フラメンコギターとロックと..../Triana(2005.04.24)

 さて、ここんとこブログばっかり更新していて、本家を忘れていたわけではないのですけど、ネタでの更新が無かったです、ハイ(^^)。
で、そんなんじゃいかんなー....と思いつつ、何か大ネタはないかと思っておりましたら、先日来、スペイン物の再発が始まりまして、筆者の好きなバンドもその中に混じっておるではありませんか??
と言うことで、今回はスペインを代表するバンド、Triana、先日再発された二枚を中心に紹介して行きませう。
んでわ(^^)/。


 今回の再発は'哀愁のユーロピアン・ロック スペインの旅シリーズ'(すっごいベタなシリーズタイトル!!!)の中で二枚のアルバムがCD化されて発売されました。
いずれも、輸入盤に日本語の帯兼解説を付属させたもので、ジャケはデジパック仕様となっています。
まー、日本で制作すれば、絶対に紙ジャケでしょうが(^^)。
最近はロシア盤とか韓国盤でも紙ジャケが流行っているそうですが、日本の技術にはかなわんでしょうな(^^)。
さて、Trianaは、EDUARDO RODRIGUEZ/アコースティック(フラメンコ)ギター、JESUS DE LA ROSA/キーボード、JUAN JOSE PALASIOS/ドラムスのトリオであります。
何と、ギター担当は全てアコースティック、エレクトリックギターについてはサポートを呼ぶ(ベースも)と言う、かなり変則的な編成であります。
でも、そのアコースティックギターがかなりの技巧でありまして、そこにメロトロン/ソリーナとシンセを絡めたとこなんかが、かなりの雰囲気を醸し出す、不思議なバンドであります。
Trianaは'74年に結成され、'75年にファーストアルバム'EL Patio'を発表します。
ジャケを見ると、何かメキシコのカウボーイと言うか、マカロニウェスタンを思わすように出で立ちでありますが(よーく見ると背中から手がはえていたりまして^^)、で出てくるサウンドはまさにスペイン的な、というかスパニッシュギター/フラメンコギターが中心となって、ゲストのエレクトリックギターが合いの手を入れると言う、かなりベタな演奏と言えなくもありません。
ボーカルは完全にフラメンコであります。
ただ、技巧的にも楽曲的にも聴けば聴くほど魅力が出てくる、不思議なアルバムでもあるのです。
でも、何故か軽いドラムソロなんかも入っておりまして、これが良く判りません。
このファーストは、残念ながらスペイン本国でも、さほど話題にはならなかったようです。
ただ、このアルバムを制作した事で、自分達のスタイルの問題点と可能性の確信は付いたのでしょうね??
次作で、Trianaは長足の進化をするのであります。


 ファーストのセールスが不調ではありましたが、発表の翌年に活動拠点をマドリードに移したTrianaは、'76年にセカンドアルバム'Hijos del Agobio'を発表します。
筆者が始めて入手したTrianaのLPは、このアルバムでした(今回、都合により掲載は見送りました....あ、ちゃんと盤は手元にあって、今、聴きながらタイプしてます^^)。
内容的にも、前作のベタな感じが無くなり、ロック的になり、加えて鍵盤(シンセ)の使い方のセンスが非常に良くなっております。
実際、セカンドアルバムからカットされた、'Rumor'がスマッシュヒットとなり、スペイン国内での人気も上がったそうであります。
個人的にはTrianaは四作目まで(五作目はベスト盤でありました.....)が限度かな??ってところで、その四作までで行くと、セカンドアルバムが多分最高の出来ではないかな??とも思うのです。
で、紹介するのは、今回CD化されたサードアルバム'Sombra Y Luz'。
ライナーなんかにあるように、このサードが一番セールス的に成功したのでありました。
ただ、個人的には、このサード、あんまししっくりこないんです。
ファーストからセカンドにかけてベタさが消えて良くなったんでありますが、このサードアルバム、どうも逆に洗練されすぎって感じで、何か少しクロスオーバ臭さも感じられるようになって、すごく物足りなくなったような....
所謂、売れ線臭さも感じられるようになっちゃったのかな??
ですんで、筆者としては、セカンドを是非、このシリーズに組み込んで貰いたいってのが、正直なところです。


 さて、今回は'情熱の国 スペイン(うわー、ベタだ^^)'のTrianaを紹介しました。
スペインのバンドにも、良いバンドはかなり居ます。
特に、パーティ向けのビートバンドみたいな、そんで旅芸人みたいな活動をしていたスペインのバンド達が、'70年代初頭辺りから英国のプログレ系の影響をドーンと受けて音楽自体の内容も質も変質したのが、スペインのロックの特徴でもあります。
元々、リズム的にも特徴があり、楽器演奏についても技巧的に優れていた国ですんで、そこの国民が奏でるロックというのも、質が高いのも当然かなっと....
スペインには、今回のシリーズでも取り上げられているGUALBERTOIBIO、そして作/編曲家のAlfredo Carrion(あ、Trianaと並んで有名と言われているGRANADAは体質的に合わないのでパス^^)なんかは、質の高い演奏がアルバムで聴く事が出来ます。
でも、スペインと言えば、Alfredo Carrionがやはり作/編曲で参加したCANARIOSの'CICLOS'を忘れてはいけません。
もし'哀愁のユーロピアン・ロック スペインの旅シリーズ'がまだ、しばし続くのであるなら、先のTrianaのセカンドとともに、是非このアルバムも加えて欲しいものです。
独裁政権の長/フランコの死の前年、'74年に発表されたCANARIOSの'CICLOS'こそ、スペインのロックの原点かもしれないのですから....

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