4.グレードアップ!(初心者編)
大抵の人は音楽を家ではラジカセかミニコンポ、あるいは車の中で聴くのだろう。ここでは特にミニコンポで聴いている人に向けた簡単なグレードアップ方法を取り上げてみる。
1.スピーカーケーブル
最近のミニコンポのスピーカーは実際には侮れない性能を持ったものが多く、昔のように「グレードアップはスピーカーから」というのは当てはまらなくなっている。もちろんそれはある程度の価格帯に位置するコンポ(カーオーディオのようななりをした2〜3万のではさすがに…)に言えることだ。それでもミニコンポに20万も出していた自分の高校時代に比べれば6〜7万でそれなりのものが買える今は恵まれていると言っていいだろう。
さてその侮れないスピーカーだが、本体との接続には初めから付いていたケーブルを繋げていると思う。もしそれがかなり細いものならば、是非市販のものに替えてみることをお奨めする。よく聴くミニコンポの音は高音がガシャガシャしている。もちろんそれが普通と思って聴いているのでなんとも思わないのであろうが、そこでスピーカーケーブルの登場である。これを替えることでこのガシャガシャ感が抑えられ、きれいな音になる。もちろん人によっては「おとなしすぎる」と感じてしまうかもしれない。しかしこちらの方が本当の音に近いのだ。実際には高音だけでなく、低音のコクのようなものが加わるはずだがこれは解らないだろう。とにかく聴き疲れしにくい音になることは確かだ。
スピーカーケーブルはいくらするのか?安いものは¥50/1mから、何万円もするものもあるという、ピンきりの世界なのだが、そんな高いものは論外として、¥200〜¥300/mで十分だ。付属しているものは¥30〜¥50と見ていいだろう。それだけでかなり違う世界が体験できる。
その長さはもちろん本体からスピーカーまでの距離に少し余裕を持たせた程度でよい。大抵は1〜2mで十分だとは思うが、壁に掛けたりする人は当然それだけ長くなるので買う前にはきちんと長さを計算しておくこと。
あと注意しなければならないことは、ケーブルの太さだ。まあそんな高いものでもないかぎり太すぎるものを買うことはあるまいが、スピーカーの端子に入れにくいので買う前に端子の大きさを見ておいたほうがよいだろう。
さて買った来た。まさかビニールに包まれたままで端子に差し込むことはないだろうが、端末処理をしなければならない。ニッパーがあればいいが、無くてもはさみで少しづつ切れ込みを入れながらやれば出来る。中の銅線が一緒に切れてしまうかもしれない。まあ2〜3本切れてしまうのは仕方がないが、あまり切れているようならまたちょんぎってやり直し。そしてなるべくきれいな手で銅線をよじって端子に差し込む。これで出来上がり。ちなみに、右の写真のケーブルはそれぞれ上から¥1800,¥600,¥160。太さも様々だ。たとえ¥160でも違いはある。一般的には太いほうが低音改善に効果があると言われる。ただし一番上のやつ(ベルデン727)は普通のスピーカーには太すぎて接続できない。
2.セッティング
つまりは配置のことだ。
普通部屋で音楽を聴くとき、寝転がったり座ったりと様々と思う。基本的には座って2本のスピーカーとの間に二等辺三角形を形作るように…といういわゆるリスニング・ポジションをとることを勧めたいのだが、実際には無理だろうか。しかしいい音楽を聴いていると自然とからだがそういう姿勢を取っていることはあるかもしれない。
一番重要なセッティングはやはりスピーカーの位置だ。よく見られるのが2本のスピーカーの高さが違うセッティングだ。段違いの棚などを使って洒落た部屋にあればインテリア的には面白いが、少しでも「音楽を聴く」ことを念頭に置けば、この様なセッティングは一番やってはいけない。必ず左右のスピーカーは同じ高さにすること。
スピーカーを置く台として一番使われるのがローボードの様な低いものだろう。置く際に気を付けたいのがなるだけベタ置きより何か間に噛ませたいことだ。ホームセンターで売っている防震ゴムで出来たスぺーサーか、手っ取り早く十円玉がいいだろう。これで音が引き締まるし、何よりベタ置きより安定するのだ。
3.配線
これはどうやってコンセントを繋いでいるか、と言うことだ。
直接コンセントに繋げれば別に言うことはないのだが、もし延長コードやテーブルタップを使わざるを得ない場合、出来ればパソコン用(OA用)のタップを使うことをお奨めする。コードが太く、しっかりしているのだ。ノイズフィルター付きであれば尚良い。自分もパソコンを買ったときにそのために買ったタップからアンプを繋いだら音がきれい(ベールを一枚剥がしたような、と言えばいいか?)になり、驚いた記憶がある。
4.スピーカーの交換
いよいよハードの交換だ。前述したように、最近のコンポのスピーカーは良いものが多いので、無理に交換する必要はない。だがラジカセ並の値段を付けたコンポだとしたらスピーカーを替えることによって別の世界が見えてくることは請け合いだ。
コンポの場合、重要なのは「見栄え」だろう。これが悪いと音楽を聴く気にもなれないし、女の子を部屋に呼ぼうという気が失せてしまったりもする。デザイン的にはバランスがとれているコンポのバランスをあえて崩すのだから慎重になる必要はある。
自分の場合は別のコーナーでも書いたが、コンポのスピーカーを「NS−10M」に替えるとき、大きさがほとんど同じだったので凄く楽だったし、見栄えもそれ程悪くならずに済んだ。スピーカーは黒、本体はシルバーという色になってしまったが、ラックが黒だったので意外と良いコーディネートになった。つまりは大きさをなるべく揃えた方が良い、ということが一つ。
また、当然重要なのは値段だ。定価でも2〜3万でかなり良いのが今は豊富にある。「NS−10M」は当時5万で、今でも相当クオリティの高いものではあるが、今の小型スピーカーは出来が良いので全く遜色はない。
値段を重要視するなら中古という手もある。ただ当然いつどんなものがあるのかは解らないので定期的にのぞいたり、インターネットで調べる、といった努力は必要だ。自分がいつも御世話になっている「ハイファイ堂」は名古屋市あるいはその周辺に在住の人ならば一度は訪れてみるといいだろう。ただ、ロープライスなスピーカーはあまり入荷しないが、時々JBLの「Control 1」などが¥16000程で入っていることがある。これは良いスピーカーなのでお奨めだ。
また「ハードオフ」も中古だけでなく、アウトレットも豊富なので新品でも安いものが手に入る。この前のぞいたらやはり「Control 1」が¥16000であった。ここはちょっとしたオーディオ関係のアクセサリーなども置いてあるので近くにあると便利な店だ。