秋はPICNICに行こう〜四人囃子/ボックスセット発売決定記念その1(98.09.06 2001.10.28一部掲載中止)

 夏の長雨というか、秋の長雨が早くきちゃったというか、そんな変な陽気(この間は首都圏でも地震があるは)の中、皆様いかがお過ごしでしょうか??
まったく、今年の夏はこの大不況だちゅーのに、何故か筆者は夏休みなんざーない状態で仕事に追われていて、結局8月の更新は一回だけという状態でした。
でも、知り合いになかなかおもしろいサイトを教えて貰い、そこだけは出来るだけ日を置かずにチェックを繰り返しているのでした(お、おかげで寝不足が....)。
そのサイトというのが日本が残した数少ないプログレッシブ・ロックの傑物バンド'
四人囃子オフィシャルホームページ'なのである。
しかも、このサイトで何と'四人囃子ボックスセット'発売の決定が書かれているじゃーありゃせんか!!!!
そのうえ、ライブ音源の収録も予定していると言う。
こりゃー大変だ!!!!とばかりに、ここのサイトのWEBマスターに思わず'私家盤のライブ音源あります'などと、メールを打つ始末。
ここはガキの頃、後期四人囃子の東京近郊のライブは殆ど追っかけたこの筆者、連動企画をやらざるおえめーとばかりに、今回から'The Musical Box'では3回シリーズ(おいおい、そんな事約束して良いの???)で'四人囃子'を特集しちゃいませう。
で、第一回は'
秋はPICNICに行こう'という事で.....


一触即発 四人囃子と言えば、多分このファーストアルバム'一触即発'が一番有名なんじゃーなかろうか??
実際、海外のコレクターの間でもこのファーストの初回プレスLPは、かなりの高値で取り引きされてるそーな。
四人囃子は、岡井大二と森園勝敏が高校時代に'ミュージックライフ'のメンバー募集から参加した中村真一の3人で結成した'ザ・サンニン'が母体となり、やはり森園の高校時代の友人の坂下秀実の4人で結成された。
当初は、
DeepPurplePinkFloyd(何と'Echos'をフルコーラスでやっていた???)、Procol Harumのコピーから始まり、その後オリジナル曲を演奏するようになった。
(ちなみに、最初のオリジナル曲'ライトハウス'は、一度聞きたいよなー。祈願!!!ボックスセット入り!!)
1972年には、当時絶大の人気を誇った'フラワー・トラベリン・バンドの全国ツアーの前座を務め、そして自身の事務所'COOL OUT'を設立、杉並公会堂で'ミラージュ オブ 四人囃子'というワンマンコンサートを開催、これが東宝レコードの目にとまり、'俳優座コンサート'を経て、'74年に映画'二十歳の原点'のサウンドトラックを担当、サウンドトラック盤も発表されたのでありました。('二十歳の原点'のサントラ盤は、当初収められていた詩の朗読部分をカットし、'一触即発'期のライブをボーナストラックとして、9月21日→正確には9月25日〜訂正に初CD化される)
ちなみに、俳優座でのコンサートは東宝レコード向けのデモテープとして録音されたもので、後に'
73 四人囃子'として発売されたのだけど、これが四人囃子側は発売させたくはなくて法的処置も考えたそうだけど、結局押し切られた形で世の中に出回ってしまったのでありました。
ミスもあるし、音も然程良くも無いのだけど、演奏はなかなか迫力のあるライブでありました。
 さて、'
一触即発’だけども、この当時の四人囃子のサウンドは一言で言えば、DeepPurplePinkFloydをいっしょにして、日本的叙情を加えたもの'と表現して良いかと思う。
同じように
DeepPurpleの影響を受けた'カルメンマキ&OZ'がKingCrimson的な要素をいっしょにした点等と比べても、面白いかな??
ただ、
DeepPurplePinkFloydをいっしょにするなどという行為は、多分これまでブリティッシュロックの世界でも見られなかった訳で、これがまさに四人囃子を個性的な存在にした要因の一つなのかと思うんだな、これが。
収録曲は'FACE: A'が
PinkFloyd的な要素が強く、それに日本的なフォークミュージックの要素が絡まってなかなか不思議な雰囲気を持っている。
2曲めの'おまつり'の最後のパーカッションソロは元頭脳警察の'石塚トシ'。
'FACE: B'は、まさに代表曲になってしまった公害の詩'一触即発'とシュールな'ピンポン玉の嘆き'。
何曲かは'
73 四人囃子'に収められているが、基本的なアレンジはほぼ俳優座コンサートの段階で固まっていたと思われる。
これらの収録曲は、後々までファンがいつも聞きたがる曲ばかりだったのだけど、逆にこれが'
一触即発'から四人囃子を離れさせられなくし、逆にプレッシャーになったのかも知れない。
特に'一触即発'をやらなかったライブなんか、ほんとに片手で数えられるもの。
しかしながら、この傑作アルバムは世界に誇れる出来だった点は筆者も、それは否定しないし、そいつは絶対に無理だ。


 '一触即発'発売後、四人囃子の人気もかなりのものになった。
(ただ、当時の日本のロック市場は非常に小さいもので、今のJ-POPのような活況にはないのだけど)
実際、'ミュージックライフ'の1975年度の人気投票/ドメスティック部門では、バンド、メンバー個々ともに上位にランクされたんだから。
'
一触即発'を発売した1974年の8月には、'日本のウッドストック'を表した郡山の'ワンステップ・フェスティバル'に参加。
この時のステージは、メンバーに言わせると最悪の状況の演奏だったそうだけど、逆に観客やマスコミに絶賛されちゃいました。
ちなみにこの時のステージは筆者の記憶では、ほんの一部だけど確かテレビマンユニオンが制作した'ワンステップ・フェスティバル'のドキュメントでテレビ放送された筈。
このフィルムがフルレングスで残っていてくれれば......
BOXセットにこの時の音源、入らないかなー......
さて、この後キーボードの茂木由多加が参加して、ツインキーボード編成(しかも5人なのに四人囃子??)となったのだけど、中村真一が'かたぎの仕事がしたい(と言ったかどうかは不明だけど、似たようなニュアンスが理由)'と脱退、以前茂木由多加と万華鏡、ミスタッチと言ったバンドでいっしょに活動していた佐久間正英が準メンバーとして参加(実際、'この人、臨時のベーシスト'と報道された事あり)、この編成で今は無き後楽園球場で1975年8月に行われた'ワールドロックフェスティバル'にJeffBeckやジョー山中、クリエイションらと共に参加、この'ワールドロックフェスティバル'は後楽園球場だけでなく、一部のバンドを入れ替えながら全国ツアーが行われたのでした。
ちなみに、筆者が生で四人囃子の演奏を聞いたのは、この'ワールドロックフェスティバル'。
この時聞いた'一触即発'はまさにすんごい演奏だった。
確か当日はAMのニッポン放送が演奏を収録して、深夜に流した筈。
うん、音源はあるな。
このステージもBOXセット収録して欲しい!!!!!
この後、東宝レコードよりシングル'
空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ'を発売、キーボードの茂木由多加もこのシングルのみで脱退、佐久間正英も無事正式メンバーに格上げ(??)されたそーな。
曲にほうは'
73 四人囃子'に収められているようにデビュー前から出来ていたようだけど、ただアレンジは未だ未完だった。
当然、この曲は'ワールドロックフェスティバル'でも演奏されたけど、この時は完全にシングル盤に収められたアレンジになっていた。
この曲、歌詞が非常に印象的、現実と映画を行き交うSF的だけど、日本的な雰囲気を持ったもの。
B面に収められた'ブエン ディア'は、軽快なインスト曲で、はっきり覚えていないけど、どこかのラジオ局が交通情報のバックに使っていたと思うんだけど....
さて、バンドの方はこのシングルを最後に東宝レコードを離れCBSソニーに移籍、かの傑作’
ゴールデンピクニックス'を発表するのであります。


 CBSソニーに移籍した四人囃子は、約1年半ぶりにアルバムの制作に入った。
これが、かの傑作'
ゴールデンピクニックス'なのである。
このアルバムのどこが凄いかと言えば、当時としては破格の長期間3ヶ月総録音時間300時間(2001.10.28一部掲載中止)を優に超える手間と時間をかけて、練りに練った作品を作り上げたんだから。
そりゃ時間をかければ良いってわけじゃー無いが、その時間と手間(2001.10.28一部掲載中止)をかけた事がこのアルバムを創るのに、絶対的に不可欠のものだった事も事実。
収録曲6曲はいずれ劣らぬ名曲ぞろい、後のライブでは欠かせない曲になる'カーニバルがやってくるぞ'(この曲は茂木由多加在籍時の唯一の痕跡とも言われる)、'なすのちゃわんやき'、'レディバイオレッタ'が収録されているし、何と言ってもその曲想とスケールの大きさに驚かされる'泳ぐなネッシー'(坂下秀実、一世一代の大傑作!!!!)が収録されているんだから。
多分、'泳ぐなネッシー'はこのレコーディング後、アレンジがあそこまでなってしまった事もあってか、一部パートをメドレーで演奏する以外、全曲演奏は後の'包コンサート'まで演奏される事は無かったと記憶している。
録音状態も抜群のもので、しかも非常にアナログ向きの仕上げがされている。
特に'レディバイオレッタ'のアコースティックギターの音は抜群で、後にCD化された際、多分リマスタリングも行われなかったのだろうけど、圧倒的にアナログ盤のほうが良かったのが非常に印象的。
ちなみに、このアルバムのタイトル'
ゴールデンピクニックス'はレコーディング中に食べていたアイスクリーム(実際、そのアイスクリームを森園勝敏が食べる瞬間をどうぞ)(2001.10.28一部掲載中止)からついたのは、あんまし知られていない話。
そんなこんなで傑作をものにした四人囃子、CBSソニーも大々的にプッシュして大プロモーションを展開するスケジュールを立てていたのだけど、何と看板ギタリストの森園勝敏が脱退(!!!!)、この為、アルバム発表後のプロモーションは大苦戦となる。
急遽、ハルオフォンのギタリスト、プリこと小林氏と安全バンドのサックスプレイヤー中村哲氏をサポートメンバーとしてフジテレビに出演、何と佐久間正英がボーカルを取り、'カーニバルがやってくるぞ'、リコーダのパートをサックスに変えて'なすのちゃわんやき'を演奏、レコード発売記念の日比谷屋音でのコンサートも、多数のゲストバンドを入れて、何とかこなすという極めて苦しい状況となった。
(実際、この時の'ロッキンF'のリポートはかなり辛辣なものだったと記憶している)
この後、7月の後楽園球場で行われた’
サマーロックフェスティバル'でのライブを最後に、一時活動休止状態に入ってしまったのだった。
筆者も、このコンサートを見たのだけど、何せボーカルがいないもんだから、かなり選曲に苦しんでいたと思う。
曲は、'カーニバルがやってくるぞ'が確か唯一のボーカル曲で、後は殆どインスト系、'なすのちゃわんやき'、'レディバイオレッタ'、'泳ぐなネッシー'のインストパート等だった。
この脱退劇は、四人囃子史上、一番衝撃的な出来事だったのだけど、森園勝敏は脱退後に和田アキラ率いるプリズムに客員参加、後に正式メンバーになっていった。
でも、この時のサポート付き四人囃子(つっても実際は3人!!)の演奏もBOXセットに入っても良いと思うんだけど(^^)。
特に、佐久間氏が唸る(佐久間さん、ごめん)'カーニバルがやってくるぞ'は、収録して欲しいなー。
 さて、次回は佐藤満参加によって再び活動を再開した四人囃子、そして2度目の活動停止迄をお送りしませう。
では、またお楽しみに(^^)/。

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