「その4」

気が向いた時だけ書くのだ

「人が許しあって生きていくものだとしても」(2001/7/3UP)

 漫画の話だ。未婚の母は売れない女優。娘は、この、恋愛に忙しく時に自分を 邪魔者扱いする母を、愛していた。気まぐれに与えられる愛情を かみしめながら、それでもやっぱり愛していたのだと思う。 ある時、傷つけられ続けていた娘は、我慢できずに母の心を傷つける。 母は感情を顕にする。

 「あんたさえいなけりゃ わたしはもっと 幸せになってたわよ」

二人の間には大きな埋められない溝が生まれた。
 娘は全寮制の学校で生活をはじめる。母の(恋人の)都合だった。 7年後、母の具合が悪くなり、娘は病院へ向かう。 娘はやはり母を許すことができなかった。差しのべられた手に背を向け、 病室を後にする。母が亡くなって数ヶ月後、クリスマスプレゼントが 娘に届く。生活が苦しかったはずの母からのプレゼントだった・・・。

 「あの時 差し出された手をとっていたなら こんな心臓が破けそうな思いは しなくてよかったのかも。 こんなに後悔するのに どうして人を許す事はむずかしいんだろう」

 7年後の病室での娘は、母の弱さもわかるくらい大人になっていた。それでも 許すことができなかったのは、肉親だからだ。簡単に許せないくらい傷ついているのに、 さらに、許すことのできない自分の弱さや卑屈さを責める。二重苦。 おまけに、子どもは親を嫌いになれない。

 これは漫画の話だ。でも、いろんな意味で私自身の話でもある。

 *ストーリーと引用は全て遠藤淑子作「マダムとミスター[3]」白泉社、「ニューイヤー」よりお借りしました。


「真心」(2001/6/21UP)

 23日(土)から、銀座シネスイッチというところで、「真心」という短編が 公開される。レイトショーのみで上演時間は20分程度とのこと。 初日には舞台挨拶もあるらしいが、朝から整理券を配るそうなので 土曜日お仕事の私は×(涙)。
 主演は永瀬正敏・・・ってことで、4月頃話題になったあれだな〜と気がつく人も いるかしら?真心ブラザーズの別れの歌3部作3ヶ月連続リリースのPV を一つの短編映画にした「あれ」である。いろんなところで試写会 をしていたのだけれど、見られなかった私としては上映してくれる のがありがたい。
 3部作の曲もいい。よーちの声も好き。「流れ星」もかなりいいけど、 世界に共感できるのは「橋の上で」。

「忘れてはいけないものに 目をつぶって歩いてるとしても」

「橋の上で」より 詞;桜井秀俊

 いろんなことを振り返るのも、今の私には必要なことかな、とも思う。 ここのページで「大切な人との関わりについてまとめられたら」と最近考えている。 遅筆なので、いつになるかはわからないけれど・・・。


「あたしの感動した言葉」(2001/5/8UP)

「大きな声について行ってはいけない」

2001/5/8放送「NEWS23」井上ひさし氏の言葉。

 もやもやとした状況の中で、わかりやすい、裏を返せば一面的な 考えに基づいた「大きな声」について行ってはいけないということ。
 考え続けることに終わりがない様に思えても、思考停止してはいけないと 心の底からそう思った。そんなに簡単に答えが出るなら、既に問題は 解決しているはず。「〜しさえすれば・・・」なんて方程式はどこにもない。 答えなんてない。答えの出ない苦しさから逃げ出さないで。 きっとこれが「生きる」ということなんだから。


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