん、10月にはついに千円を切った株価が、ここのところ持ち直してきています。
一応、先日の業績発表でここのところ月25万のユーザ獲得に成功しているとか、BBフォンに続き、ADSLを使用したセットトップボックスによる画像配信の発表等々、景気の良い話が出ているからでしょうか??
とは言え、バンクさんの状況もそれ程好転しているとは思えません。
何せ、先日損益分岐点200万回線だったのが、ついにアナリストの予想では300万回線というのが出てきていますが、これってホントに損益分岐点ってあるんでしょうかね??
それを救うのが所謂有償コンテンツ配信だったのですけど、そちらの方はセットトップボックスによる画像配信にシフトしちゃったみたいです。
まあ、YahooBBによるADSL設備というインフラ整備とユーザ獲得だけでは埒が開かないんで、もっと簡単にADSLを利用する環境をユーザに提供し、そのうえでコンテンツビジネスをって事でしょうが、こちらはどうでしょうかね??
(ネット接続ユーザからはコンテンツで金を取るのは難しいって事....)
結局日本でコンテンツビジネスが普及しないのはその複雑な著作権、再版権等々が壁になっているわけで映像関連は特にこいつがネックになっています。
一応、米国の大手映画会社等と提携が結ばれる予定と言っていますが、そちらもどうですかね???
今、米国では著作権関連でのレコード会社、映画会社の動きってかなり微妙ですし、米国では孫さん、最近あんまし信用されてないですしね???
BBフォンの方も、大手ISPが列をなしてIPフォンに参入を発表、試験サービスが開始されました。
と言ってたら、自分達の固定電話収入が減るであろうNTTまでがIPフォンへの参入を表明して来ました。
まあ、後出しじゃんけんが良いかどうかは別にして、ホントは先行者よりも二番手の方が有利は有利ですよね??
お金の方は何とか来年は大丈夫って話もありますが、それもあおぞら銀行の売却次第って話もあって、お金の方も予断を許さない状況にバンクさんも居るってのがホントのところのようです。
来年が、勝負の年でしょうかね??