ども、今回はチョイと志向を変えて、このサイトに訪れている方から提供して頂いた、今年3月に来日したRoger
Watersの東京国際フォーラム公演ライブレポートをお送りしませう。
この方、筆者と短い間ですがバンドを組んでいた(彼は、非常に有能なマルチプレーヤです^^って誉めといて良いっすか??)のですが、所謂'70年代のブリティッシュ系ミュージシャンの来日というと、欠かさず出かけられている方です。
たまには、違う視点のライブレポートもよろしいかと...
では(^^)/。
3月28日、木曜日。
明日で会社を辞めるというのに、のんきに休みをとり、ゆっくりと有楽町に着く。
「あぁ…もうSOGOは存在しないんだぁ…ジャイアンツ食堂在ったよなぁ…」とちょっと感傷的になりながらビックカメラ・ピー館の脇を通り過ぎ、東京国際フォーラムに足を踏み入れる。
こんな都会のど真ん中であるにもかかわらず、いつもの光景...
「チケット余ってたら買うよぉ〜」
こんな近代的な建物の中にたたずむ彼ら...
屋外に向けての放送がダフ屋行為の禁止を告げているが、まったくお構いなしだ。
以前からこれほど空間をゆったりと、あるいは無駄に使っている建物もめずらしいと思ってはいたが、中に入るのは初めてでちょっと嬉しかったりする。
ホールAに入る。
まずは自分の席を探す。
友人が先に来ておりちょっと話した後、長丁場に備えてトイレに立つ。
これだけの建物なのだからさぞかしトイレも立派な...と思っていたらなんとトイレの前が長蛇の列!! 5分位並んだ後目的達成…席に戻る。
客層は意外と若い男女が多く驚く。
何がらみで見に来てるのか? 最近は露出も少ないと思うのだが...
それと外人が普通より絶対多かった。 やはり外人にとっても大物中の大物なのか?
ステージセットはいたってシンプルで、後方にお立ち台ふう'Wall'があり、その後ろにスクリーンがあるだけ。
再生後Pink Floydと比べると寂しいくらいだ。
19:00ちょっと過ぎ、スタート!
'In The Flesh'をお立ち台の上に上がったRogerが歌う。
メンバーはギターが3人で内1人はSnowy White、ドラム1人、キーボード2人、女性コーラス3人。
ベースはRoger自身。
彼がギターを弾くときは他のギター1人がベースを弾いていた。
しばらく'Wall'からの曲が続き、'Another Brick In The Wall, Part 2'の後、'Final
Cut'の曲も演奏する。
このアルバムは地味だが個人的に好きだったので、オリジナルボーカルで聞けたことにちょっと嬉しかったりする…
ただ後ろのスクリーンには以前Rogerが大勢のゲストを呼んでベルリンで行った'Wall Concert'の写真が多く写されていた為、今ひとつチープな感じがした。
'Wall組曲'が終わり拍手。我々の席は真ん中から少し後ろよりだったが最前列辺りにはやはり熱狂的なファンが陣取っており狂った様に拍手し手を振っている。
次に始まったのは'Pigs On The Wing, Part 1'! なつかしぃ〜!
スクリーンに豚と月のイメージが写し出される...PCの壁紙にしたいなこれ...
アコギのカッティングから'Dogs'に移る、ボーカルは本来GilmourだがRogerではなくギタリストの内1人が歌う。
他のGilmourボーカル物でも基本的にそのスタイルだった。
曲間、ステージ中央にあったテーブルを囲んでメンバーがトランプ(ポーカーか?)を始める
なにかそれ以上の演出があるのかと期待して待っていたがなにも起きずまた演奏に戻る。
結局'Animals'のA面(死語?!)全部やった!カッチョイー!
'Shine On You Crazy Diamond, Parts 1-5'が始まる、後ろのスクリーンにはSidの顔写真が写し出される。
始めは小さかったそれが段々と大きくなって行き、仕舞いにはドットにしか見えなくなってゆく...
'Welcome To The Machine'では例のアニメーションがスクリーンに写し出される。
'Wish You Were Here'で問題が発生!ギターソロをSnowy Whiteが弾いたのだがこれがあまりにひどかった!
こんなに下手な人ではなかったように思うのだが体調でも悪かったのかまったくひどかった。
おそらく楽器を弾かない素人さんにもそのひどさは伝わったのだろう。
曲が終わったあとちょっと'シラー...'っとしたムード゙が漂った...
'Shine On You Crazy Diamond, Parts 6-9'でなんとか持ち直して前半終了。
そう二部構成なのだ。
大勢が席を立つ。
'トイレに行ったやつは完全に死ぬな...'
ここまで聞いて気づいたのは、時代を遡っているなという事。
ってことは次は...フフッ...
と思ったら時代は一気に60年代へ!'Set The Controls For The Heart
Of The Sun'!
スクリーンにはサイケな模様がブクブクブクブクと(笑)
オルガンソロ(?)ではあまりにもチープな音に思わず吹き出してしまう!
おまけにスクリーンには当時の物と思われるプロモーションビデオがぁ〜!
ちょっとRogerのセンスを疑ってしまうなぁ〜。
トイレで目的を達成せずに席に戻った人は絶対、座り小便しただろう(笑)。
ヒッピーになっていたみんなは'Breathe'の心臓の鼓動で我に返った...
'Time'、'Money'と続き「この際全曲やれぇ〜!」と思っていたらなんと'The Pros
And Cons Of Hitch Hiking'へ...
'Amused To Death'等ソロアルバムからの曲が続きその後'Brain Damage'で'Dark
Side...'に戻ったが...やはり納得出来なかった。
気持ちはわからんではないが、並べて演奏してしまうところに問題がある。
ソロの作品も秀作がそろっているわけで、やるならどちらかに絞ってやったほうが良かったような気がする。
もっとも'Amused To Death'が出てから何年も経っているわけで、今回のツアーの目的自体が私には明確になっていないのだが。
もし「大回顧展」なら納得するが、'Pink Floydのイデオロギー担当'だった彼がそれを許してしまうのは寂しい気がする...
アンコールは'Comfortably Numb'と新曲(タイトル分からん)、最後は皆立ち上がって拍手していた。
賛否はあろうが私なりの感想は、やはり「曲が良い」ということだ。
再生Pink Floydを見た時にも思ったが、曲が一人立ちしている。
演奏する人間が代わったところで曲の持つ雰囲気や意味といったものは代わらない。
Crimsonの'LarksU'を80年代Crimsonが演奏しても当時のものを越えることは出来ない。
YESにはJonがいないとYESではない。
Phil Collinsがいくら頑張ってもGabrielを超えることは出来ない。
だが、Pink Floydにはそういったものがない。
ただ、メンバー個々の「味」といったものが存在することは否定出来ない。
事実今回も'Time'でそれを思い知った。
だってイントロのパーカッションの部分、本物より数十倍上手く叩くんだもん(笑)。
あれは下手でいいんだよ!!(^^)。
Reported By Mr.Y
さて、ちょいと補足として、当日のセットリストと、参加ミュージシャンを...
−2002.3.28セットリスト−
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MUSICIANS
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ライブレポートにもあるように、休憩付きの全26曲のてんこ盛り状態だったそうで。
最近じゃ珍しい(旧Floydと同じスタイルなわけですけど....)ですね、これ??
まあ、筆者は、現在のFloyd及びその関連にはあまり興味が湧かなかったので、今回の公演は見送ったわけですけど、色々な雑誌を見ると、セット自体は'99年及び2000年のUSツアーと同じ構成なわけ(一曲だけ3.28でもアンコールで演奏された新曲'Flickering
Flame'がセットに加わる)ですが、ほぼ好意的なレビューが多いっすね??
'99年及び2000年のUSツアーのライブ映像をDVDにまとめた昨年末の'In
The Flesh'発売に合わせてのツアー再開の一環で日本に来たわけなので、まあ所謂スポンサー付きの大名ツアーでは無かった点だけは評価して良いかな??
深読みすれば、Floydベスト盤'Echoes'のプロモーションも兼ねてってのも考えられるけど、さすがにRoger、そこまでは金は貰っても口では譲らんだろーな(^^)、頑固もんだかんねー、彼は....