レースはメモリアル60で見ることを決めていた。 これは比較的最近のジンクスだ。でも、一人で見るのはあまりよくない。 できれば誰かと・・・と思っていたところ、友人の一言で、メモリアルで3人で 見ることになった。合流するとさらにもう一人、見知った顔があった。
「今日はブラックホークから総流しなんだ。」と彼は言う。 なぜか心強い。不思議なレースだった。今までのブラックホークのいろんなレースを 思い出していた。抜群のスタートは1999年の京成杯AHが、その後、どんどん後ろに 下がっていくところは2000年の安田記念が、その後直線に向いてビハインドマスクを かわしていくところは2000年のセントウルSが頭を過った。
4角での手応えは抜群。でも、中盤で先頭を走るブレイクタイムと脚が同じに なったように感じた。が、そこからブラックホークがぐいと伸びる。 「ノリ!」と声をあげる友人。私は、といえば 「かわせる、かわした、勝てるんだ!」と心では叫び、実際には「あぁ」とか「うぅ」 のようにうめいていた。「勝てるんだ!」と思った瞬間、私はその場に座り込んだ。 もうすぐ仕事で遠くに行ってしまう友人が「みほさん、またノリちゃんのかっこいいガッツポーズを 見逃したでしょ。」と笑う。99年のスプリンターズSでもゴール前、きっと届かないと思って 頭を抱えてうつむいてしまって、ガッツポーズを見ていない。またもやトホホだ。 彼女も、日本を離れる前に、大好きなノリちゃんが大きなレースを勝つところを見ることができて 嬉しかったと思う。最高の餞だ。
戻って来たブラックホークは、自分が勝つのはさも当然という顔をしている。かわいい。 すごいね、えらいね、がんばったね、よかったね。尊敬しちゃうよ。君は最高だ。
ほんとに・・・おめでとう。