「妖精といた夏」

ダイナフェアリーの98


ダイナフェアリーと当歳馬(1998/9/3at白老F)  昨年(1998年)9月、ダイナフェアリーに逢いに行きました。ダイナフェアリーは現在、 白老ファームというところで繁殖生活を送ってます。海がすぐそばにあって、牧草が 風で揺れている。見学者もさほど多くはなく、のんびりと時間が流れている。 私の大好きな牧場です。 天気のよい時なら、きっともっときれいなのでしょう。 繁殖牝馬たちの背中には、深い青色の海が厳しく佇んでいました。

 見学時間も終わりに近づいた頃、ダイナフェアリーに逢わせて頂けることになりました。 遠い放牧地から、厩舎に帰ってきたところでした。 そして、その隣にはかわいい当歳馬が! 仔馬は変なものを見るような顔で、私達を見ていました。 担当のお兄さんが厩舎から当歳馬を出して下さいました。 ダイナフェアリーの方は私達のことを少し不安げに見ていますが 仔馬の方はいたってマイペース。私は考え事をしながらシャッターを 切っていました。

 仔馬はもうすぐ母馬と離され、競走馬になるための訓練を受けます。 母馬には出産という次の大仕事が待っています。  それぞれの道があり、その岐路はもうすぐです。

 ダイナフェアリー98の馬生は、まだはじまったばかりです。 これから、たくさんのことを経験して大人になっていくのでしょう。 そして妖精と過ごした夏は、彼を支え続けてくれるはずです。 彼の心の帰る場所として・・・。

*この文章のタイトルは山崎まさよしさんの「妖精といた夏」(1996年アルバム「アレルギーの特効薬」収録)から お借りしました。
 

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