「大切な存在」

ローゼンカバリー


ローゼンカバリーのオールカマー(1998/9/20at中山競馬場)なぜか寝てる(笑)  ローゼンカバリーは以前から好きな馬でした。 好きなのは間違いないのですが、同時に今一つ決め手に欠ける存在と 言えたかもしれません。 私にとってのローゼンカバリーは、第一に「ノリちゃんのお手馬」でした。 馬と人のどちらに対する愛情が大きいのか自分自身、測りかねていました。 「ノリちゃんのお手馬」と呼ばれる馬は、かえってここが難しいのです。 ノリちゃんだから好きなのか、それとも馬自身が好きなのか・・・。

 この答えは大抵、「乗り替わり」の時に気づかされます。 ローゼンカバリーの時もそうでした。 98年オールカマーの1週間前のことです。 ノリちゃんは札幌で騎乗することになっていました。 月曜日の時点での競馬週刊誌で、それは確認することができました。 それが騎手の意思だったのか、厩舎側の意思だったのかはわかりませんが ローゼンカバリーの鞍上は空白になりました。

 乗り替わりなど、別に珍しいことではないと思いながら、  それでもやはり淋しく、ローゼンカバリーが新しいパートナーと ハッピーにレースできることを、私は祈りました。

 その後の2戦については、オールカマーでは安田富男騎手、京都大賞典では吉田豊騎手が 騎乗しました。どちらも1度だけの騎乗でした。 レース振りも精彩がなく、見ているのが辛いほどでした。

 それでも、この2戦の間に私のローゼンカバリーへの気持ちは 確信に変わりました。 負けても負けてもこんなに好きでこんなに愛しい。 こんな風に思える何かと出逢えることは一生のうちでもそんなに ないだろうと思うようになったのです。 レースの前日にドキドキして眠れなくなったり、たくさんの豊かな感情が味わえる。 この頃から、ローゼンカバリーは私にとって本当に大切な存在になったのです。


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