「ミスター・ビーン」っておもしろい?

1998年4月25日


イギリスのテレビ番組、『ミスター・ビーン』」が日本でブレイクして、えらい人気があるらしい。しかし、私はこの役者がどうにもダメである。何だか下品すぎる。

このシリーズの台本は、それなりによくできているものもある。ギャグとしてだけなら笑えるものもある。しかし、何本も続けて見たいとは思わない。一本(実際には2/3)見たらもうダメだった。

この役者は、自分が「Mr.ビーン役」をやっていることを憎んでいるに違いない。もっと開き直ってしまえばよいのに、こんな役は俺がやるものではないと思っているのが画面から伝わってくる。

彼自身は、本当なら俺はもっとまともな芝居をやる役者なんだと思っているのだろう。そのため、このようなものでいくら売れたところで、役者としてのアイデンティティを確立することは出来ないのかも知れない。へんに売れてしまったコンプレックス(inferiortiy complex)が伝わってくるから、見ていても楽しめない。

ショーン・コネリー「007」のボンド役で売れていたときも、人から「ボンドさん」と呼びかけられたら、「おれはボンドじゃねぇー」と、言った人に向かって、狂ったように怒ったそうだ。

役者や作家が、今自分が今売れているこんなものは仮の姿であって、本当の自分ではないという不満をもっていることは珍しくない。ただの世過ぎ身過ぎにすぎないと思っており、今売れていることに対してコンプレックスを感じていることはよくある。

ビーン役の役者の場合、画面からもそれを感じさせてしまうのが彼の才能のなさなのだろう。泣かせるのは難しくないが、道化役者は、役者自身の精神がひとつ突き抜けていないと、見ている側は安心して笑えない。

ちなみに、私が死ぬほど好きなお笑いタレントは、ジミー大西、村上ショージ.....、この2人は予測不可能なギャグ(?)を飛ばしてくれる。意外性のかたまり。

マジェイア


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