先日、四人囃子/ボックスセット発売決定記念特集も3回とおまけが1回で終了したわけですが、最近、四人囃子オフィシャルホームページで、何と四人囃子史上、もっとも在籍期間の短かったキーボードプレイヤーの茂木由多加氏の話題で盛り上がっております。
実は、茂木氏は四人囃子脱退後に2枚のソロアルバムを残しているのです。
正直、今まであまりメディアに取り上げられる事のなかったこの2枚のアルバムですが、なかなか良質な作品なのです。
そこで、今回は茂木由多加氏のソロアルバムを紹介しませう。
では。
さて、茂木氏と言えば、四人囃子の'79年のシングル'拳法混乱(カンフージョン)'、そしてやはり'79年の'NEO-N'に参加しています。
四人囃子は、'79年の'NEO-N'発表後、活動を停止しましたが、茂木氏は四人囃子の佐久間氏、岡井氏の協力の下、2枚目のソロアルバム'FLIGHT INFORMATION'を'80年に発表しました。
このアルバム、何といってもレコード帯に'空前のメタルエレガンス'なんつー凄いジャックが書かれていますが、内容は茂木氏のキーボードを中心にしたきちんとアレンジされたインストが収録されています。
まあ、編成がキーボードトリオですし茂木氏のソロアルバムだからキーボードが中心なのは当たり前ですけど、特にソロというわけではなくショートフレーズですが佐久間氏がなかなかかっこいいギターを弾いています。
(このアルバムで、ようやく佐久間氏のギターが好きになった筆者なのでした^^)
特にオープニングの'NEAR MISS'は茂木氏のシンセサイザー、佐久間氏のギター、そして岡井氏のダイナミックなタムワークといい、傑作です。
後半のSony Skysensorでキャッチした音を交えての演奏もなかなか(ホルガー・チューガイかね^^)。
B面の'TELSTAR'も後半の人声(ボコーダではなくてシンセサイザーで作った音でしょう)を交えたアレンジなんか、モー最高!!!!!!。
ユーモアがあって緊張感もあるという変な感じの'DIE DEUTSCHE IDEOLOGIE'は、とにかく変だけど、おもしろいったらありゃない。
とにかく、演奏面で佐久間氏と岡井氏のリズムセクションに支えられて、茂木氏の演奏はさえっぱなしである。
まあ、こりゃドラムだけ変わったミスタッチなのかもしれないねー。
さすがに、レコーディングだから演奏中にオルガン倒す事はなかったでしょーけど。
曲はA面ラストの'THE TWILIGHT ZONE'とB面トップの'TELSTAR'というチョー有名な曲のカバー以外は、全て茂木氏のオリジナル。
そして前作との一番の違いと言えば、プロデュース自体がやはり茂木氏自身のセルフプロデュースってところでしょう。
多分、前作は企画ものだったと思うのですけど、この2枚目はかなり好きに出来たんじゃーないでしょーか??
ちなみに、このアルバムの何曲かは、佐久間氏の七回目の誕生日ソロライブ(判る人には判る、このギャグ^^。ただ、ドラムは岡井氏ではなかったと記憶しているけど)で演奏されました。
(あるスジからの情報で、この日のドラムは大二さんだったことが判りました。あれ??会場に筆者も居たのに??ちなみに、'DIGITAL MISTERY TOUR'の中からも何曲か、'NEO-N'からの曲も演奏されていたのでした。この日のライブは日本の民生機シンセ大活躍の日だったのです。何せ島さんまで参加してたんですから!!! 2003.05.14訂正 あるスジの方に大感謝!!!)
この後、茂木氏もスタジオワークやらアレンジャーとして仕事をしているみたいです。
残念だったのは、四人囃子の'89年の再結成ライブに茂木氏が参加しなかった事でしょうか??
そうすりゃ、きっと茂木氏を含めたミスタッチ時代のオリジナル'カーニバルがやって来るぞ'が絶対に演奏されたでしょーに。
さて、最後にこの文中にも登場しましたが、アスキー出版社の'電子音楽
イン・ジャパン'は、日本の過去の音楽シーンを書いたムック類の中では、久々の出来の本です。
昨年出た本ですけど、まだ市場にはあるでしょう。
とにかく、ここのところ色々出ている日本の音楽シーンを書いた本は、どーも間違いというかひどい勘違いが多いんだけど、この本はかなりしっかりインタビュー、取材をして書かれています。
(うーん、あのアスキーが....)
中心は、タイトルどうり日本の電子音楽が段々ポピュラーミュージックに浸透していく歴史を書いているんだけど、大阪の万博当時やら旧NHKの電子音楽スタジオのお話、それにプラスチックス時代の佐久間氏やらYMOやら、P−モデルやら、ヒカシューやら、あのイノヤマランドやら、バッハレボリューションやら、とにかくてんこ盛り。
これは、買っても損はないっすよ。
ちなみに、アルバム紹介に茂木氏の'DIGITAL MISTERY TOUR'も出ております。