柳麺業界にもの申す??(2003.02.23)

 ここのとこ、Eau De Vieも開店休業状態です。
このところ、バーマンの方々の動きも落ち着いていまして、とはいえ新しい店を開拓するでもなく、自分の好きな店に落ち着いているところです。
先日、あるバーマンが移った店に顔を出しましたけど、業態がちょっと違うのでここで取り上げるのもなー??って感じです。
(あ、店は凄く良い雰囲気の店ですよ)
さて、そんなこんなの世の中で、ちょっと最近気になるというか、違うんじゃないかい??と思える飲食業界がございます。
そう、第三次ブーム(だったかな??)と言われる、不況に強い柳麺業界なのです。
どうも、勘違いした方々が沢山居るような気がしないでもない.....
そんな柳麺業界について、ちょっと畑違いではありますけど、ちょいと書いてみましょうかと....
んでは(^^)/。


続く出店ラッシュ

 このところの不景気で、飲食業界もかなりの打撃を受けています。
本来Eau De Vieで取り上げる筈のBar業界もその一つです。
そんななか、新しい店舗がドンドン出来ているのがラーメン業界です。
日本全土にいったい何件あり、そしてこれから何件出来ていくのでしょうか??とにかく出店ラッシュが続いています。
特にブームがユーザ達に自分でもやれると思わせているのでしょう、つい先日までサラリーマンだった方たちが脱サラしてラーメン店を始める例も少なくありません。
まあ、世の中はそんなに甘くないんで、多くの店が半年も持たずに店をたたんでいるのも事実ではありますが、それでもこれだけ出店ラッシュが続くのは、一山当てれば、原価率の非常に低い商売ですんで、儲けも大きく出る、何とか暮らしていける??という期待を皆、持っているからなのでしょうか??
実際、飲食業界の中で、ラーメン業というのは、多分一番原価率が低い筈です。
最近、チェーン店系では一杯350円程度のラーメンも出てきていますが、経営者に言わせれば、それなりの材料を奢ったとしても十分に利益が出るそうです。
まあ、セントラルキッチン方式での大量仕込みだからとも言えますけど、それでもそんなこんなからも原価率の低さが見て取れるというものです。
ここ数年、筆者の近所というか、まああ車で十分程度のエリアに10件以上の新しい店が出来ているのです。
不況になると、ラーメン屋がはやる、そんな時代ではあるのですけど、そんななかどうも勘違いしている有名店も増えている気もするのです。
いったい、何故そうなっていったのでしょう??


彼らは料理人か??

 ラーメン屋を出店する時、果たして今時のラーメン屋は料理人なのでしょうか??
ちょっと考えてみましょう、スープをひく、麺を打つ、具材を仕込む、麺を茹で、スープをドンブリにタレと合わせ、盛りつける。
そんな動きのなかで、彼らは包丁をどれだけ使うでしょうか??
今時のラーメン屋さん、例えばネギをみじん切りする時もスライサーを使い、チャーシューでさえ肉用のスライサーで切り出しています。
殆ど包丁の出番なんてありません。
そう、実は今時のラーメン屋さんは包丁が使えなくても出来ちゃうんです。
単店で家族経営で頑張っている店は別として、多くのラーメン屋はアルバイトを使っています。
そうゆう意味では今時のラーメン屋はファーストフード店と大差ないのです。
まあ、きちんと修行をした店主も当然居ますし、ただそうゆう店が逆に少なくなっているのも事実です。
ただ、単店で頑張っている店でも、勘違いしている店が多く見られます。
今回は、そんな勘違いの中からラーメンの主役の一つ、麺の取り扱いについての勘違いを見ていきましょう。


麺茹でが出来ない巨匠達

 最近のラーメン屋というと、特に都市圏のラーメン屋で一番目に付くのが、一食ずつを個別に茹でるダボを使用しているところでしょう。
かなりの評判を取っている単店の有名店でも、ダボを使用しているところが非常に多いです。
ダボを使えば、一食ずつの麺を確実に取り分けられ、しかも最近の麺茹で用の機械はタイマーだけではなくセンサーで茹で上がりを知らせる等々、仕事を楽にしてくれます。
麺茹での基本なんか知らなくても、誰でも麺茹でが出来るわけです。
しかし、実はこのダボを使うと言うことは、麺をまずくする道具でもあるのです。。
まず、ダボに麺を固まりのまま入れ、大抵の場合は菜箸でダボの中をかき混ぜて麺をほぐしているケースが殆どです。
実はこれを行う事で殆どの場合、麺の表面が荒れて麺の表面だけでなく内側から熱が入り、麺の茹で上がりにムラが出るのだそうです。
しかも狭いダボの中の麺はそんなほぐしの作業を受けながらも、実際は麺同士が接触しているので、やはり茹で上がりにムラが出ます。
先程の麺の表面が荒れた結果、麺は固まりやすくもなるのです。
最近の麺茹での機械は、ダボの底から湯を攪拌して麺を踊らせる機能が付いているものもありますが。
ラーメンでも蕎麦でもうどんでも、麺を茹でる時、一番重要なのは大きな鍋で多くの湯で茹でる、この一点です。
たいがい、大きな鍋に麺がくっつき合わない程度の量の麺を入れ、茹で上げる方が、絶対に味は良い筈なのです。
ちなみに、一番おいしくラーメンを茹で上げるならば、大きめの中華の両手鍋に湯を張り、そこでゆったり茹で上げるのが一番。
そのたびに湯を変えるとベストだそうです。
その次は、屋台のラーメン屋でよくある寸胴で茹で上げる方法。
ただ、こちらの方は鍋が深いので底に取り忘れた麺が残る事があります。
まあ、そんな寸胴の底に残る麺が独特の湯のにおいを出すので、そのにおいが屋台のラーメン屋に客を惹き付ける要素にもなっているとも言えるそうですが....
そしてその後にダボで茹で上げた麺が続くという事になります。
ちなみに、ダボを使う場合も大きめのダボで余裕をもって茹で上げている店はまあ、少し良心的とも言えそうですが。
なんと笑えるのは自家製麺を売りにしている店でさえ、ダボを使っている店が多い事!!!!
かなりの勘違いをしていると言えましょう(^^)。
そういえば、最近ブームになっている有名店、しっかりとダボで麺を茹でて、その湯切りの際ダボを力強く振る方がおります。
なんか'燕返し'なんて大げさなネーミングもされていますが、本人曰く'せっかくのスープを湯で薄めたくないから'だとか。
そんな馬鹿な事を言う前に、網を使った麺茹でと麺上げの勉強でもしなさいと(^^)。
多人数分の麺を一度に大鍋で茹で上げ、一人前ずつきちんと網で取り分けなければ、うまい麺にはなりません。
そうゆう意味では九州や北海道の老舗店は見事なものです。
但し、一番おいしい方法とはいえ、やはり首都圏の有名店でせっかく大鍋で茹で上げ、網で麺を取り分ける技術を持ちながら、その後がよろしく無い店があります。
この店もある種の有名店ですが、客が増えてきたんで、何と並んでいる客の注文を聞いた後、客が席に着かない内に麺茹でを始めます。
そんでもって、茹で上がった麺をドンブリに移して、そんまんまにしとくのです。
そして客が席に着くと同時にスープをはり、具をのせて客に供するという、凄まじい方法です。
(好意的に考えてやると、台湾あたりのタレそばのノリに近い???)
せっかく大鍋で茹で上げた麺はドンブリの中にスープなしで放置され、麺はくっついてしまっているのです。
いくらなんでも、こりゃひどいですな。


 さて、今回はちょいと嗜好を変えて、柳麺業界のお話を書いてみました。
ホントは、スープの謎とか、ネタになりそうな話は沢山あるんですけど、とりあえずラーメンの主役の一方の麺のお話だけでも、最近のラーメン屋の勘違いが見て取れるのではないでしょうかね??
先日、自宅の近くに出来たラーメン屋(雑誌にも取り上げられていました)に、ちょっと行ってみました。
最近流行の魚系のスープの店でした。
今風の店主がベースボールキャップをかぶり、注文をこなしていきますが、彼の手にもしっかりとダボが握られていました。
実は、ドアを開けた瞬間の凄まじい魚系のにおいに閉口してしまったのですけど、ダボで茹でられてた麺に加えて、出来上がった麺に振られた粉(多分、マグロかなんかの魚粉でしょう)のにおいがまた凄い。
なんと、魚のキューブ上のつまみ菓子(名前忘れた^^)ってあるでしょう??
あれと同じにおいなのです。
思わず、それを砕いてのせてるのかと思っちゃいました(^^)。
味は、正直、大した事ありませんでしたけど、ブームの魚系スープ、はやりの店の作りなんかが客を呼ぶんでしょうね??
柳麺業界は、高級店とファーストフード系の二極化が進んでいるそうです。
これからも人気店が出てくるでしょうが、勘違いした店も多分、そのまんま増えるんでしょうね??

To Eau de Vie