All You Need Is Cash!!/The Rutles(2005.01.10)

 年も明け、皆様、いかがお過ごしでしょうか??
年末は関東でも瞬間芸のような大雪が降ったりと、何か波乱の2004年を象徴しているような感じでありました。
(あ、大津波に遭われたインド洋沿岸の方々にはお悔やみ、申し上げます....)
さて、そんな2004年も終わり2005年となった第一弾に紹介するのは、そう、あの世界中を興奮のるつぼに叩き込んだ、あのThe Rutlesで行きませう。
StonesMick Jaggerをして、'Rutlesには誰も敵わないよ'と言わしめた、伝説のバンド、The Rutles、そんなThe Rutlesの紹介を。
んでわ(^^)/。


 The Rutlesの伝説は、一本のTV番組にまとめられています。
このCDは、そのTV番組のサントラとして発売されたLPRHINOレーベルが丁寧な仕事で再発したものです。
この音源に収められた曲は、綺羅星のごとく輝く名曲ばかり。
DIRKNASTYSTIGBARRY4人が繰り広げる名演奏、どこか某英国の有名バンドに似ている??いやいや、それは気のせい、この世界のトップバンドは誰が何と言おうとThe Rutlesなのです。
The Rutles1959121日、LiverpoolDIRKNASTYSTIGBARRY4人が出会った事から始まります。
Arthur Seouseのマネージメントの元、独での演奏、そして伝説のキャバーンクラブでのライブの後、1961年、伝説のマネージャー、Leggy Mountbattenと出会い、そこから快進撃が始まります。
英国全土を巻き込んだ、一大ブームは、英国トップ20に何と19曲を送り込み、果ては英国女王様の御前公演を行い(ただ、女王様はつまらなかったみたいでアクビをしておりましたが....)から勲章を受けるまでになります。
そしてついに米国を始めとした世界進出、そして1965年のChe Stadiumにおける初の野外ライブを成功させ、米国制覇を果たします。
1966年にNastyが'The Rutles were bigger then God'発言が飛び出し、世界中でトラブルとなりました。
(後に'God'は'Rod'、つまりRod Stewartの誤りだったのですが...)
この頃、禁断の飲み物'tea'にのめり込んでも行きます。
さて、そんなThe Rutlesは伝説の名アルバム'Sergent Rutter's Only Darts Club Band'を発表、またしても世界の寵児となります。
そして世界同時中継となった'Love Life'のパフォーマンス、そしてミュージックビデオの元祖とも言えるTV番組'The Tragical History Tour'の制作等、メディア展開も進んでいきます。
そんな後、Rutle Corpを設立する等(Rutle Corpは後に悲しい結末を迎えますが...ここのボスは何とJohn Belushi!!!)、動きが活発になったと思ったら、突然のインド傾倒事件勃発。
そんななか再びシーンに帰って来たThe Rutlesはアニメーション'Yellow Submarine Sandwich'を発表、一時期BARRY死亡説が流れる等、メディアを賑わせます。
メンバーのうち、DIRKNASTYは伴侶を得たりと、公私ともに大忙し。
そんな中、ついにThe Rutlesも最後の時を迎えます。
有名な屋上ライブにて'Get Up And Go'を披露、これは'Let It Rot'のフィルムワークの一部となりました。
そしてThe Rutlesも遂に解散、メンバーは個々の生活、活動に入っていきます。
NASTYは対人恐怖症の世捨て人、STIGはインド航空のスチュワーデスに、BARRYは床屋で成功、そしてDIRKはパンクにのめり込んで行きます。
永遠の伝説となったThe Rutles、こんなバンドに出会う事は、もう無いでしょう.....


 さてさて、The Rutlesの世界、いかがでしたか??
このThe Rutlesの世界は、英国BBCにてあのモンティパイソンのEric IdleBONZO DOG DOO DAW BANDの中心メンバーだったNiel Innesが制作した、'The Rutland Weekend'から端を発します。
ここでは、某米国の大物フォークシンガー、ボX・ディXンのパロティとともに登場したのがThe Rutlesでありました。
ここでは'I Must Be in Love'が披露されたそうです。
残念ながら、このTVテーピングは日本では映像作品としてリリースされていない(英国にはあるのかな???)ので見る事は出来ませんでしたが、そのサントラ盤、'Eric Idle and Neil Innes The Rutland Weekend Songbook'を聴く限り、かなり毒のあるモンティ流のギャグと、Neilの作曲才能が溢れた、非常に興味深い作品と言えましょう。
この時のThe Rutlesのコンセプトが、米国Saturday Night Liveのスタッフの目に留まり、ここにモンティパイソンとSaturday Night Liveが合体、そして1978年、The Rutlesが誕生したのです。
出演者はThe Rutlesの面々の他、何とリポーター役にGeorge HarrisonDIRKの妻にBianca JaggerThe Rutlesの伝説をインタビューで語るMick JaggerDan AykroydJohn BelushiSaturday Night Liveコンビ、Paul Simonは出るは、Ron Woodはヘルスエンジェルスだわの大騒ぎ。
とにかく、豪華メンバーがThe Rutlesの世界を真剣に展開していくのですから、こりゃ凄い(^^)。
当然、元ネタはBeatlesなわけですけど、そんなことを忘れさせるくらいの面白さ!!加えて楽曲の出来があまりに良すぎて、何と収録曲の一つ、'CHEESE AND ONIONS'なんか後のBeatlesのブートに収められて、一部の人はホントに(?)Beatlesの未発表曲と信じていたとか(^^)。
どの曲をとっても、BeatlesのようでBeatlesでないThe Rutlesの世界の展開は、音楽監督のNeilの才能の賜なのです。


 さて、そんなThe Rutles、あのBeatles元メンバーがJohnの未発表曲を発表するというプロジェクト、'Anthorogy'に呼応して18年ぶりの新譜を発表します。
それが、このアルバム'Archaeology'でありました。
このアルバム、DIRKであるはずのEric Idleが参加しておりませんが、そこまでパロティを徹底させたのかどうかは今となってはどうでも良いか??
ここに収められた楽曲は、Neilの才能が大爆発状態でありまして、このアルバムではかなり細かいBeatlesネタを盛り込んだ内容となっております。
どの曲も、元ネタが見え隠れしながらもThe Rutlesのオリジナルとして完全に成立しているのが凄いところ。
トップの'Major Happy's Up And Coming Once Upon A Good Time Band'('あれ??Sergent Rutter's Only Darts Club Bandじゃなかっつたの??'っていうツッコミはしてはいけません^^)からラストの'Back In '64'まで、BeatlesのようでBeatlesでないThe Rutlesの世界が展開されるのです。
でも、このCDは現在は判りませんけど、発売当初は外盤を買っては行けなかったのです。
そう日本盤にのみボーナストラックが四曲、収録されているのです。
特に凄いのが、'Baby Let Me Be'のフランス語バージョン'Baby S'il Vous Plait'!!!
ここまでやられると、もう大変、しかも歌詞がまた面白いんだ、これ(^^)。


 さて、今回は伝説のThe Rutlesを紹介しました。
実は今回紹介した音源、ホントおまけと言うか、パンフとか、無茶苦茶面白いんです。
(今回は、ちょっと事情があって掲載を見送りましたが....)
それと映像も、ビデオ、LD、そしてDVDにもなっています。
(残念ながら、日本盤のDVDは今廃盤みたいなのですけど....私、LDは持ってますけど....)
やはり、The Rutlesは映像込みでないと、その良さを理解するのは難しいかな??
でも、音だけでも最高に楽しめるんで、機会があれば、是非聴いて見るべきでしょうな、ホント。
それでわ、また(^^)/。

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