ワールドカップが終わる前にアップ出来るか??などと言っておりましたが、何とかこぎつけました。
さて前回の続きを検証する事にしましょう。
前回は'アウトソーシングは世界を救うか??'というテーマで、色々書きましたが結論は出さなかったのでありますが、今回は筆者のそれなりの見解で締めくくろうと思う。
前回でも書いたように、自分達でやると金も時間もかかるから、専門のところにお願いしませうというのがアウトソーシングという奴な訳ですけど、これって'ぱそこん'や'くらいあんとさーばしすてむ'に限らず、今は色んな分野で行われている一つの手法な訳です。
例えば、企業の経理業務を代行する会社は中小企業で専門の経理マンをおかずに企業活動を十分に行えるようなサービスを行って成功を収めているし、人事やら財務や何やらと様々な企業活動に関わる業務を外部委託で成り立たせているわけだ。
他にも人が足りなきゃ人材派遣だってある。
こんな業務委託がコンピュータの世界で成り立つかというと、ちょっと前(5年くらいかね??)迄は成り立ちそうでなかなか成り立たなかった。
成り立つ部分ってのは、ハードウェアのメンテナンスとか夜間バックアップの代行とかに限られて、業務を補佐する部分ってのはなかなか手が出来なかったのが本当のところでしょう。
何故かと言うと、システムを発注するものと受注するものの間で第三者が運用や保守をアウトソーシングで補うには、システムそのものを先の二者よりアウトソーシングを請け負う業者が知りうるすべがなかったからだと言える。
それに、重要な基幹業務を外務委託するのは機密保持の面からも問題は大きかったわけで、
今でも、金融機関なんかの保守業務を形式的に外部委託を受けているのは、殆どの場合その金融機関の子会社だったりグループ企業だったりしているのが現状なのだ。
しかし、そうも言っていられない部分もある。
それは、急速に普及してしまったいわゆる'ぱそこん'とか'くらいあんとさーばしすてむ'という輩がいるからである。
ただ、これらは今ではオープンシステムという名の元、殆どの場合某MS社の思惑どうりWindows系のOSで占められた(一部UNIX)し、そのOSの動くソフトウェアも流通ソフトをベースにしたものが中心になった。
これは、別の局面を見せた、つまり大量に導入された流通ソフトはその製造元のサポートを十分に受けられない(サポートに電話をかけても通じなかった経験ってあるでしょ??)状況になったし、それ以上にソフトウェア自体が複雑になることでマニュアルはどんどん厚くなり'こんなもん見れるかい!!!'状態になるは、挙げ句の果てに印刷すると高いからってマニュアルがCD-ROMで付いて来たりするもんだから、ユーザもどうすれば良いか大混乱に陥ったわけだ。
そしてそのしわ寄せは、前回も紹介したように殆どの場合、企業ならその企業のシステム部に降りかかり、結果サポート専門部隊(ヘルプデスク)が登場する事になった。
ところが、これがとにかく時間と金がどれだけかかるか見えないとくる。
企業ってところはその年度ごとの活動原資は予算ってのを決めなきゃならないのに、それが決められないってのは問題がある。
そこで、'じゃー、うちがお手伝いいたしましょう'って事でそうゆう運用関係を専門に請け負うアウトソーシング会社が出てきて、それなりのお値段で仕事を請け負う事になってきた。
さてさて、それでどうなったかというとアウトソーシングを外部委託した会社側も定例的な予算で運用が出来るようになったし、請け負う側も仕事が出来てよかったねーって事にはなったのだけど、これが可能なのはそもそも誰でも(お金を出せば)入手可能な'流通ソフト'や市販ハードウェアだったから、請け負う第三者も然程心配せずに仕事を受けることが出来たってのが本当のところだろう。
ところが、これも外部委託する企業側は段々欲深くなるんだね。
つまり、この次の段階として流通ソフトを組み合わせたり、部分的にカスタマイズ機能を追加したアプリケーションで、いわゆる'社内システム'って奴を始める。
こいつは、某L社やら某MS社やら何やらから発売されているBPRソフトを使用して構築されるものが体勢を占められているのだけど、これについてのユーザサポートも外部委託するようになる。
ところが、ここに落とし穴、最初の頃の流通ソフトの分野ならはっきりいって専門家を育てるのなどさほど難しいものではないのだけど、各企業個々の文化が含まれたアプリケーションとなるとそうも行かなくなってくる。
それに、加えてこの頃のシステム(って呼べるのかね????)って奴は、どうもシステムとして考えられたものというより、マシンに手続きを行わせているだけで(誰だ、手続き型言語は終わったなんつーたのは!!!、BPRのシステムって手続き型のシステムそのものになっとるやないかー????MISの頃よりひどいぞ、こりゃ??〜これは愚痴である:筆者注)、人間周りのシステムや、そのマシンまかせの部分が欠落した場合の対処って殆ど無きに等しいと筆者には思える。
(何が、非定量化しにくいホワイトカラーの生産性を上げるだ?????)
そのくせ、やれオブジェクト思考だのなんだのって開発周りは充実してきたのだけど、それをマシンやソフト以外のヒューマンファクタや外部環境を含めたシステムエンジニアリングの要素はどんどん欠落して来たとしか思えない。
(最近のソフトやハード会社の認定技術者なんざもエンジニアを認定しているだけで、システムエンジニアではないし...情報処理認定技術者は逆に時代に乗り遅れているし...)
さてさて、そんな不完全なシステムと各企業の文化が入ったシステムを第三者がメンテナンスするってのもかなりなもので、多分そのようなケースの場合、十分なサポートは出来ないし、受けれないってのが本当のところだろう。
そして、これが又エスカレートすると完全な企業単位のオリジナルシステムを外部委託する企業も現れてきた。
他にもデータウェアハウスなんつー企業データベースを外部委託するケースもある。
これは結局プラットフォームやOS、ミドルソフトが画一化されてきた事に起因するのだけど、重要な部分は、再びアプリケーションの部分に移ってきつつあるのかもしれない。
これがどんな結果をもたらすかは、未だ結論づけるのは早すぎるかもしれない。
しかし、十分な情報提示とシステム把握が出来ていないと、これもどれだけの成功を収めるのか.....
結局システムとか運用にかかる費用は分散されただけなのかな......
でもまあ、仕事の量は増えたのだろうね。
とりあえずそれで儲けさせてもらいましょうか。
つまり、資本主義の拡大再生産ってわけか。
誰かが言ってるよな、'仕事は創るもんだ'って。