話したいのか??送りたいのか??写したいのか??(2003.06.08)

 ども、'The Age Of Digital'でございます。
ちょっと前までは成長産業だった、携帯電話業界、ここのところ少し変です。
と言うよりも、あまりの急成長と普及スピードが、業界全体を圧迫していると言ったところでしょうか??
そんな携帯電話業界、ここのところお題としてませんでしたんで、久々に書いてみましょうかと思いまして、久々の携帯業界話でございます。
んでは(^^)/。


持っていない人、手を上げて/

 今や、老若男女を問わず、みーんなケータイを持っています。
数年前なら、電車の中でケータイで話している人を周りの人は迷惑気に眺めていました。
時には喧嘩もあったのですけど、最近はそんな目くじら立ててたようなおじさん、おばさんの方が電車の車内で大声で話しておりまして、ヘタすると年取った人の方がマナーが悪いとも言えましょう。
まあ、そんな車内を見回すとかなりの人がケータイでメールを打ったり、チェックしたり、Iモードのゲームをしていたりと、昔より車内は静かになったようですけど、何か変な光景とも言えますね??
(とは言え、ただでさえ暇な通勤電車、暇つぶしにはもってこいかもしれませんが、ケータイいじっているのって...)
色んな普及率の資料だとかを見ると、さすがに国民全員がケータイを持っている事にはなっていませんが(なんと国民の65%くらいがケータイのお世話になっているそうです)、それでもこの普及率はちょっと凄いものですよね??
ちなみに、知り合いの今年から中学に入る娘さんが入学祝いで欲しがったのは、とーぜんケータイ。
何と、この方単身赴任で家を離れているのですけど、仕事が忙しくて娘さんの入学式に出席出来ないと電話したら、何と娘さん、'今月は交通費もかかるから帰らなくてもいいけど、入学祝いはケータイね??'とのたまわったとか....娘さんの方が一枚上手でございます。
ちなみに、筆者、ケータイは持っておりません、と言ってもピッチの愛用者ではありますが....


成功が見えない第三世代....

 さてさて、そんな急加速での普及、当然、そんだけ廻ってしまえば、そろそろ成長は鈍化するのもあたり前なのです。
そこでケータイ業界が打った手と言えば、まずはJフォンさんの写メール、こいつはかなりアタリました。
最初は懐疑的だったドコモさん、そんでauさんもそれぞれ、カメラ付き携帯をドンドン、市場に投入しました。
一時期、新機種の普及が落ちた、業界もこれで一息つけたわけです。
ところが、逆の目が出たのもあります。
そう、所謂第三世代携帯って奴です。
鳴り物入りでサービスが開始された筈のドコモさんのFOMA、その普及スピードは目を覆いたくなるようなていたらく。
これって、結局、第三世代までに出した色んな繋ぎの筈のサービスがホンモノになっちゃったってのもあるわけですけど、逆に第三世代ケータイでなければならないサービスってのが、今ひとつ生まれていないって問題が一番大きいんですよね??
それと、実は以外と指摘されていないのが、通信速度が今となっては中途半端だって事もあります。
静止状態384Kbps、移動中で64Kbpsってのは、出てきた当時は注目されましたけど、ここのところのブロードバンドの普及で、移動体通信だからってこの程度ってのも、実はそれ程ありがたみが無いって感じも出てきたのも事実です。
ところが正確には2.5世代って言われているauさんのcdma2000、こちらはかなり順調です。
第一世代のアナログ機、そして第二世代携帯からの移行もうまく進んでいます。
元々、設備投資関連で優位だったのもあります。
でも当然、第三世代よりも通信速度なんかも落ちるのですけど、逆にその割り切りが正解だったのでしょう。
電話としての機能、メール端末としての機能、小画面でのWEBアクセス等々、そこまでだったらこれでも良いでしょ??っていうのが市場で受け入れられたのでしょう。
それに比べるとFOMAの場合、一気に高速通信の世界に入ろうとしたら、今となっては力不足という訳です。
(384Kbpsというのはちょっと前ならTV会議が無理なく出来るとされていた速度でしたけど、それもCIFの世界の話ですからね???)
こうなると、正直第三世代の投入って、ドコモさんとしては正解だったのか??かなり疑問なわけです。
世界市場を見ても、どうも第三世代はスキップされるような雰囲気も強いですしね??


カメラ付き携帯はどこまで行くのか??

 そんなケータイ業界ですが、一応ヒット商品になったのは画像メールが送れるカメラ付きケータイ。
先日もJフォンやドコモさんあたりから何とメガピクセルケータイなんてものも出てきました。
ちょっと前なら、普通のデジカメでもメガピクセル機と言えば、かなり立派なものでした。
筆者も五年前に使っていたデジカメが初めてのメガピクセル機でしたが、今ではそんな専用機が持っていたのがケータイの中に収まるようになった訳です。
先日のビジネスショウで物を見てきましたが、まああの小さい液晶では画像の精度は判らないってのがホントのところですけど(^^)、と言いながらデジカメでも画像確認用の液晶も同じようなものか(^^)。
最近の機種なんか、画がとりやすいようにフリップ部分で回転する機種なんかも出てます。
機種によってはメモリーカードを付ければ、動画の撮影まで出来る。
こーなると、もう電話なのか、カメラなのか、ビデオカメラなのか判らなくなります??
そんな機種が三万もしないで手に入るんですから、凄い時代であります。
でも、そんなメガピクセルケータイにも弱点があるのです。
そう、メガピクセル画像は画像メールが送れないのです(^^)。


実は圧迫されている業界...

 しかし、実はケータイ業界って、今かなり色んな問題が出てきています。
最近、余程の旧機種でないと、端末って安くありませんよね??
五年くらい前ならヘタすれば新機種でも無茶苦茶な安値で入手出来ました。
ところが最近は、そんな事はありません。
これって、ケータイ電話会社が端末を卸す時にかなり縛りをきつくしているからなのです。
最近のケータイ業界って、実際音声通話での使用率が落ちているらしいのです。
元々、使った分だけ払うケータイ業界、音声通話が減るのはかなりの痛手です。
今のケータイの使い方ってIモードが火をつけたメールなんかのデータ通信の方に比重が移っています。
何せ、一パケットで送れる文字数で用が済むなら、わざわざ音声通信で話す事も無いわけで、そうなると一番お金が取れる音声通話が落ちるのも当たり前です。
この辺、最近の定額制で普及したブロードバンドに押されている固定電話業界と良く似た構図です。
そんな状態ですんで、販売代理店に落とすインセンティブも落ちてきているそうで、その辺からもケータイ業界がジワリジワリと成長が鈍化しているのが良く判ると言うもんです。
今後、ケータイはこのまま成長するなら、PDAなんかも追い落として個人用情報端末の中心になるやも知れません。
だけども、再びキラーアプリケーションが登場しないと、端末としての成長にサービスが付いてこないなんて事になるかも知れないのです。


 さて今回は、久々にケータイ業界のお話をしてみました。
先日来、殆どユーザから見放された感も強いTUKAさんが、CMでケータイのあり方について提言しています。
曰く'話せて、メールが送れて、料金体系がシンプルな方が良い'と。
これって、負け犬の遠吠えに聞こえるかもしれませんけど、実はケータイ業界全体の悲しい叫びのようにも聞こえるのです。
つまり、これ以上、端末に余計な物を付けさせないでくれって....
メーカは端末が売れないと困りますんで、色んな機能を付けます。
でもケータイ業界は、逆に通信を沢山、特に音声通信を沢山して貰って、もうちょい稼ぎたいってのが本音なんじゃないでしょうかね??

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