いやー、しばらくブート話をしてませんでしたね??
ここんところ、正規盤で色んなもんが手に入るんで、ちょいとブートから離れているんです。
で、久々に何か書こうかな??と思っていたら、どーんと初期四枚の再発が行われたJohn Foxxなんかどーかな??なんて気になりまして(^^)。
まー、書く気になったのはもう一つ理由があるんですが、それは後で。
んでは、何と数少ないJohn Foxxのブート話でも....
元ULTRAVOXのJohn
Foxxと言えば、正直ULTRAVOX時代は不遇な状況でして、その後独立してソロになって、初期四枚のアルバムを発売します。
今回、日本でも昨年末から今年にかけて紙ジャケ盤で再発となりました。
(以前のリイシューとボーナストラックも違っているようです)
まー、ULTRAVOXと言えば、Midge Ure加入後のブレイクが有名でして、Johnが参加していた初期三枚は、どちらかといえばミュージシャン受けする作品ではあったのですけど、一般受けは今一つだったのですね??
ULTRAVOXを脱退したJohnは'80年にセルフプロデュースでファーストソロの'Metamatic'を発表します。
内容的にはかなり冷たい感じのするこのアルバム、殆ど一人で作り上げたわけですが、多分日本製の民生機を中心としたシンセ、リズムボックスの上で淡々と進むJohnの唄はかなり、不思議な感覚でした。
それでも、このアルバム、英国ではチャートで最高18位まで行ったのだから、まーソロ出発時としては立派なもんでしょう。
この後、翌年にあの傑作'The Garden'を発表、ちょっとチャートアクションは下がって英国最高24位とはなりますが、英国を起点としたニューロマンティクスブームもあってか、何とトップナンバーの'EUROPE
AFTER THE RAIN'は日本でもホンダのCMに使われたりなんかしました。
そして、ある意味一般にアピールすすようなアルバム'The Golden Section'を発表後、殆どライブなんかやらないだろうと思われていたJohnが何とワールドツアーに乗り出しました。
今回紹介するブート、それはそんな'83年に行われた'THE
GOLDEN SECTION TOUR 1983'、しかも現在までに唯一行われた日本ツアーのライブなのです。
このツアー、それなりに話題になりまして、東京/大阪等、数カ所でライブが行われました。
筆者も東京公演、新宿厚生年金会館でのライブ(11月7日)を見ております。
残念ながら、今回紹介するブートは東京公演ではなく、大阪万博ホールで行われた11月5日大阪公演の模様です。
当然、ラインなんかではなくて、オーディエンスのテープ取りですが、内容的には筆者が見た東京公演と同様、なかなか充実した演奏を聴く事が出来ます。
このツアー、JohnのULTRAVOX時代からの盟友、GuitarのRobin
Simonを含む五人編成のバンド形式で行われました。
まー、'The Golden Section'自体がかなりバンドサウンドを意識したアルバムでしたし、その当時人気も絶頂期にあったMidge率いるULTRAVOXに対する意識もあったのかも知れません。
音の方は、多分カセットだと思いますけど、意外と良く録れています。
多分、ステージ近くではないとは思われます。
曲は'The Golden Section'に納められていた'Running Across Thin Ice
with Tigers'でスタート、ちょっとボーカルがヨれていますが、まー一曲目なんでしょーがないかな??二曲目の'Walk
Away'からはボーカルも調子が出てきていまして、演奏の方もなかなか安定してます。
曲のセレクトの方はファーストからの曲は無しでセカンド、サードの曲なんかがちりばめられています。
このツアーで、筆者が見たときも思ったんですけど、QUIET MANとか呼ばれていたJohnが、実はかなりエネルギッシュに唄っていたところですかね??
Johnは途中でボコーダでの多重コーラスチックな演出も行っていまして、まー、基本的にボーカルはJohn以外はとっていなかったのと、それと'The
Garden'の曲を再現するのにもボコーダは不可欠だったんでしょう。
ちなみに、Johnが高く評価しているRobinのGuitarはスタジオ盤にかなり近い演奏をしています。
(と言っても、ちょっと安定感に欠ける部分も見られますけど....)
ドラムは当時色んなバンドがライブに持ち込んでいたシモンズを使用していまして、特にバスとスネアの音は独特のシモンズサウンドが聴かれます。
で、一番驚いたのは先のボコーダで再現した'Pater Noster'。
さすがにスタジオ盤のような多重コーラスを完全に再現は出来ませんけど、それでもかなり近い感じで演奏されてます。
ただ、リズムが無茶苦茶早いというか、ドラムも含めて演奏が思いっきり走ってるのはご愛敬??
確か、この演奏の時、東京ではミラーボールが廻った筈.....
この録音、ちょうど'The Hidden Men'のところで音がこもって演奏が一端唐突に切れますが、ここは多分テープチェンジしているからでしょう。
そんで、後半はULTRAVOX時代の'Slow Motion'からラストはかなり盛り上がった'Systems
of Romance'で一端幕を閉じます。
観客から'エー!!!'なんて声が飛んで拍手の中、再度登場して演奏はアンコールへ。
('VIENNA!!'なんて叫んでいる観客がおりますが、おまえねー???)
曲はやはりスタジオ盤にかなり忠実に'The Garden'。
この演奏、さすがにSE部分はテープを使っているのでしょうが、この日の演奏では本編ラストの'Systems
of Romance'と同じくらい充実した演奏です。
この後もう一曲、やはりULTRAVOX時代のナンバー'Can't Stay Long'。
ここで再度、演奏は一端終了し、再々度のアンコールは、多分お蔵入りになった曲('My Lady For You'とか言って曲紹介してますが...)で幕を閉じます。
こちらの方は、確かに四枚目のアルバム'IN MISTERIOUS WAYS'に入っても良いかな??微妙だな、ちょっとポップと言うかホントAOR色の強い曲調でして(なんせ、曲の途中の歌詞が'Try
Again'の繰り返し!!!AORでよくありがちな歌詞だ....)、そんなところでJohnのスタイルに合わないと判断されてお蔵入りしたんでしょうね??
言葉で説明するなら、そーですね??四人囃子の'レディ・バイオレッタ'がもしボーカル付きだったら??なんてのじゃ良くわかんないかな??
さて、このブートに収録されたのは以上ですけど、確か東京では'Sitting At The Edge Of The World'もやったと思うんだけど、それは筆者の思い違い???
さて、John
Foxxの数少ない初期ソロ活動期のブート音源、いかがだったでしょ??
この盤を発売したのは今は亡きAYANAMIレーベル、所謂プログレ専門と思ってたので、購入した当時はかなりびっくりしましたが....
で、今回なんでこれを紹介しようと思ったかというと、2001年に完全復活(??)したJohn、昨年末にかけて怒濤のアルバム発売ラッシュでして、そんなアルバムをせっせと買い込んでいましたら、同時期のツアー音源と'97年のライブ音源(と言っても一部はスタジオ音源らしい....ライブもラインなんで良くわかんない....)のカップリングものが2002年に発売されていたのです。
まー、筆者が入手したのは昨年なのですけど、それを聴いていたら、'あ、そういえば....'と思って思い出したのが、先のブートなんです。
音の方はさすがにオフィシャル盤なんで、'83年のツアー音源の方はかなりのものです。
それと興味深いのはこのツアー音源、先のブートの日本公演の直前の10月の音源なんですよね??
演奏の方は、もしかしたらマルチで録ってあって差し替えもしてるかも知れませんけど、かなり密度の高い演奏が聴けます。
まー、残念ながらJohnは'83年のツアーの後、'IN MISTERIOUS WAYS'を発表しますが、チャートアクションもふるわず、加えて売れ線路線に嫌気がさしたのか、音楽的には隠居状態に入ってしまうのですが....
(余談ですけど、'IN MISTERIOUS WAYS'って、筆者はかなり好きなんですけどね???)
完全復活したJohn(??)、も一度、日本に来ないですかね???
と言っても、バンドスタイルのツアーはもうやらないでしょうけどね???