放浪の日本最古のバンド〜dis-covered(99.12.19)

 天下のSONYに三行半を叩きつけ(??)、またまたレーベルを変わってしまったMoon Riders、結局'ドリームマシーン'というレーベルを立ち上げ、ディストリビューションをワーナーにするという荒技を出し(昨年から荒技続きだなー、おじさん達^^)、ようやく新譜が11月に届きました。
ところがこいつが、何とあのSONYから出した'月面讃歌'のオリジナルトラックと来ました。
よくもまあ、権利関係クリアしたなーと感心する事しきり(というか、多分音源の版権一切はMoon Riders側で押さえてたんでしょーね???、でもオリジナルマスターの権利問題って厄介な筈なんだけどな.....)。
そんなMoon Ridersの新譜を紹介する事にしましょう。
では。


dis-covered こいつが問題の'dis-covered'です。
を見ると'ついにマスター発見!「月面讃歌」オリジナル・ミックス(?)'と書いてあります。
まあ、オリジナルも何も、先にも書いたようにオリジナルマスターの版権を抱えてSONYを飛び出したんでしょうし、それに実は深読みするとSONYに残した音源自体は、結局、例の外部プロデューサに好き勝手にさせた音源ばかりだから(と言っても、'月面讃歌'は別の筈だけど....)、その音源の権利をSONYに置いてきても別に何も問題無いのかもしれなくて、実はそれを狙って、オリジナル音源を外部プロデューサに弄くり倒させたのかな???とも思えたりして......
まあ、そんなことはさておき、一応オリジナル・ミックスと唱われたこの音源を聞いていくと何故、'月面讃歌'で外部プロデューサに弄くり倒させたのかってのが、判るような判らないような、変な気分にさせてくれます。
実際聞いてみるとかなりの曲はどうもラフ・ミックスなのかなー???って気もしてきます。
つまり、例の外部プロデューサに依頼する際に創ったラフなのかなーって感じなのです。
特に、ドラムスの処理が中途半端な(例えば'Sweet Bitter Candey'とか....)気がしますね。
シンバルの音やタムの音はモロまんまの音で飾りなしだし、特にシンバルのエコー処理なんか殆どしてないんじゃーないかとも思えてしまいます。
まあ、MoonRiders側のそれが狙いなのかも知れない(何せ、一筋縄でいくおじさん達じゃーないけんね^^)。
但し、一つだけ判ったのは、あの外部プロデューサの起用による演奏の差し替えやリミックスって、正直原曲の良さをそいじゃった部分もかなりあったんじゃーないかな???ってところです。
というのは'月面讃歌'というアルバム自体、正直筆者はあんまし自宅や車でヘビーローテーション状態にしなかったんです。
確かに、現代的というか昨今のハードコアやらビックビート、クラブスタイルのミックスやらアレンジってのは新鮮でもあったし、それを外部に出しちゃうというMoonRidersの自信と余裕ってのは感じられたのだけど、何か曲の良さがそがれてるんじゃーないかな??ってトラックも多かったと思うのです。
つまり、自然に曲の良さを感じられない部分も多かったような気がするのです。
今の音楽業界、正直言って機械使っていろんな事出来ます。
だから、カットアップやコラージュの手法('70年代は大変だったのに....だからドイツのFaustは評価されるのです)は今ではもう好き放題に出来るようになったんですね??
まあ、音楽の世界、特にポピュラーミュージックの世界ってのは元々アレンジによって曲に新しい良さを引き出すってのは昔っからやられていた事なんだけど、その世界って、実は原曲の良さをどれだけ出すか、保つかってのがあったと思うのです。
でも、最近のリミックスやらDJスタイルって、そんなもん端から無視してる面が強いと思うのですよ。
'月面讃歌'も、そんな悪い方の面がどうも目立っちゃって、筆者の興をそいでくれたように思うのです。


 そんな漠然とした気持ちが今回の'dis-covered'ではっきりしちゃったのは、ある意味皮肉な話でもあるのですが、特に、今回'幸せの場所'、'窓からの景色'、'海辺のベンチ、鳥と夕陽'、それに'Lost time(ロスタイム)'なんかは、原曲ってこんなに良かったんじゃん!!!!と痛切に感じている今日この頃なのです。
それにあんまし好きじゃなかった'彼女はプレイガール'を再評価してしまったり......
もう、これは筆者の勝手な解釈なんだけど、本当はMoonRiders自身、'月面讃歌'があったから'dis-covered'として今回、こんなアルバムをリリースしたのじゃーないか???って思えてしまうのです....


そう言えば、MoonRidersMP3による音楽配信実験(URL:http://moonriders.maa.gr.jp/)に参画しました。
最近、色んなミュージシャンがMP3を使用した音楽配信をしていますが、筆者も幾つかを実際に聞いてみましたけど(当然MoonRidersのもです)、正直な話、パソコンで音楽を聴くってのはあんましよろしくないです。
確かにエンコード/デコード技術は上がってますけど、再生装置としてコンピュータを使用するってのは、感心出来ませんねー??
幾ら、パソコンに良いスピーカ付けたってねー、殆どノイズ(デジタル、アナログ含めて)の巣であるパソコンに再生させても、正直良い音で聞くなんてーのは無理なんだよねー??
まあ、RioみたいなMP3プレーヤのほうが未だましかも知れないけど....
確かに音楽をデジタルコンテンツとして扱うのは、将来的にも十分有望なビジネスであるとも思うのですけど、その再生装置は、それなりの質を持って欲しいものです。
はっきり言ってパソコンで聴く音楽なら、ラジカセのほうが未だましだもの。
その辺、デジタル家電を目指す家電メーカにも今のコンピュータ屋なんかより、よっぽど良いものを創れると思うよ。
何で、インターネットやデジタルコンテンツをコンピュータ(特にパソコン)に結び付ける必要があるのか、すんごく疑問......

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