アイワのTPR-840でございます。
画像はでかいサイズのままで置いてあるのでアップで見たいかたは画像をクリックしてみるとよろし。
全て渡辺裕文さんからお送りいただいた画像つきレポートです。ありがとうございます(・∀・)。

2月下旬に同情落札したアイワのラジカセTPR-840の写真を貼付します。

オークションで手に入れたときは全く動かず,ふたを開けると半田を溶かして配線をはずさないと駆動系に到達できないソニー以上の修理屋泣かせの構造にへきえきしながらゴムベルトを交換しました。畳やズボンに溶けたベルトの黒いべたべたが付いてしまいました。また,モーターが通常のラジカセと違い後ろ向きに駆動部に付いており,その駆動部を取り外さないとサーボモーター裏の速度調整ボリウムにアクセスができない構造で速度調整はあきらめました。アイワ,ソニーのラジカセは4.8cm/secで調整されており,クオーツロックのオーディオデッキや市販テープは4.76cm/secなので半音くらい音程が高くなってしまいます。
中学生時代,本当はAIWAのTPR-808(1975年?)が欲しかったんですが,親父の薦めもあり,お金貯めるのが苦しくて妥協でSONYのCF-2400を買いました。TPR-808はカセットデッキを連想させるアルミの操作パネル(同じ筐体の旧型TPR-801(1975年?)は黒パネルでしたからちょうどCF-1980とCF-1980IIの関係に似ています),TPR-801の0.15から0.09%まで向上したワウフラッター,15,000Hzをクリアするf特(この当時のエントリークラスデッキ並!),54dBと当時のカセットデッキに負けないSN比,3ポジション(確か)テープセレクタ,DIN端子によるLINE IN/OUT, 録音ボリューム,アナログメーター,ロングスケールのチューニングパネル(なぜか短波付き),外部アンテナ端子,正面2スピーカー,サイド2スピーカー(SONY CF-3800と同じ構成),外部スピーカー端子とオーディオコンプレックス系システムアップ指向の13歳の私めには夢の様な機種でした。ただ,実売価格が1万円CF-2400より高くて手が届かなかったんです。磁性体が超微粒子化された最近のカセットでは目立ちませんが,SN比45dBのCF-2400が立てる「シー」というヒスノイズにあのころは泣かされました。ハイポジのUD-XLIIを使うと静かになりましたが90分で確か1050円,中学生の身では一本しか買えませんでした。また,ラインインモニターや外部スピーカー端子もなく,ずいぶん意気消沈したものでした。そういうこともあってAIWAのTPR-808(1976年)は永遠のコンプレックスの対象となっています。その後,TPR-830(1976年後半)と言う機種が出ました。TPR-808をグリルの付いたフロント2スピーカーにして,フォノイコライザーをつけ,アルミパネルを廃止した様な機種でしたが,TPR-808のオーディオぽさは失われていました。ワウフラッターは0.07%まで向上したにもかかわらずf特は14,000Hzまでとダウンしてしまいました。また,この機種はヒスノイズをカットするためにハイフィルターがかかっているようであまり抜けの良い音ではありませんでした。TPR-808の4スピーカーはその後クオーツ時計内蔵機種のTPR-810(1977年)に受け継がれたようでした。その後真っ黒なパネルながらオーディオコンプレックスの期待をいっしにまとった大柄のTPR-820(おそらくAIWA初のカセット正立型ピアノレバーラジカセ,1978年)が出ていたのは知っていますが,TPR-840の現役時代を小生は知りません。系譜としてはTPR-830の後継機種の様ですが,TPR-830のあとにTPR-810や820が出ていた時期を考えるとこのTPR-840はTPR-820が出た後に出た機種なのでしょうか?DINからPINに変更された入出力端子,ソフトイジェクトも1979〜1980な臭いを漂わせています。TPR-808の現役時代,2スピーカー,ワンメーターで自動録音のみのTPR-860というまるでAIWA版のCF-2400の様な廉価機種もありました。TPR-8xxのお手軽系として正立型が出た後も倒置のまま後継機種が数機出ていたようですが思い出せません。TPR-840は録音ボリュームやメーターが付いていることはお手軽系異なりますが,カセット正立型ピアノレバー機種であるTPR-820が出た後に,TPR-8xxカセット倒置系(お手軽系)とTPR-830の余った部品で作った倒置型最終機種なのでしょうか?
このTPR-840,小生がいじるときには目の前にTPR-808の”まぼろし”があり(操作ボタンの形状とソフトで高級な感触は同じですが),840そのものには殆ど思い入れがありません。ただ,音はTPR-830のヌモーとした輪郭のはっきりしない音からうってかわって,スカッと抜ける高音,厚みのある中低音,ソニーCSF-686と比べてもはっきり差がわかるほどの低いワウフラッター(TOSHIBART-S90並)と,すばらしいものです。2月中旬にヤフオクに出ていたんですが,誰にも相手にされずひとり寂しくオークション終了をまっているようで不憫で思わず入札してしまいました。500円入れてあげたんですが,結果100円,振り込み手数料の方が高くつくありさまでした。
ステレオ840を探している三浦裕行さんからもコメントをいただきました。ありがとうございます。
おおお、ついにステレオ840の画像が・・感激です。渡辺さんありがとう。更に詳細な解説までついていて、でも840ってかなりマイナーな機種だったんですね。改めて知りました。でも、渡辺さんのおっしゃる通りかなり良い音がしましたよ。自分の頑張って840をゲットするように、オークション等のチェックこまめにしますね。
2003年4月2日。