おいしい生活(3)


ピロシキ

piroshki

1998年2月4日



「ピロシキ」(Piroshki)って知っていますね?揚げたパンの中に、挽肉やタマネギ、卵などが入っている「ロシア風肉まん」です。

子供の頃これが大好きで、大阪の阪神百貨店にある「パルナス」で、よく母に買ってもらいました。

ところがいつの頃からか、このピロシキがおいしくなくなってしまったのです。

「パルナス」というメーカーは関西に本社があります。少し年輩の人なら、ロシアの民謡風のメローディと共に流れてくるCMソングを覚えているはずです。歌はともかく、あるときからこのピロシキが全然おいしくなくなってしまったのです。

ほかのパン屋に行ったときも、「ピロシキ」があればいつも試しに購入していました。しかしどこのピロシキも小さくて固く、中の具もコンビニのおにぎりに入っている具程度の量しかなく、満足できるものとは一度も出会えなかったのです。

これはもしかすると、子供の頃食べていたピロシキがおいしかったというのが幻想であったのでしょうか。または、その後いろいろなおいしいものを食べるようになったため、味覚が変わってしまったのかもしれないと思うようなりました。子供の頃おいしいと思っていたパルナスのピロシキも、まずいと感じるようになったのかも知れないとあきらめていました。

ところが先日、インターネットで、まったく偶然にピロシキを売り物にしている店を見つけました。名前を見ると、「モンパルナス」となっています。「パルナス」と何か関係がありそうです。 そこのホームページにあったピロシキの写真を見ると、最近よくみかける固くて小さな団子のようなものではなく、相当に大きく、ふんわりした感じです。

場所を確認すると、阪神電車の尼崎駅構内にあります。自宅からだと車で15分ほどのところです。 これはひょっとすると期待できるぞと思い、早速行ってみました。

食べてみて驚きました。30年以上前に食べた「あのピロシキ!」だったのです。

感激して、すぐに「モンパルナス」へメールを出しました。するとここは26年前、「パルナス」から独立した会社であることがわかりました。しかもピロシキは、昔、阪神百貨店で販売していたものと同じ製法で作り続けていたのです。だから、「あの味」だったのです。

「ピロシキたずねて三千里......」、ついに出会いました(涙)。

ここはピロシキの仕込みだけでも二日かけ、しかも毎日作っているそうです。そのため、その日の分は売り切れたらおしまいです。午前と午後の2回店頭に並びます。 他の店のように、冷凍で大量に作っておいて、それを解凍して調理しているのではありません。26年ほど前、本家から独立してから、ずっと昔の製法だそうです。本家のほうは、今では大量生産で、冷凍したものを解凍、調理して販売しているようです。

それにしても私の執念もすごいでしょう。何だって諦めずに、いつか出会えると思っていると、本当に出会えるものです(笑)。

ピロシキがお好きな方で、もしお近くなら一度、お試しください。特に昔の味を知っている方なら、きっと満足しますよ。(値段は1個150円です:1998年2月現在)

★補足:ここは朝と午後の2回、その日作った分が店頭に並びますが売り切れたら終わりです。もしどうしても欲しい方は事前に電話で予約してから行ってください。買いに行ったら、売り切れていて、買えなかったというメールを何通もいただいています。連絡先は下のURLを参照してください。

モンパルナスのサイトです。

マジェイア


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