当世ノートパソコンデザイン事情(98.11.15)

 またまた更新に間が空いてしまいました(^^)。
でも、ここんとこ儲かんないけど仕事だけはあるんですよー。
さてそんなこんなは置いておいて、11/10から11/13まで東京ビックサイトで開催された'COMJapan'、ご覧になりました??皆さん??
私も仕事柄、ああいうフェアは全て目を通さなければならないので、いそいそと出かけて行きました。
しかし、その前週に幕張メッセで行われた'Windows NT Intranet Solution'は、はっきりいって惨敗状態で、こりゃ翌週も駄目かな??と思ったら、思いのほか客入りも良かったようですね??
でも、昨年に比べると出展者数も減っているみたいだし、以前の'データショウ'のような勢いだけではああいうパブリックショウも成り立たなくなって来ているんでしょうーね??
(だけど、'Windows NT Intranet Solution'は、来年無くなるんじゃーない??どーも某Sバンクがプロモートしてるフェアは今年は殆ど惨敗ですもの....)
で、'COMJapan'ってのは、元々先に言った'データショウ'と'コミュニケーション東京(以下'コミ東京'と表記)'とあともう一個のなんかのフェアが合体して出来た(というか、バラバラのフェアを一つにして集客力を上げようとしてるんだろうな.....)フェアなんだけど、意外と旧'コミ東'の出展内容(つまり通信系)のほうが、規模の大きかった旧'データショウ'よりの出展内容より勝っているのが去年の様相だったのだけど、今年もその雰囲気は変わりませんでしたね。
でも、今年の秋の新製品の発表の場って、実は'World PC EXPO'が終わった後だと、大きなショウはこれだけだから、意外に各PCメーカの新製品、特にノート系がほぼ勢揃いしていました。
で、今回はそんな各PCメーカのノート系の新製品を見ながら、最近のノートパソコンのデザイン事情を考えてみようと思います。
では!!!!


 最近のノートパソコンってー言えば、なんつったってSONYの大ヒット作'VAIO'シリーズに代表される薄型B5系がメインストリームになっていますね。
まあ、A4系も当然メインストリームの一つだから各社A4系もモデルチェンジが図られているのだけど、今年の秋の主役は、やっぱB5系もしくはA5系のサブノートでしょう。
シャープなんか、例の'VAIO'のコンセプト、丸ごとパクッたB5系は売れていますし(さすが関西のメーカは売れるもんなら、何でも取り入れる貪欲さがある!!!)、当然他のメーカもどんどんその方向に突き進んでおります。
さて、今の時代、メーカが個性を出せるのはもうノート系だけなわけで、デスクトップははっきりいって外装を外せば、みーんな殆どいっしょだから、ノート系に注力するのは市場性だけでなくてメーカの威信もかかっているって言っても不思議は無いかもしれないんですね。
当然、欧米系のCとかDとかGなんかも、日本の薄型ノート市場に目を向けているみたいだけど、正直言って二世代は遅れてるって言っても不思議は無いと思いますな。
当然、これらの会社にOEM供給をしている台湾メーカも最近頑張ってるんだけど、やはり一世代以上遅れてるように思える。
だけど、そんな日本のメーカも薄くする事に拘り過ぎて、実は製品の工業デザイン的面から見るとマーケティング主導のデザインに走っちゃっているのも個人的には残念な話だなーって思ってしまうのです。
今回のフェアでもそんな感じが凄く出ていたように思うのですね。
さて、個々のメーカの製品でも覗いてみませうか....

 まず今回のフェアで目立ったのは、あの大失策だった三菱の'Pedion'のニューモデル。
先代の'Pedion'の登場ってのは、実は同時期に出てきた東芝の'Libret'とおんなじくらいインパクトのあるモデルだったと思う。
でも、何で売れなかったっていったら、これは完全に三菱の失策以外の何物でも無い。
特に、製品出荷を発表しておいて、直前にあの薄型ボディを維持する為の超薄型バッテリの歩留まりのひどさから製品を販売店に出せなかった事が一番大きな原因だろう。
もう一つ、価格が高すぎた。
この二つの内、せめてバッテリの問題が無ければ、以外と健闘したと思うんだけどね、先代は。
それに加えてあのキーボードがあまりにも使いにくかった。
さて今回のモデルは、まずキーボードがかなり改善されたし、価格的にも他社のノートと差の無いレベルに追いついたようです。
でも、先代の悪いイメージがどこまで払拭出来るかにかかってますね、今後は。

 次は、富士通さん。
既に別のフェアでも見たのだけど、あのB5クラスの新しいノートは、久しぶりにまともなノートを富士通も作ったなーって感じ。
何せ先代'BIBLO'は、よっぽど売れなかったのか、最後はたたき売りでしたもんねー。
特に、さすがワープロで'指タッチ'を始めた富士通、ついにノートもタッチパネルが付いたんですねー。
はっきりいってあのタッチパッドでの操作ってすんごい面倒臭いと思うんですよね。
以前、SONYのあの'目ん玉VAIO'を見たときも、SONYの人間にタッチパネル式にすれば、もっと評判上がるよって話した事があったのだけど、今度の富士通のB5ノートは意外と売れるんじゃーないかな??
操作性は、今回出てきた新製品の中では、一番良いと思うもの。

 さて、今回のフェアでちょっとびっくりしたのは、三洋さん。
これまで三洋のノートPCって、台湾製のOEMの匂いがしてたのだけど、今回のB5ノートは日本製品らしくなったね。
で、一番笑ったのがポインティングデバイスを二つ、何とタッチパットアキュポイントを備えたところ。
さすが関西はやる事が派手だわいなんて思ったのだけど、これってちょっと走すぎたと思うね。
だって、せっかくアキュポイント付けたのに、クリックボタンとの間にタッチパッドがあるから、IBMなんかと比べると手をかなり広げる必要があるから、使いにくいよ、これ。
女性は嫌がるんじゃーないかな、特に。

 実は、某WEBサイトでもからかわれたのは日立さん。
新しいノートはかなり力入れてプロモーションしてるのだけど、何と飾りで置いたスケルトンモデルのほうが評判良かったんだから。
で、肝心のマシンだけど、うーん薄型ノートの波に乗りたいのは判るけどね???って感じ。
そんな特徴も無いし....(一部の報道で聞かれたように、これって台湾製??)
前に取り扱ってたのは、あの有名なチャンドラだったんだけど、それと比べると個性が無いね。
あのチャンドラが何が良かったかっていったら、あの大きさでデバイスポートも含めて完成されてた点だよね。
一台で完結してたもの。
チャンドラが売れなかったのはマシンのせいじゃなくて、売る側の問題だったと思うよ。
実は、これまで登場してきたノート類もそうなのだけど、薄くする為にデバイスポートを省いてポートリプリケータに逃げるのは良くないよな。
やっぱノートは、その一つの筐体で完結しているのが、一番美しい姿だもの。

 さて、個人的には一番残念だったのがPanasonic
もう、薄型ノートの流れに乗る為に、ついにトラックボール捨てちゃったんだもの。
前は'Ball or Nothing'なんて言ってた癖に、これじゃー'Ball is Nothing'じゃーないの???
確かに、あのタッチパッドは工夫されてるとは思うよ??立て横のスクロール制御とか。
でも、はっきり言ってトラックボールの操作性には敵わないよ。
Let'Noteシリーズって、他に特色なんざ無いのだけど、それをユニークなものにして隠れたベストセラーにしていたのは絶対にあの光学式トラックボールだったんだから。
ちなみに、トラックボールモデルは一種類だけ残る見たいだけど、それも相変わらずMMXマシンだから、こりゃトラックボールタイプのマシンのお先は暗いよーだね....

 他にもNECなんかのブースも行ったのだけど、NECはどーもノート系は苦手ですね....
デスクトップはあの剥き身に液晶立てるなんつー過激なデザインは良かったんだけどなー....
さて、こんな風に見ていくと薄型ノートもそろそろ終わりにしてもいーんじゃないかと思えてしまう。
だって、薄くするって事は一番犠牲になるのはキーボードなんだよね??
最近のはやりはB5サイズに17mmのキーピッチなんだけど、それよりなによりキーストロークを犠牲にし過ぎだよ。
打ちやすさは、キーストロークのほうが重要なんだから。
(あんまし浅いキーストロークは腕に負担が凄くかかるんだよね)
まあ、三菱の'Pedion'はそれに少し気が付いたのだろーけど、あれじゃーやっぱり不足してるもの。
それと、そろそろタッチパッドに替わる新しいポインティングデバイスが出てもいーんじゃ無いかな??
アキュポイント系はIBMの高めのモデルのドラッグ&ドロップ機能なんか、工夫も出てきてるんだけど、そろそろトラックボールぐらい使い易いデバイスが出ても良い頃だと思うんだけどねー???
トラックボールって一番昔からあるノート用のポインティングデバイスだよ???
薄型ノートもそろそろ二年、次の革命がいったいいつ、そしてどんな仕様になんだろーか??

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