ソニーのSS-5050というスピーカーについての情報を求む、でございます。
スピーカー大好き、マックbbをお使いだった 山本さんからメールをいただきました。
私はスピーカーの製作と収集が好きなのですが、先日、SONYのスピーカー「SS−5050」を入手しました。
ルックスはいまいちなのですが、音の方は大変気に入ってしまいました。
SS−5050についてネットで検索してみましたが、まったく情報が集まらないのです。気になってしょうがありません。
お願いなのですが、貴殿がお持ちの情報から調べていただけないでしょうか。
SS−5050は、使用部品の番号より1974年頃の製品と推測されます。
30センチ・カーボコン・ウーハーを持つ3ウェイ密閉型、最大入力80Wです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
このスピーカーについて、初期ラジカセの研究室で調べてみたのですが、資料はとうとうみつからず、迷宮入りかと思っていた矢先、「オーディオ懐古録」管理人のnisiさんから以下のようなメールをいただきました。本当にありがとうございます。さすが「オーディオ懐古録」でございます(・∀・)。
「オーディオ懐古録」のnisiです。古いオーディオ機器のことなら当ページまでということで・・・。
手元にあった古いオーディオ雑誌の中に記事を見つけました。転記しておきます。

「SS-5050は炭素繊維と北欧産パルプとを混抄したカーボコーン使用の30cmウーファーをベースとして完全密閉型ブックシェルフ・スピーカーシステムである。
ウーファーは炭素繊維を放射状に混入したゴムエッジ付で,磁気回路は低歪率設計である。トゥイーターは3.5cm口径のカーボコーンにダンプ材含浸ダイアフラムをラミネートしたドーム型で,ソフトドームとハードドーム両者の利点をもつものとのことだ。スーパートゥイーターは2.5cm口径でトゥイーター同様なラミネート振動板採用である。クロスオーバー周波数は,1.5kHzと10kHzで,2ウェイシステム+スーパートゥイーターで構成するいわば変則3ウェイ方式と考えてよいシステムである。」
あと,仕様を転記します。
SS-5050 ¥52,000(1台)
・エンクロージャー型式:完全密閉型
・使用ユニット:30cmコーン,3.5cmドーム,2.5cmドーム
・周波数帯域:45Hz〜20,000Hz
・クロスオーバー周波数:1,500Hz,10,000Hz
・最大入力:80W
・出力音圧レベル:91dB/w
・インピーダンス:8Ω
・外形寸法:365W×630H×318Dmm
・重量:20kg

以上,参考になれば幸いです。
ユニットは全て健全。エンクロージャは一部はがれ有り。ビス、木ネジは錆がういています。第一印象はダサイ・古い・きれいじゃない。
とても重い。(ジャンク売り場で一番重かった。)
ユニットを取り外して内部点検と観察も行いました。実は、このSPがただものではないと思ったのは、この時だったのです。
ウーハーはフェライトマグネット周辺の金属部が銅色に光っている。スコーカーは巨大なフェライトマグネットが使われていて、堅牢な作り。ツイーターも同様だがボイスコイルの極細の線材がターミナルに直結しており触るとすぐ切れそうだ。
中・高音は細身で繊細な音。箱の前板は、合板に黒塗装と無骨な感じ。それに対して、側板(木目)は、合板に本物のつき板が貼ってある。昔は良い仕事してまんなー。ユニットは鬼目ナット+ビス止め。
ネットワークは、全域6db/oct のクロスであり、初めてお目にかかった物だ。12db/oct が主流の現在から考えると、6db/oct のネットワークで音決め(調整)したということは、素子の定数を決めるのにかなりの手間隙・実験が必要だったはずである。
このスピーカーは何者であろうか。誰がどこで使っていたのか。謎は深まる。推理し、想像をふくらませていくと、もしかして、お宝発見?・・・放送局仕様?プロ用?根っからスピーカー好きなんだろうね。
表面のロゴプレート。プラの印刷。合板黒色塗装といい、サランネットを付けた状態を標準にしているわけだろう。
写真には撮らなかったが、サランネットの作りがすごい。合板の内周をくり抜いて、外周部にネットを張っている。縁取りはアルミ製であり、サランネットはうすい茶色だ。
2003.6/30記。
2003.7/9オーディオ懐古録からの資料追記。