みねの部屋







2017年6月最後の週末、奥秩父の沢に行こうと出掛けたが、朝から雨で沢登りをあきらめ、サブプランの雲取山登山に向かった。三峰神社の駐車場から雲取山をピストンして駐車場に戻り、帰り支度をすすめるなか、トイレに向かった。

いつもなら広い駐車場の真ん中を突っ切って歩くところ、その日はなぜか駐車場の左隅に寄って歩いていた。ふと何かの声がして足を止めた。小さく猫の鳴き声がする。周囲を見回しても姿はなく、空耳かと思ったが、足元に目をやると猫がいた。

小さな猫で、しゃがんで背中を撫でると、手に伝わったのは背骨の凹凸の感触だった。以前飼っていた猫は肥満傾向だったので、背骨の感触など感じたこともなかった。

前の猫を亡くして3年半、そろそろ猫を飼いたいといつも思っていた。撫でながら考える。ここは奥秩父のパワースポット。この縁はもう拾って帰るしかないと決断した。しかし入れていく箱がない。開いている店を探して三峰神社の参道にある土産物屋に走り、空き箱をもらう。そこで捨て猫であることも確認する。山行の同行者の協力も得て、5時間の長旅の末、みねちゃんは飼い猫になった。

名前は三峰神社に由来する。拾った時点で雄雌は分からなかったので、オスなら「三峰(みつみね)」、メスなら「みね」と、帰りの車の中で決まった。

生後1年くらいの仔猫だろうと思ったが、動物病院では少なくとも5歳はいっている。もしくはそれ以上とも…。ちょっとショックだったけど、肝臓の数値は悪いけど薬を飲んで元気だし、ちゃんと最後まで飼うつもりなので、これからも元気で過ごしてね、みねちゃん。


国芳の「みじめ」を地でいく拾った当初のみねちゃん
























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