The Room Of Pirate

Canterburyの夢(2003.05.18)

 ここのところ、四人囃子だ、Crimsonだと、ライブ三昧の日々を過ごしていましたが、そういえばブート話を書いていないな??と思う今日この頃。
そんなある日、よく行くCD屋で久々に'あ、これは買い!!'と言うブートに出会いました。
今年に入ってブート雑誌の一方の雄'GOLD WAX'が廃刊と、ブート業界もかなり締め付けに苦しんでいるかと思いきや、なんだかんだ言って新譜は市場に供給されているのでした。
そんな、久々に購入したブート、それはCanterburyのスーパーグループ(あ、死語だ^^)の音源でした。
そんな音源とともに昨年秋から今年にかけて購入していた数枚を絡めて、紹介していこうかと思います。
んでは(^^)/。


 まず一枚目は、昨年秋にAYANAMIレーベルから登場した Hatfield & The Northの'74年のライブ
以前紹介したゲストてんこ盛りライブ'CALYX'と同時期(何と、同じ月の月末と来ました)の音源ですが、こちらはメンバー四人による演奏です。
オープニングからセカンドアルバムの重要曲'Your Majesty is like a cream donut(Loud)'からスタートするというクライマックス前倒し版と来ました。
他の曲はやはりファーストからの曲が中心となっています。
演奏の方は'CALYX'と違ってメンバー四人だけですんで、かなりすっきりとした印象です。
'CALYX'の方はゲストが多すぎて、誰が何やってるのかよくわからない団子状態の演奏でしたので、これを聴くと印象が全然違う感じがするのも致し方ないでしょうね??
音質的にも'70年代オーディエンス録音にしては分離もそれなりにしてまして、聴きやすいかも知れませんね??ブート初心者にも。
まあ、とはいえHatfieldなんで、曲の展開も細かく、そして早く、Softsから続くCanterbury伝統の短い曲をアレンジしてメドレー形式で演奏してますんで、その点では聴く人を選んじゃうのかな???
いずれにしても、音も演奏もなかなかよくて、AYANAMIレーベルの底力を感じます。
Hatfield & The Northって結局二枚だけですけど素晴らしいスタジオ盤を残してくれましたけど、本質的にはライブバンドなんだよ、ホントにって思っちゃいますね、これだけの演奏を聴くと。


 お次も昨年末にAYANAMIレーベルから登場した Hatfield & The Northのスタジオライブ集
BBCで行われたスタジオセッション音源集です。
元の音はエアチェックテープでしょう、音質的にはまあまあのモノラルと言ったところでしょうか??
ただ、AYANAMIの丁寧な仕事で年代順にきちんと並び、ちゃんと放送日(収録日では無いよね??)や録音場所のデータも記載されていまして、これはこれで非常にありがたいです。
内容的には、最後の'John Peel Show'の演奏がさすがにセカンドアルバムの制作に近い時期でして演奏も充実しています。
でも一番の白眉はやっぱ'Top Gear'セッションで収録された'Top Gear Commercial'でしょうな。
何と、ラジオで放送される'Top Gear'用のコマーシャルをHatfield & The Northが自分たちの解釈で演奏しているわけでして、何か、ちょっと抜けた感じの演奏が面白いっす。
さて、この二枚、AYANAMIの仕事が見事なもんです。
こうゆう丁寧なマスタリングが(音切れも実はあるのですけど....)、他のレーベルにも定着していくとよいですな....
あ、でも思ったんすけど、Virginにあれだけまともなプロモーションをして貰えず、生活さえも苦しかったと言うHatfield & The North、だけど業界はそれなりに認めていたんですな。
じゃなくちゃ、BBCがこんなにプッシュするわけもないものね??


 さて、先日入手したブートというのが、こちらのNational Healthのライブです。
何と二枚組、多分フルレングスの収録でしょう。
音の方は、ちょっと苦しい部分もありますけど、演奏の方はとにかく充実した演奏が繰り広げられています。
注目すべき点は、BassNeil MurrayからJohn Greavesに代わりセカンドアルバム'OF QUEUES AND CURES'の準備をしていた時期でして、演奏されている曲の方も代表的な'Tenemos Roads'、'Elephants'なんかはセットリストに残っていますけど、ベースはセカンドアルバム収録曲を中心に演奏されているのです。
セカンドアルバム'OF QUEUES AND CURES'は実際、ファーストよりもNational Healthのスタイルが確立したと言ってよい名盤(と言いながらも、Daveはセカンドアルバムについてはあまり気に入っていないそうですけど)ですが、ここで収録された演奏を聴くと、ライブ用にかなり拡張したアレンジなんかは、かなり緊張感もあってよいですね、これ。
John Greavesのベースは、Neil Murrayよりもカンタベリー臭いというか、ファズの使い方なんか正統派Canterburyのベースでして、ウネウネしたリフとかも含めて、Richard Sinclairっぽくもあります。
とはいえ、Daveの鍵盤がEGG時代のネオクラシカル的なプレイが強い事もあり、決してHatfield & The Northに戻ってはいないのも面白いところでしょう。
本来はAlan Gowenとの双頭バンドということでAlanのジャズとDaveのネオクラシカルスタイルの融合を狙っていたわけですけど、Alanが結局参加していない分、Jazz色は後退していると言えますね??
だけど、この時期のライブ音源がこうしてフルレングス(多分)で市場に出てくるとは、よい時代になったのか??それとも??


 さて、今回は都合三枚のブートを紹介しました。
ちなみにこの三枚、いずれもCD-R盤です。
以前にも書きましたけど、ホントブートもCD-R盤が増えています。
まあ、カタログ数を増やすにはプレス盤よりもこちらの方が有利なんでしょうね??
ただ、プレス盤よりも入手する時に後ろめたさが強いのは、やっぱCD-Rだからでしょうかね???

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