カセットデンスケTC3000SDでございます。
画像はでかいサイズのままで置いてあるのでアップで見たいかたは画像をクリックしてみるとよろし。
1976年(昭和51年)発売。定価74,800円。
生録派の至宝、言わずと知れたソニーのカセットデンスケでございます。とにかく頑丈にできています。この時代の製品は本当に丈夫です。今思うと持ち歩くには本当に重すぎますが、この大きさがまた愛しいですね。中学生の頃、○崎宏美コンサートにこれを隠し持っていって録音しちゃったのは私です。ゴメンなさい。でも、こんなにデカいのによくみつからなかったものです。コンサートではネスカフェのコマーシャルで流れていた「やさしく歌って」がとっても素敵でおしっこチビリそうでした。
キャリングバッグもスパルタンで強靱な仕上げ。素晴らしいです。カッコイイです。やっぱりでかいメーターはいいですねぇ。メーター照明をつけるだけで胸が詰まりそうです。
譲っていただいたものは、なんと外箱と無記入の保証書付きでございました。TCD5Mも持っていますが、カセットデンスケといえばやっぱりこの時代のものが真っ先に思い浮かびますね。
肩掛けベルトが欠品だったのが残念ですが、他のを流用できますしいいんです。
カセットホルダーのフタは可撤式でヘッドクリーニングが容易にできるようになっています。。
ソニーの2700、東芝の8400、松下の4400などがこのデンスケシリーズのデザインをお手本にして作られたステレオラジカセです。
パイオニアの666や888はデザインは模してはいるもののモノラルラジカセでございます。
私はこの時代のソニーが本当に好きでした。当時はソニータイマーなんていう言葉自体が存在していなかったと思いますよ。がんばれソニー。
渡辺さんから、カセットデンスケの変遷について以下の情報が寄せられました。本当にありがとうございます。右の写真も渡辺さんに提供していただいたものです。
TC-3000SDは,おそらくTC-2800と言う機種に始まるHifi版カセットデンスケシリーズの第1段(2800-2890)の次世代にでた機種らしく,1977年10月のソニーテープデッキ総合カタログにTC-2500とともに載っています。一方,ラジカセ版カセットデンスケは僕がラジカセに興味を持った最初のカタログ,1977年10月ソニーラジオカセット総合カタログには既にマイナーチェンジ後のCF-2700Dとして掲載されています。ナショナルの昭和52(1977)年11月21日版カセットテープレコーダー総合カタログには既にRS-4400が掲載されています。また,昭和53年6月版東芝カセットレコーダーカタログには,RT-8400Sが生産終了機種として※印とともに掲載されています(同年11月版からは消えています)。
と言うことで,各社の生録デッキタイプラジカセのモデルになったのはおそらくSONY TC-2800ではないかと思うのですが,いかがなものでしょうか?段ボール箱に危険物捨て場でとってきたテレビの2WAYスピーカーを組み付けてでラジカセの「外部スピーカー」を作ってしまうようなボンビーHifiステレオコンプレックス少年だった自分は,これらの機種にずいぶん胸を焦がしたものでした。「ああステレオラジカセをシステムアップしたい!」
(残念ながらソニーWorld Zoneシリーズの様な超オタク級BCLラジオやスカイセンサーvsクーガー/プロシード戦争はさめた目で見てました;松下の宣伝にでてきたBCL歴うん十年とかいうヨゼフ・ナジ氏(だったっけ)だけは妙に鮮明に覚えてますが)。
カセットデンスケシリーズはおそらくTC-2800と言うご先祖様に始まり(ただこの機種をみたことはありません),DOLBY NRを取っつけてTC-2850SD (これらがCF-2700を派生させた?),その後ピアノレバーの下にバーをつけたTC-2810,それにDOLBY NRを取っつけたTC-2860,黒塗装でマイクアッテネーター3段切り替えのTC-2890SDとなり,その後1975-1977までのあたりで,アルミヘアライン仕上げやスライドボリウムなどHifiデッキコンプレックススタイルを捨てる跳躍進化を成し遂げ,陥没型左右同軸録音ボリウムの第二世代に至ったのではないかと思っています。
ご参考までに職場のゴミ捨て場で拾ったTC-2850SDとオークションで先日手に入れたCF-2700Dを並べたオタクな写真2枚を添付させていただきます。
ううむ、カセットデンスケの歴史もいずれひもとかなければならないテーマでありましょう。それにしても渡辺さんもかなりマニアックでございます。こういう写真を見ると思わず口元がほころんでしまいます。たぶん同世代の方はわかるでしょうね、この甘酸っぱい気持ち。
2001.7/16記。2002.1/10渡辺さんからの情報を追記。
情報本当にありがとうございます。