「2001年馬めぐりの旅」

#しつこいようですが、牧場見学の際は、必ず 競走馬のふるさと案内所にお確かめ下さい。
 最後だよ、頼んだよ。

9月4日(火)白老ファーム 意中の馬;ダイナフェアリーとサマーベイブ

写真(下)は、ダイナフェアリー
 
ダイナフェアリー(2001/9/4at白老F)  今年の白老Fの見学は、非常に効率的だった。 帰りの飛行機の時間が早かったので気持ちが急いてもいたが、 牧場のみなさんの親切で、すぐに案内してもらえたことが大きい。

 最初に事務所に伺い、見学をしたい旨を述べる。事務所には大きな ステイゴールドぬいぐるみが置いてあった。(カバちゃんも作ってほしい!) そちらでまず、ダイナフェアリーのいる場所を教えてもらう。

 
写真(下)は、ダイナフェアリー
 フェアリーは、道路を挟んで事務所と反対側の放牧地にいるらしい。 フェアリーがいると思われる放牧地の近くで働いている方に、「ダイナフェアリー を見学させていただきたいのですが・・・。」と言うと、 そのお兄さんは仕事を中断して、海の見える放牧地に走って行ってくれた。

 遠くの方からお兄さんに連れられたダイナフェアリーが歩いてくる。 もう1頭、フェアリーのお友達らしき馬が一緒に歩いて来た。 天気が悪かったせいだろうか。フェアリーが急に年をとったように感じた。 仔馬が乳母に育てられていることは雑誌で読んで知っていたけれど、 仔馬と一緒にいないフェアリーを初めて見て、内心ショックだった。 お兄さんとするお話も、あまりハッピーじゃないお話が多かった。 今年は止まらなかった(受胎しなかった)という話をお兄さんは 「サンデーじゃなきゃ嫌なんだよな〜?」などと茶化してくれていたが、 やっぱり寂しい。つい気になっていたことを聴いてしまう。 「あと何年くらい繁殖牝馬としてやっていけるものなんですか?」 お兄さんは「普通にいけば、あと2、3頭は(仔が)取れると思うん だけれど・・・。」と教えてくれた。フェアリーと仔馬に逢いに来る ことができるのも、ほんとにあと少しのことなのだと思うと、胸が キュっとなった。

 フェアリーがいた放牧地には他に4頭の繁殖牝馬(仔馬はいない)がいて、 ゴールデンサッシュ(ステイゴールドの母として有名。名前のとおりの金色の お馬。)もいた。私達はお礼を言って、サマーベイブがいると思われる方へ 急いだ。

ダイナフェアリー(同上)
写真(下)は、サマーベイブ
 
サマーベイブ(同上)  ベイブがお世話になっているはずの厩舎で作業中の方に声をかける。 他人の顔を覚えるのがもの凄く苦手な私でも、このお兄さんの顔は覚えてる。 だって白老Fへお邪魔するたびお世話になってるもん(笑)。 「お仕事中失礼します。サマーベイブがこちらにいると伺ったのですが・・・。」 と私達が切り出すと、「ベイブは今、一番遠い放牧地にいるから、4時過ぎまで 待っていれば戻って来るはずなんだけれど・・・。」お兄さんがそう話していた時、 多分私達の顔には「がっかり(涙)」とか「ショック」とか書いてあったのだと思う。 私達は5時台の飛行機で千歳を発たなければならないのだから。どうしたって、4時過ぎまで ここにいるわけには行かないのだ。「あぁ、そうですか・・・。」と私達が答えると お兄さんは「遠くから来たんだろ?」と言って、ベイブを連れに行ってくれたのだった。

 
写真(下)は、サマーベイブ
 お兄さんの心遣いに私達は目一杯感動して、ベイブ親仔が近づいて来てくれるのを待った。 お兄さんとベイブが見える。随分と体が大きくなったけれど、あれはベイブ! 今年は間違えない。ベイブもお母さんになったのだ、と感慨深くなる。その脇にピョンピョン飛び跳ねながら仔馬がついて来る。 な、なんだ???前に後ろにまるで「酋長の踊り」って感じ。あれがベイブの仔 なのか?びっくりだな〜。お兄さんからもそのお転婆ぶりについていろいろと 教えてもらった。まず「(ここで)1、2を争うくらいうるさいです(笑)。」 ベイブのお母さんぶりについても話をしてくれた。お母さんという感じじゃなくて 姉妹みたいな感じらしい。そりゃ、ベイブも若いしね。納得できる。 あんまりいいお母さんって感じでもないらしい。んっ、ちょっとイメージが・・・(汗)。 おまけに「普通1頭こうやって連れてくると友達がついてくるもんなんだけれど、 誰も来ないねぇ。いっつも威張ってるから、友達いないんだよね(笑)。 集団のかき回し役だから。」あぁ、ベイブのイメージが完全に変わってしまった。 それでも、気の強いところがダイナフェアリーに重なって少し嬉しくもあった。

 ベイブの親仔は顔もよく似ていた。「ダイナフェアリーの一族って顔が似ますね。」 などと私が言うと、お兄さんは「ベイブは似てない方ですよ。」それを聞いて私は すかさず「じゃ、一番似ているのは?」と訊くと、お兄さんは期待通り、 「ローゼンカバリー!(フェアリーは)あんなにめちゃめちゃ(な顔)じゃないけど(笑)。」 と答えてくれた。

(同上)
 最後に、「ここの放牧地にはダイナフェアリーの当歳も乳母と一緒にいるけれど、 乳母と一緒にいるせいか煩いところがなくて、これはもしかしてフェアリー最後の、 最後じゃないけど(笑)大物かもしれないよ。父は違うけれどベレロフォンに似てるかな?」 とお兄さんは話してくれた。ベレロフォン・・・その名前を聴いて、私は涙が出そうになった。 乳母に育てられた話を聞いて、スペシャルウイークを思い出した。
 ベイブ親仔が群れに帰って行った。仔馬は相変わらず飛び跳ねている。 また逢える日を願って彼女らの後ろ姿を見送った。ベイブが群れに戻ると 群れが無秩序に動き出した。「かき回し役」というのは本当だった(笑)。


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