「よく晴れた日の午後」

サマーベイブ〜1


サマーベイブ(2000/9/4at白老ファーム)  そして私が一番嬉しかったのは、サマーベイブを心から応援し続け、横断幕を 出していた友人が、ベイブに逢えたことです。大好きな馬が元気に過ごしているところを見たい、 そう思っても馬は馬主や牧場のものです。一ファンである私達には、 見学できないところに行ってしまった馬に逢う方法はありません。 ベイブが見学不可の社台ファームで繁殖入りすると聞いた時、 彼もやはりショックでないはずはなかったと思うのです。 馬自身のためと思っても、少しの葛藤もなく割り切れるほどドライにはなりきれないのでは ないかと・・・。
 だから、彼や、私よりもずっとベイブを大事に思ってきたもう一人の友人が ベイブに逢えたことが何よりも嬉しかったのです。

 私達は、残りの見学時間いっぱいまで、ベイブに話し掛け、笑い、写真を撮りました。 不埒なファンだった私は彼らのおこぼれに預って、ベイブの素顔を 知ることができたような気がします。

 思えば、「残り(一つ)の厩舎の近くに行ってみよう。」と言い出したのも、 ベイブの横断幕を出していた彼でした。 とすると、これは偶然なんかじゃなくて、ベイブのことを 思い続けた彼が極々小さな可能性を探り続けた必然だったのでは ないかとも思うのです。大好きな馬のことをたくさん思うから、どんな小さなチャンスも 逃さずに、あの日、ベイブに逢えたのだと・・・。 よく晴れた日の午後に光に包まれているような、そんな気分になりました。


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